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平成11年8月5日

168×132ドットの液晶画面表示を1チップで実現する
4階調グラフィックス液晶コントローラドライバを製品化

−インターネット簡易ブラウザ機能付のデジタル携帯電話などに最適−

 日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 石橋 正)は、このたび、簡易ブラウザを搭載したデジタル
携帯電話などの移動体通信端末の液晶表示用として、業界最大の表示画面サイズ168×132ドットを1チップ
で駆動する4階調グラフィックス表示(注1)用液晶コントローラドライバ「HD66752」を製品化し、平成11年9
月からサンプル出荷を開始します。
  本製品は、1チップで168×132ドットまでの横長/縦長のモノクロ液晶パネルを4階調で駆動でき、携帯用の
移動体通信端末における電子メールやインターネットのWWWコンテンツなどの情報配信サービスに容易に対応
できます。
     
  近年、デジタル携帯電話は、電話としての音声端末用途だけではなく、電子メールやWWWコンテンツ等の情
報配信サービスなどのデータ通信端末としての用途が広がってきています。そのため、小型液晶表示パネル
においても、従来の電話番号や漢字メッセージなどのテキスト中心の表示だけではなく、GIF(注2)などを利
用した階調付きのグラフィックス表示や画面サイズの大型化が求められています。
     
  当社は、これまでに、移動体通信端末の液晶表示用として、「HD66741(128×80ドット、モノクロ表示)」、
「HD66750/751(128×128ドット、4階調モノクロ表示)」を製品化してきました。今回、ラインアップ強化を
図るため、さらなる大画面化に対応し、システム電源を低電圧化する7倍昇圧回路などの電源回路を1チップ
に内蔵した「HD66752(168×132ドット、4階調モノクロ表示)」を製品化しました。
     
 本製品は、12×12ドットの漢字フォントを使用した場合、最大11桁14行、154文字までを一括で表示でき、
また画面を90度回転して横長で使うことで14桁11行の表示も行えるため、電子メールやWWWコンテンツなどの
情報配信サービスに容易に対応することが可能です。
  さらに、4階調表示により、多彩なグラフィックス表示が可能な上、画面サイズの大型化や階調データに応
じた大量のデータをスムースに処理するビットオペレーション機能(注3)を内蔵しているため、マイコンにお
けるソフトウェアでのグラフィックス処理負担を大幅に軽減することができます。
     
  また、画面サイズを大きくすると、液晶表示には従来以上に高い駆動電圧が必要となり、さらに表示画質
の低下、消費電流の増大などを伴います。そこで、本製品ではこれらに対し、以下のように対応しています。
  168×132ドットの画面サイズでは、最低15Vの液晶駆動電圧が必要ですが、本製品は最大7倍の昇圧回路を
内蔵したため、2.2V電源で約15.4Vの液晶駆動電圧を発生させることが可能です。
  表示画質の低下に対しては、液晶駆動電圧発生用オペアンプと昇圧回路の駆動電流をソフトウェアで調整
できるため、消費電流を必要最小限に抑えながら、表示画質を維持することができます。さらに、液晶の駆
動方式として、大型液晶表示システムで用いられるCパターン液晶駆動方式を採用したことで、複数ライン単
位で交流駆動を行ない、液晶表示の点灯部分と非点灯部分での交流化周波数を均一化できるため、交流化周
波数の偏差に伴うコントラスト変動によるクロストークノイズを低減することが可能です。
     
     
  一方で、消費電流を低減するため、画面の一部の表示領域のみを部分的に駆動可能なパーシャル表示機能
を搭載しました。上下2つの表示部分をそれぞれ独立して駆動できるため、液晶駆動デューティ(注4)を下げた
状態での表示が可能です。例えば、画面上端に5ライン分のアイコンと画面中央部に19ライン分のメッセージ
を表示する場合、2つの表示を合わせて1/24デューティで駆動できます。
     
  実装方法としては、フレキシブルフィルム基板上にフェースダウンするCOF (注5)実装、LCDガラスと直接
接続するTCP(注6)実装に対応します。
     
  今後は、さらに大画面サイズに対応した製品を開発し、より一層のラインアップの充実を図っていきます。
     
注1)4階調グラフィックス表示:ビットマップ状の表示RAMを内蔵し、各ドット単位に独立して4階調を
     制御することでグラフィックスを表示する。
注2)GIF(Graphics Interchange Format):インターネットのWWWコンテンツに利用される画像データの
    フォーマット。
注3)ビットオペレーション機能:表示ドット単位に表示RAM内のデータ書き換えや演算を行うデータ処
     理機能。
注4)液晶駆動デューティ:液晶画面の1ライン駆動時間と、そのラインで構成される1フレーム時間と
     の比。
注5)COF(Chip On Film):金バンプ付きチップをフレキシブルフィルム基板に直接フェースダウンで
     実装する方法。
注6)TCP(Tape Carrier Package):薄膜テープ上にチップをマウントしたパッケージ。超薄型実装が
     可能。
     
■応用製品例
  ・ブラウザ搭載のデジタルセルラ(PDC、GSM、CDMA他)
  ・メッセージページャ、双方向ページャ
  ・小型PDA、ハンディGPS端末、ハンディPOS端末 等
     
■価 格
      製 品 名         出荷形態            サンプル価格(円)
     HCD66752BP    金バンプ付きチップ            800
     HD66752TB0       折曲げTCP                1,050
     

     
                                                           以  上


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