株式会社 日立製作所
日製産業 株式会社
日立製作所(以下、日立)は、このたび、フルデジタルで双方向性のある(インタラクティブ)次
世代シミュレーションライドシステムを製品化しました。本システムに日立が制作した映像コンテ
ンツ「コントラプション」(CONTRAPTIONS!)を搭載した新アトラクション施設が、*「ナムコ・ワン
ダーエッグ3」において本年12月11日よりサービス開始される予定です。 今回の「ナムコ・
ワンダーエッグ3」を皮切りに、今後、日立は、本シミュレーションライドシステム及び各種映像
コンテンツを全世界に販売し、アミューズメント事業を本格的に推進していきます。
また、本施設の運営は、日立のグループ会社である日製産業に委託されています。日製産業は、
今回の委託運営を皮切りに、アミューズメント分野に新規に参入します。
*ナムコ・ワンダーエッグ3:株式会社ナムコが運営する都市型テーマパーク(東京都世田谷区)
現在、国内のアミューズメント市場は1兆円を超える規模になっており、今後もテーマパーク、
大型ショッピングセンターを中心に拡大することが予想されます。また、アトラクションについて
も、コンピュータグラフィックス(CG)、ヴァーチャルリアリティ(VR)技術の進歩に伴い、
ハイテク指向が高まっています。こうした中で、日立グループの持つCG、VR、シミュレーショ
ン、映像技術といった幅広い技術を活用することによってアミューズメント分野への参入を図るべ
く、1996年8月に新事業推進本部内にアミューズメントシステム推進部を設置し、マーケティ
ングと事業推進に努めてきました。
今回開発したシミュレーションライドシステムは、シミュレーションライドの先駆者である*ダ
グラス・トランブル氏率いる米国EDW社(Entertainment Design Workshop,LLC)と日立が
共同で企画し、最終的な仕様を日本市場にあわせて日立が製品化したもので、シミュレーションラ
イドにインタラクティブ性を加えた本格的アトラクションは世界初のものです。大画面・高画質映
像と電動式モーションベースを融合したことにより、ダイナミックな臨場感を実現しました。小型
かつ電動式で据付けやメンテナンスが容易なので、従来のテーマパーク、遊園地だけでなく、シネ
マコンプレックスや小規模テーマパーク、博物館、科学館等の公共施設等の色々な分野に導入でき
ます。本発表の「ナムコ・ワンダーエッグ3」をはじめとしたアミューズメント施設のみならず、
現在、博物館、科学館等の文化・公共施設でも導入が計画されています。
*ダグラス・トランブル氏:映画「2001年宇宙の旅」や「未知との遭遇」「ブレードランナー」
の特撮監督として有名。近年はユニバーサル・スタジオの「バック・トゥ・ザ・フューチャー/ザ
・ライド」他を演出し、高品位シミュレーション・ライドの世界的権威。
また、シミュレーションライドシステムに搭載する映像コンテンツは、標準ライブラリーとして
のオリジナル・コンテンツから顧客の要望に応じたカスタム・コンテンツまで幅広いニーズに対応
していきます。本シミュレーションライドシステムにはインタラクティブ・コンテンツのみならず、
従来型のパシーブ・コンテンツ(インタラクティブ性のない観覧型)も搭載できます。今回のコン
テンツ「コントラプション」も本シミュレーションライドシステムと同様にEDW社と日立が共同
で企画し、日本市場にあわせて日立が制作しました。
【日立のシミュレーションライドシステムの主な特長】
1.小型・軽量
●新素材(カーボンファイバー)を用い、8人乗りのカプセルを軽量・小型化しました。また、こ
のカプセルに映像システムも搭載することによって、従来であれば必要であった大型映像装置
の設置スペースも不要となり、設置の建築制限を大幅に緩和しました。
●電動式モーションベースを採用したことにより、モーションベース本体の小型化を実現すると
ともに、従来の油圧式モーションベースで必要であった油圧機械室も不要となり、設置スペー
スの大幅な縮小を実現しました。
2.ダイナミックな臨場感
●コンテンツ映写装置をフルデジタル化し、高解像度のビデオプロジェクターと新開発のスキュ
ーボードによって、複数のビデオプロジェクターの画像をシームレス化し、従来のフィルム映
像に匹敵する大画面・高画質映像を実現しました。また、包み込むような湾曲したスクリーン
に映し出される大画面・高画質映像により、今までにない圧倒的な没入感を体験できます。
●新開発の電動4軸モーションベースによって油圧式に劣らない臨場感あふれるダイナミックな
モーションが可能となりました。
3.インタラクティブ対応
●カプセル内の各座席に備付けたインタラクティブ装置により、簡単な操作で、乗客全員がスト
ーリー展開への参加を楽しむことが可能です。
これにより、毎回異なる体験を楽しむことができます。
4.ネットワーク対応
●複数台のシミュレーションライドをネットワーク接続し、連動運転が可能です。これにより、
設置スペースにあわせた最適な接続数を選択することができます。また、シミュレーションラ
イド間でのインタラクティブな体験をすることもできます。
5.容易なメンテナンス
●コンテンツ映写装置をフルデジタル化することにより、従来のフィルム映写装置がもつ、フィ
ルムの摩耗による劣化、フィルムの伸びによるモーションとのズレ等の問題点を解決し、運用
を容易にしました。
【主な仕様】
No. | 項 目 | 仕 様 |
1 | 外形寸法 | ライド本体 | 3.25mW×5.07mD×2.58mH (カプセル寸法:3.25mW×3.67mD×2.20mH) |
ショーコントローラ | 0. 70mW×0.70mD×1.40mH |
ライドコントローラ | 1.30mW×0.80mD×1.75mH |
2 | 乗員[定員] | 8人 |
3 | モーション機構部 | 駆動方式 動作自由度 | 電動式/ACサーボ 4軸[前後、上下、ロール、ピッチ] |
最大ストローク | 0. 6m[前後、上下] |
最大加速度 | 0.5G[前後]、0.6G[上下] |
4 | 映像システム | 曲面スクリーン [3.10mW×1.02mH]ビデオプロジェクター×3台 |
5 | 音響システム | 複数台スピーカーによる3次元音場 |
6 | インタラクティブ入力装置 | トラックボール及びプッシュボタン(2個) |
7 | 設置条件 | 設置スペース | 動作範囲(4.1mW×5.1mD×3.6mH)を考慮し、 1台あたり 5.3mW×5.8mD×3.6mH [ショートコントローラ、ライドコントローラの作業エリアを除く] |
床荷重 | 静止時:280kg/m2 動作時:500kg/m2 *床荷重は一般的な仕様として提示しておりますが、 建築条件は 床強度を含めて個別にご対応申上げます。 |
電源容量 | AC100V−120V 50/60Hz 単相 6kVA AC200V−230V 50/60Hz 3相 20kVA |
8 | 出荷開始 | 1999年12月 |
*註)上記仕様は製品時に断りなく変更する可能性があります。
以 上
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