日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO 小高 俊彦)はこのたび、スーパーテクニカルサーバ
「SR8000シリーズ」のラインアップに、最大理論演算性能6.1テラフロップス(TFLOPS**)の世界最高速演算
処理性能*を実現した「モデルF1」を追加し、9月20日より世界同時に発売します。これにより、「SR8000シ
リーズ」の、システム当たりの最大理論演算性能は、32ギガフロップス(GFLOPS***)から6.1テラフロップス
(TFLOPS)まで、幅広いスケーラビリティを提供します。
* 平成11年9月16日現在
** 1TFLOPS:浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力
***1GFLOPS:浮動小数点演算を1秒間に10億回実行する能力
21世紀に向けて、科学技術計算用コンピュータの適用範囲は、構造設計、流体力学等の分野から、気象予
測、新材料開発、分子設計、石油探査、生命科学、画像処理、宇宙工学等さまざまな分野に拡大しつつあり、
これらの分野における大規模計算のために、従来のベクトル型スーパーコンピュータや並列コンピュータ以
上に大きな処理能力を持った高性能コンピュータが求められています。
一方、企業や大学等の一部門、一研究室で大規模計算を行うために、高速な演算処理が可能なコンパクト
なサーバを導入したいというニーズも高まっています。
当社では、これらのニーズに応えるべく、平成10年5月に、従来のベクトル型スーパーコンピュータの持つ
実効性能の高さと、並列コンピュータの持つ高いスケーラビリティをあわせ持ったコンピュータであるスー
パーテクニカルサーバ「HITACHI SR8000(最大構成128ノード****で、最大理論演算性能1TFLOPS)」を
発表しました。また、本年3月には、「SR8000コンパクトモデル(最大理論演算性能8GFLOPSおよび4GFLOPS
の2モデル)」も発売しています。
****ノード:並列コンピュータを構成する独立した演算処理単位
今回発売する「モデルF1」では、現行の「SR8000」と比べ、1ノード当たりの理論演算性能を50%向上させ、
12GFLOPSとしました。ノード数についても現行システムの4倍、最大512まで拡張可能にしました。これによ
り、世界最高速の最大理論演算性能6.1TFLOPSを実現しました。また、ノード当たりの最大メモリ容量を最
大16GB、システム当たりのメモリ容量を最大で8TBまで拡大しました。
なお、最大理論演算性能4.9TFLOPSを実現した「モデルE1」及び 最大理論演算性能12GFLOPSのコンパク
トモデル「モデルC」も同時に発売します。
今回発売する新モデルでは、周波数の向上、演算処理機構やノード間ネットワークなどの論理方式の改善
を図りました。これにより、現行モデル向けに当社が開発した、高性能RISCマイクロプロセッサのさらなる
性能向上や、現行モデルで採用している、マイクロプロセッサでの数値計算を高速化するための擬似ベクト
ル処理機構、ノードを構成する複数のマイクロプロセッサを一斉かつ高速に起動させる協調型マイクロプロ
セッサ機構、各ノード間の通信効率を高めるネットワークトポロジとしての多次元クロスバネットワークの
性能向上を実現しました。
新モデルのオペレーティングシステムには、これらのハードウエアの能力を引き出し高性能を実現する
UNIXベースの「HI-UX/MPP for SR8000」を採用しました。また、高速化プログラミング支援機構として
「アプリケーションプログラム開発環境」を提供しています。
■スーパーテクニカルサーバ「HITACHI SR8000シリーズ」の主な利用分野
・構造解析 ・流体力学 ・気象解析 ・石油探査 ・新材料開発
・宇宙工学 ・医療解析 ・原子力/核融合 ・画像解析 ・生命科学
など
■出荷時期および価格
出荷時期:モデルE1、モデルF1 :4ノード〜128ノード :平成12年2月より
129ノード〜512ノード:個別見積
モデルC:平成12年2月より
価 格 :モデルE1、モデルF1 :月額約900万円から(レンタル)
(税 別) モデルC :約5,400万円から(買取)
■販売目標台数
今後3年間で、現行モデルを含め、SR8000シリーズ全体で120システム以上の販売(受注)を見込ん
でいます。(海外を含む)
■他社商標注記
・ UNIXは、X/Open Company Limitedが独占的にライセンスしている米国ならびに他の国における登録
商標です。
以 上
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