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平成11年10月13日

40ギガビット/秒光送信器の全IC化技術を開発

−10ギガビット/秒と同等の消費電力で4倍の伝送容量を可能に−

 日立製作所は、この度、光送信器に必要なセレクタ回路、フリップフロップ回路、変調駆動回路
の全てをIC化し、低電圧駆動の半導体光変調器ジュールと組み合わせた40ギガビット/秒の光送信
器を、世界で初めて試作しました。高速特性に優れたInP(インジウム・リン)HBT(ヘテロ接合バイ
ポーラ・トランジスタ)を用いて3つのICを開発し、従来の10ギガビット/秒光送信器と同程度の消
費電力で、4倍の伝送容量を達成しました。本成果は、大容量化・低コスト化を実現する全IC化光
送受信器の道を拓くものと言えます。

 インターネットの普及に伴い、ネットワークの伝送容量は増加の一途をたどっています。現在、
幹線ネットワークでは既に10ギガビット/秒の伝送装置が導入されており、さらに波長多重技術の
導入により光ファイバ1本当りの伝送容量の拡大が進められています。一方、市場に大容量伝送装
置を普及させるためには、通信コストの低減も必須の課題です。低コスト化には光送受信器当りの
伝送容量を増やすとともに、電子回路部品のIC化による部品コスト低減、低消費電力化および小型
化が必要です。しかし、現在実用化されている光伝送システムの4倍の40ギガビット/秒クラスにな
ると光変調器を駆動するための光変調器駆動ICの出力電圧振幅が不十分になり、これがIC化を進
める上での障壁となっていました。

 このような背景から、今回、独自に開発したInP(インジウム・リン)HBT(ヘテロ接合バイポー
ラ・トランジスタ)を用いて光伝送に用いる3つの回路(セレクタ回路、フリップフロップ回路、変
調駆動回路)(*1) 全てをIC化すると共に、低電圧駆動型の広帯域光変調器モジュールと組み合わ
せて、40ギガビット/秒の光送信器を試作しました。本試作器の特徴は以下の通りです。
(1) 開発したIC用InP HBTは高速領域でも大振幅の電圧を出力できる特徴を持っています。こ
    れを変調器駆動用ICに応用することで、40ギガビット/秒の高速動作を実現しました。
(2) 40ギガビット/秒という高速動作であるにも係わらず2.3Vppという低電圧で動作する低電圧
    駆動型の光変調器モジュールを採用しました。この光変調器は周波数帯域も40ギガビット/
      秒変調に十分な36GHzの帯域を有しています。
      試作した40ギガビット/秒 光送信器の光出は-9dBmで、40ギガビット/秒の良好な光波形を
      観測しました。また受信感度-22.4dBmの実用的な値を得ました。
      今後は、全IC化40ギガビット/秒 光受信器を試作すると共に、一層の低消費電力化・小型化
      を行い40ギガビット/秒 光伝送システムの開発を進めていきます。

 本内容は、10月18日から22日の間、中国で開催される「APCC/OECC'99(the 5th Asia Pacific
Conference on Communications and the 4th Opto-electronics and Communications 
Conference)」で報告する予定です。


<補足説明>
(*1)今回、カットオフ周波数(ft)140GHz、最高発振周波数(fmax)250GHzのInP HBTを用いて、
    3つの回路を全てIC化しました。試作した光送信器は、2:1セレクタIC、フリップフロップ
       IC、変調駆動ICの3つのICと、半導体光変調器モジュール、光源、オンボード電源から構成
       されており、各ICの特徴は以下の通りです。
(1)2:1セレクタIC: 20ギガビット/秒の2つの信号を40ギガビット/秒に多重化します。
(2)フリップフロップIC: 2:1セレクタICの出力を、40ギガビット/秒のクロックを用いて波形整
   形します。
(3)変調器駆動回路:フリップフロップの出力を半導体光変調器の駆動に必要な2.3Vppの振幅に
   増幅します。

                                                    以 上


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