日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 石橋 正)は、このたび、PCIバス(注1)を使用したネットワ
ーク機器やマルチメディア機器向けに、当社のRISCプロセッサ「SH-4シリーズ」と組み合わせる周辺LSIチッ
プセットとして、シンクロナスDRAM(SDRAM)コントローラを内蔵したPCIバスブリッジLSI「HD644601BP」を
製品化し、平成11年7月からサンプル出荷を開始します。
PCIバスは、パソコン用の高性能標準バスとして普及していますが、近年、PCIインターフェース内蔵LSIの
低価格化が進んだため、組み込み機器の分野においても標準になりつつあります。
また、「SH-4シリーズ」は、当社の組み込み用RISCマイコン「SuperH(TM)RISC engineファミリ(注2)」の最
上位機種で、複数の命令を同時に実行できるスーパースカラ方式を採用し、周波数200MHz時に360MIPSの高
性能を実現します。さらに、浮動小数点演算をサポートすることで、画像処理等のデジタル信号処理性能の
大幅な向上を図っています。現在は、低消費電力のバランスや16ビット固定長によるコード効率の良さなど
が認められ、Windows(R) CE-(注3)を搭載したハンドヘルドPC等に採用されています。
しかし、本格的なマルチメディア時代の到来により、ネットワーク機器やプリンタ等の組み込み機器に対
しても、パソコン同様の高速処理能力に加え、イーサネットやIEEE1394などの周辺インターフェース等のサ
ポートが望まれています。そこで今回、豊富なパソコン周辺デバイスが利用できるPCIバスに対応し、さらに
SDRAMコントローラを内蔵した「HD644601BP」を製品化しました。
本製品は、「SH-4シリーズ(SH7750)」の外部バス(最大動作周波数100MHz、32ビット幅)に外付け回路な
しで直接接続でき、SH7750からの高速アクセスを実現します。また、PCI Rev 2.1規格に準拠したPCIインタ
ーフェースを内蔵したため、32ビットで66MHz/33MHz動作のPCIデバイスを、外部バス経由でSH7750へ容易
に接続できます。さらに、SDRAMインターフェースにより、最大64Mバイト、動作周波数100MHzまでのSDRAM
を接続できる上、SDRAMコントローラを内蔵したことで、SDRAMをSH7750とPCIデバイスの双方からアクセス
可能なシェアド・メモリとして使用できます。その上、SH7750の外部バスを他のデバイスが使用している場
合も、接続したSDRAMとPCIバス間でデータ転送することが可能です。
なお、パッケージとしては、プラスチックのBGA256ピンを採用しています。
SH7750と本製品からなるキットの使用により、ネットワーク機器やアミューズメント機器、制御装置など
の分野で、「SH-4シリーズ」を中核としたシステムを容易に実現することが可能です。
(注1)PCI(Peripheral Component Interconnect):PCI Special Interest
Groupにより標準化されたバスの規格で、現在バスクロック33MHzおよび66MHzが規格化されている。
(注2)SuperH(TM):SuperHは(株)日立製作所の商標です。
(注3)Windows(R):Windowsは、米国マイクロソフトコーポレーションの米国およびその他の国おけ
る登録商標です。
■応用機器
(情報/OA機器分野)
ネットワーク機器、プリンタ、スキャナ、コピー機(産業分野)
計測・解析装置、制御装置
(民生分野)
マルチメディア機器、ゲーム等のアミューズメント機器
■仕 様
項 目 仕 様
CPUインターフェース SH-4 MPX-SRAMインターフェース、最大100MHz、32ビット
SDRAMインターフェース 最大100MHz、32ビット、最大SDRAM容量64Mバイト
PCIインターフェース PCI Rev 2.1準拠、66MHzまたは33MHz、32ビット
電源電圧 3.3V
パッケージ BGA256ピン
■価 格
製 品 名 サンプル価格(円)
HD644601BP 4,200
以 上
|