日立製作所は、このたび、主に中小規模向けの化学・食品プラントや、ごみ焼却プラントなどの監視
・制御を行う総合計装システム「EX−6000シリーズ」を製品化し、4月9日から販売を開始しま
す。
本シリーズは、オペレーターズコンソール(操作卓)のOSにWindowsNT(R)を採用することで、プラン
トの遠隔監視をはじめとするネットワーク機能を強化し、快適なオペレーティング環境を提供します。
また制御の心臓部であるコントローラには、自社で開発した高性能なSuperH(TM)マイコン「SH−3
(SH7718R)」を採用することで、制御能力の向上を図っています。
現在、製造業においては、急激な生産構造の変化がすすみ、様々に変化する市場ニーズに迅速に対応
できる生産システムの確立、動画像の伝送によるプラント監視などマルチメディア機能の強化、システ
ムのトータルコストの削減など、従来の制御主体から生産管理を含めた生産システム全体の効率化が重
要となっています。
このため、生産ラインの監視・制御を行う計装システムにおいても、従来からの圧力・流量といった
プロセスデータの監視・制御機能のほかに、マルチメディア監視機能、開発部門、生産現場と綿密な連
携を図るためのネットワーク機能の充実などが求められています。
当社では、このような市場のニーズに対応して、平成9年4月に大規模システム向けとして、OSに
WindowsNT(R)を採用し、動画等を含むマルチウィンドウ環境をサポートするなど、オープンで使い勝手
の向上を図った 「EX−7000シリーズ」を製品化してきました。
そしてこの度、中小規模システム向けに、「EX−7000シリーズ」のオープン性を継承し、永年の
プロセス制御で培った高い制御能力と信頼性を融合した「EX−6000シリーズ」を製品化しました。
本シリーズは、運転操作を行うオペレーターズコンソールと、プラントからのデータを収集し演算や
制御を行うマルチコントローラで構成されます。オペレーターズコンソールには、OSにWindowsNT(R)を
採用し、マルチウィンドウを基本とした使いやすい運転操作を実現しました。また優れたネットワーク
機能により、遠隔操作やインターネットによる監視も実現可能なため、プロセスデータや画像データを
必要な場所に提供できます。
ハードウェアとしては、当社のPC「FLORAシリーズ」もしくは制御用コンピュータを選択することが
でき、コスト・信頼性に応じた柔軟な構成を可能とします。さらに上位のコンピュータシステムとのデ
ータ通信として、制御LANにおける業界標準のOPC(OLE for Process Control)をサポートする予
定です。
また、オペレーティング環境としては、PC上でプログラミングから制御機能を含めたシステムシミ
ュレーションテストまでが行えるよう整備しました。制御用パッケージとしては、多数のバッチプロセ
スに実績のあるSLC*を継承し、既存の「EX−5000/7000シリーズ」との互換性を確保して
います。さらにGUIを採用した作画や、表計算ソフトExcelデータの取り込み、PCでの制御機能を含
めたデバッグなどをサポートし、効率的なエンジニアリングを可能としました。
コントローラには浮動小数点演算機能をサポートする高性能なSuperH(TM)マイコン「SH−3
(SH7718R)」を搭載するとともに、大幅な
部品点数の削減を行うことで信頼性を向上させています。また、標準で制御LANを二重化するとともに
クラス最大の制御容量と高速制御、シーケンサとの連携など複雑なバッチ制御を実現します。
当社では今後、大規模システム向けにはEX―7000シリーズ、中小規模システム向けにはEX−
6000シリーズを中心に販売し、両システム合わせ年間200システム以上の受注を目指しています。
■価格および出荷時期
製 品 名:総合計装システム EX−6000シリーズ
価 格:オペレーターズコンソール、コントローラ各1台の基本構成で700万円より
出荷時期:平成11年8月1日
* SLC: Soft less controller:EXシステムのシステム各種機能を構築するための計装向け対話
型言語
<他社商標>
*WindowsNT(R)は、米国マイクロソフト社の米国およびその他の国における登録商標です。
以 上
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