三 菱 電 機 株 式 会 社
株 式 会 社 日 立 製 作 所
富 士 通 株 式 会 社
三菱電機株式会社、株式会社日立製作所、富士通株式会社の3社は、このたび、マルチベンダで
構成される情報システムへの不正アクセスに対して、セキュリティ侵害の検知から監視・防御まで
を一貫して統合運用するための共通APIを策定いたしました。
また、本APIに基づいた「不正アクセス防止基盤システム」を3社で共同開発し、擬似モール
システムを利用した実証実験を行う予定です。
[開発のねらい]
インターネット上で提供される各種サービスはその利便性の一方で、不正アクセス等の脅威にさ
らされており、その手法は高度化しております。
セキュリティの脅威はインターネット上の公共サービスや電子商取引発展の重大な阻害要因となり
かねず、そのためにも早期に不正アクセスを検出し、対策を実施する必要があります。一方、多く
の情報システムはマルチベンダーの製品群から構成されており、不正アクセス対策製品も目的ごと
に異なった運用がされる等、特に大規模な情報システムでは統合的なセキュリティ管理、運用する
ことが困難となっています。
このような背景を踏まえ、本共同開発では大規模なマルチベンダー環境において、不正アクセス
が行われたか否かの検出結果を一箇所で集中管理し、侵害に対する対策を速やかに実施可能とする
ための「セキュリティ管理フレームワーク」の普及に努めます。
[共通APIとセキュリティ管理フレームワークの概要と特長]
3社で共同開発する「共通APIとセキュリティ管理フレームワーク」の概要と特長は次のとお
りです。
1.共通APIとセキュリティ管理フレームワークの概要
さまざまなプラットフォームや不正アクセス対策機能に対応して、かつ統合的な運用を実現する
ため、不正アクセス検知、監視・管理、対策実施というセキュリティ管理機能のモデル化を行うと
ともに、それぞれの機能間のインタフェース仕様をAPI、プロトコルとして定義します。これに
より、不正アクセス対策に関わる複数の製品、機能を、それぞれの独立性を保ちながら統合運用す
ることが可能になります。
セキュリティ管理フレームワークで定義される、主な機能は次のとおりです。
(1)「モニタエージェント機能」:不正アクセスの検知機能
(2)「セキュリティ管理マネージャ機能」:統合的な監視と、セキュリティポリシーに基づく対
策の制御
(3)「アクションエージェント機能」:不正アクセス対策の実行機能
2.セキュリティ管理フレームワークの特長
セキュリティ管理フレームワークとして公開されるインタフェース仕様は、情報システムを構成
するささまざまな製品に実装するとともに、インターネット上の公共サービスや電子商取引サイト
に適用することが容易であり、広くセキュリティ向上を図ることができます。
主な特長は以下の通りです。
(1)マルチベンダー環境に対応し複数製品の統合化を実現
不正アクセスの検知、管理、対策実施といった機能分担を明確化し、相互間のインタフェースを
API、プロトコルとして定めており、本仕様をサポートした製品であれば相互接続して統合運
用することが可能です。
(2)不正アクセス対策のすべての機能を網羅
不正アクセス対策は、不正アクセスの検知、セキュリティポリシーに応じた対策の決定、ファイ
アウォールやWebサーバ等による対策の実施から構成されます。本統合フレームワークは、こ
れらの構成要素の全ての機能を網羅しており、不正アクセス対策をシステムが自動的に実施する
ため、管理コストを軽減することができます。
(3)集中管理による管理コストの軽減
不正アクセスに対するセキュリティポリシーの設定、不正アクセスに対するアラーム、ログの採
取は、全てセキュリティ管理マネージャで集中管理する仕組みとなっているため、管理コストを
軽減することができます。
(4)フレームワーク自身のセキュリティ機能を装備
セキュリティエージェント、セキュリティ管理マネージャ間の通信機構には、暗号化技術や相互
認証技術を利用可能です。また、セキュリティ管理マネージャ内のログ情報にも暗号化技術を利
用した改ざん検出機能を備えており、セキュリティ管理フレームワーク自体への不正アクセスを
防御します。
[今後の展開とスケジュール]
今回開発したセキュリティ管理フレームワークは広く公開するとともに、賛同企業を募り、普及
に努めていく予定です。 特に、日々進化する攻撃に対応するための、検知事象や対策の追加・更新
等については、コンソーシアムを形成し維持管理する計画です。
なお3社では、セキュリティ管理フレームワークに基づく「不正アクセス防止基盤システム」を
2000年3月末までに共同開発し、並行して2000年3月初旬から5月末まで擬似モールシス
テムを使用した実証実験を実施する予定です。
以 上
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