日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO: 小高俊彦)はこのたび、ライプニッツ計算センター
(LRZ)よりスーパーテクニカルサーバ「HITACHI SR8000(以下SR8000)」を受注しました。今回受注した
「SR8000」は、2000年3月の第1期導入で、ピーク性能1テラフロップス(*1)を超える、ヨーロッパで最大
級のシステムとなります。これは、ドイツで最初のテラフロップスコンピュータです。さらに、2002年の
第2期導入では、ピーク性能2テラフロップスを達成します。
(*1) テラフロップス:浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力
今回の受注は、「SR8000」の先進のアーキテクチャ、実効性能の高さ、強力なソフトウエア群、コンパ
クトな実装による優れた設備条件等、当社のハイパフォーマンスコンピューティング技術に対する、高い
評価に基づくものと受け止めています。
受注先であるLRZ(Leibniz-Rechenzentrum der Bayerischen Akademie der Wissenschaften)は、
1960年代半ばに設立されたドイツ ミュンヘン地域における大学・研究機関向けの計算センターで、バイ
エルン州立アカデミーによって運営されています
「SR8000」は、ドイツ国内の大学と研究機関によって、主に以下の研究分野に利用されます。
・宇宙工学 ・生物学 ・分子化学 ・高電圧工学 ・地震解析 ・計算機科学 ・衝突解析 ・新素材開発
・気象解析 ・超伝導 ・流体工学 など
当社では、1998年5月に従来のベクトル型スーパーコンピュータの持つ実効性能の高さと、並列コンピ
ュータの持つ高いスケーラビリティを併せ持った、新アーキテクチャのコンピュータ スーパーテクニカ
ルサーバ「HITACHI SR8000」を発表しました。その後、1999年3月にオフィスや研究室内においてスーパ
ーコンピュータクラスの性能を発揮する「SR8000コンパクトモデル」を発表、1999年9月に、世界最高速
の演算性能を実現した「SR8000モデルF1」を発表するなど、「SR8000シリーズ」の製品ラインアップの強
化を図ってきました。こうした取組みの結果、現在までに海外を含め累計で26システム受注しています。
「SR8000シリーズ」は、1999年6月のTOP500(*2)に基づく当社の集計によると、国内市場において、演
算能力ベースでトップシェアの約31%(「SR8000シリーズ」を含めた日立製スーパーコンピュータ全体で
は、約46%のシェアとなります)を獲得しています。
(*2) TOP500:世界最大級のスーパーコンピュータの性能に関する統計情報として広く知られています。
TOP500リストは、ドイツ・マンハイム大学のHans Meuer氏、アメリカ・テネシー大学の
Erich Strohmaier氏、Jack Dongarra氏らによって 1993年から発行されているものです。
(http://www.top500.org/top500.list.html参照)
当社では、今後も「SR8000シリーズ」の強化を図ることによって、科学技術計算分野の発展に貢献すべ
く一層注力していきます。
以上
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