日立製作所は、独自に開発したトルク演算ソフト「センサレスベクトル制御」を採用し、始動トルク
0.5Hz 200%以上、また、従来の汎用インバータでは実現できなかった零速域で150%以上*のパワフル運
転を実現した高性能・スーパートルクインバータ「SJ300シリーズ」(適用モートル0.4kW〜55kW)自動
省エネ運転機能など、省エネルギーに有効な機能を搭載したファン・ポンプ向高機能・省エネインバー
タ「L300Plusシリーズ」(適用モートル11kW〜55kW)の2シリーズのインバータを開発し、4月1日よ
り発売を開始します。(*:モータ出力に対し、1クラス容量の大きいインバータを組み合わせた場合)
今回発売する製品では、各種の機能強化はもちろんのこと、使い易さやメンテナンス性を考慮し、イ
ンバータの内部に使用しているコンデンサ、冷却ファンといった寿命部品を簡単に交換できる構造や、
制御回路端子台を着脱可能にするなど新しい構造を採用しています。また、最新の熱解析(シミュレー
ション)技術を応用して製品開発を行うことによって、大幅な小型化を実現しています。
汎用インバータの市場は、従来からの工作機、搬送機などの工場生産設備から、ファン、ポンプ、空
調機器などのユーティリティ設備に加え、近年では生活関連、アミュズメント機器といった新しい分野
へも拡がっており、2000年(平12年)には850億円以上の市場規模に拡大すると予想しています(日立
調べ)。汎用インバータに求められるニーズとしては、搬送機、クレーン、昇降装置に代表される機械
・装置には、低速域からの高トルク・パワフル運転や高機能化高性能化が、一方、ファン・ポンプ等で
は、より省エネに、また使い易くといった点が上げられます。また、近年では、保守・メンテナンス性
も重要視されつつあり、故障時の復旧時間の短縮化、簡素化といったニーズも増えつつあります。
今回発売する「SJ300シリーズ」は、当社が従来から汎用インバータに搭載していた「センサレスベ
クトル制御」をブラッシュアップすることで、始動トルク0.5Hz 200%以上、また、モートル出力に対し、
1クラス容量の大きいインバータを適用した場合(例:3.7kWモートルに対し、インバータ5.5kW用を
組み合わせた時)零速域(速度指令0Hz指令)でも、150%のトルクを実現した、搬送機やクレーン、昇
降機、巻取機、成形機等、高トルクで安定した運転を要求する機械、装置に有効な高性能、高機能イン
バータです。
一方「L300Plusシリーズ」は、主にファン・ポンプ、空調機器など省エネルギーを目的とする機械・
装置向のインバータで、モータ負荷電流が最小になるように自動的に調整し、省エネルギー運転を実現
できる「自動省エネ運転機能」や、インバータの状態(運転中信号など)を出力するインターフェイス
にリレーを標準で採用するなどファン・ポンプの使い方に適した機能を搭載したインバータです。
また、両シリーズともインバータの寿命部品(推奨交換部品)のコンデンサや冷却ファンの交換が簡
単な構造とするとともに、制御回路端子台を着脱方式とし、インバータの保守、メンテナンス性を向上
するとともに、故障時での復旧時間の短縮化を図る工夫をしています。
【発売機種と発売時期】
「SJ300シリーズ」
三相200V級 適用モータ容量 0.4〜55kW:15機種:平成11年6月1日より順次
三相400V級 適用モータ容量0.75〜55kW:14機種:平成11年6月1日より順次
計29機種
(注)三相200V級は、110kWまで、三相400V級は400kWまでシリーズを拡張する予定です。(平成12年)
「L300Plusシリーズ」
三相200V級 適用モータ容量 11〜55Kw: 8機種:平成11年4月1日より順次
三相400V級 適用モータ容量 11〜55kW: 8機種:平成11年4月1日より順次
計16機種
(注)三相200V級は、110kWまで、三相400V級は400kWまでシリーズを拡張する予定です。(平成12年)
【生産台数】 6,000台/月(SJ300/L300Plusシリーズ合計)
【標準価格】
SJ300-004LF (3φ200V級適用モータ0.4kW) 105,000円
SJ300-550HF (3φ400V級適用モータ55kW) 2,640,000円
L300P-110LFR (3φ200V級適用モータ11kW) 370,000円
L300P-550HFR (3φ400V級適用モータ55kW) 2,250,000円
以 上
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