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平成11年10月20日

液晶ディスプレイを活かす
次世代インターフェイスを共同開発、標準化団体に提案

シャープ株式会社
株式会社東芝
日本アイ・ビー・エム株式会社
株式会社日立製作所
    

 シャープ株式会社、株式会社東芝、日本アイ・ビー・エム株式会社、株式会社日立製作所、以上
4社は、液晶ディスプレイの特徴を活かす次世代インターフェイス“デジタルPVリンク”(Digital 
PV Link)を共同で開発することに合意しました。
この新しいインターフェースが液晶ディスプレイの普及をより一層促すものと期待されます。4社
では、共同開発を 2000年中頃に終え、その後、デジタルPVリンクを現在のインターフェイスの拡
張機能としてVESA注1、DDWG注2、DISM注3などの標準化団体に提案し、標準化を目指していく予
定です。

 現在、液晶ディスプレイでは、パソコン本体から画面上の全てのイメージが連続的にデータ転送
され画面表示をしています。 デジタルPVリンクは、この方式とは異なり、表示データにID(情報
識別ビット)などを加えてパケット化して転送する方式です。 全データを転送する従来の方式でも
ディスプレイ側に表示メモリーを置きデータ転送を遅くすると、UXGA(1600x1200ドット、約200万
画素)を超える超高精細パネルの表示はできます。
しかし動画などの表示に問題が残ります。 デジタルPVリンクはデータをパケット化することにより
それぞれのデータに応じた最適の処理を選ぶ事が出来るようになります。つまり動画を圧縮したま
ま送ったり、書き換わった部分だけ送ることにより超高精細パネルの表示が問題なくできるように
なります。 コピー・プロテクションなどの機能も簡単にサポートできます。又、複数のディスプ
レイに個別の表示データを転送できるため、複数のディスプレイで別々の画面表示を行なうマルチ
パネルの機能が容易に実現されるようになります。
加えて、画面上の必要な部分だけを転送したり、転送後は転送操作を止めるなど、消費電力を大幅
に削減できます。

 こうしたパネル機能の向上に加え、任意のパソコンと任意の液晶ディスプレイの接続を可能にす
るPlug&Display注4などの機能を強化して、それをもとにした携帯からオフィスまでの空間におけ
る新たな製品群の開拓も期待されます。

 デジタルPVリンクは、インターフェイスのプロトコル部分に属し、現在のデジタルインターフェ
イス(TMDS注5, LVDS注6,GVIF注7)を変更するのではなくその上の拡張機能となります。今後
は、デジタルPVリンクの標準化への活動とともに、携帯端末への表示から超高精細表示やマルチパ
ネル表示までの幅広い範囲をサポートするグラフィックスカードやOSといった技術的インフラの
整備も働きかけていく予定です。

 デジタルPVリンクの製品への展開は、大型高精細やマルチパネル機能をサポートするモニターと
グラフィックスカードが共同開発終了後に予定されています。その後ノートブック・パソコンなど
にも順次展開していく予定です。


注1) Video Electronics Standards Associationの略で最も権威のある表示規格などの標準化
   団体
注2) Digital Display Working Group の略でIntelやIBMなど7社が参加しているモニターイン
   ターフェイスの標準化グループ
注3) Digital Interface Standards for Monitor の略でJEIDAの下の標準化組織
注4) VESAが提唱している機能でPCの電源の入った状態でもモニターを簡単につなげて使う事が
      できる
注5) Transition Minimized Differential Signaling の略でSiI社が提案している高速イン
   ターフェイスでDDWGが提唱している規格DVI(Digital Visual Interface)に採用されてい
   る
注6) Low Voltage Differential Signaling の略でノートブックで一般的な高速インターフェ
   イス
注7) Gigabit Video InterFaceの略でSonyが提案している伝送線数の少ない超高速インターフ
   ェイス

                                                                                  以  上


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