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News Release

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平成11年3月25日

カーオーディオ機器の制御信号の転送が容易なIEBus(TM)コントローラを
内蔵した16ビットシングルチップマイコン「H8S/2258F」を製品化

―256kバイトの大容量フラッシュメモリを搭載し、カーオーディオシステムに最適―

  日立製作所は、このたび、当社16ビットマイコンの最上位機種「H8Sシリーズ」のラインアップ強化と
して、カーオーディオ機器の制御信号の転送に使用されるIEBus(TM)(注1)コントローラ、および256k
バイトの大容量フラッシュメモリを搭載したF-ZTAT(TM)(注2)マイコン「H8S/2258F」を製品化し、平成
11年7月からサンプル出荷を開始します。
  また、一般用途向けとして、IEBus(TM)コントローラを内蔵しない「H8S/2238F」もあわせて製品化し、
平成11年5月からサンプル出荷を開始します。

  近年、カーオーディオ分野では、ユーザニーズの多様化、機器の高機能化が進んでいます。そのため、
これらを制御するマイコンのプログラム容量は年々増加する傾向にあり、製品開発期間の短縮、機器仕
様の改善、制御データの調整が容易なフラッシュメモリ内蔵マイコンへの要求が高まっています。
  また、複数のカーオーディオ機器を接続する高機能システム向けには、オーディオ機器の制御信号転
送を容易に行うための通信プロトコルとして、IEBus(TM)が国内で一般的となっています。さらに、シ
ステムの誤動作防止のため、電源や電波ノイズなどLSIから発生する輻射ノイズを小さくする必要があ
り、通常はLSIを低電圧で動作させることが効果的な手法ですが、カーオーディオシステムでは、一般
的に5V電源仕様の設計であるため、その設計資産を使用できることも望まれています。

 そこで、カーオーディオ分野でのこのようなニーズに対応するため、当社では、IEBus(TM)コントロー
ラ、および256kバイトの大容量フラッシュメモリを内蔵した「H8S/2258F」を製品化しました。「H8Sシ
リーズ」は、高性能、低消費電力を特長とし、高機能、低ノイズが要求されるカーオーディオ分野に最
適であり、今回の「H8S/2258F」は、0.35μmプロセスを採用し、内蔵フラッシュメモリの大容量化を図
るとともに、内部に降圧回路を内蔵しています。この降圧回路により、外部電源電圧は5Vでも、内部を
3Vの低電圧で動作しているため、LSIから発生する輻射ノイズを大幅に低減できます。さらに、すべて
の入出力端子に5Vインタフェースを備え、5V単一の電源で使用できるため、カーオーディオ分野で一般
的である5V電源仕様の設計資産を変更することなく、使用することが可能です。

 「H8S/2258F」に内蔵されているIEBus(TM)コントローラは、通信速度の異なる「モード0」から「モー
ド2」のすべてのモードに対応します。また、送受信データは、内蔵のDTC(注3)により、送受信バッファ
と内蔵RAM間で転送が行われます。このため、通信フレームの制御は、転送データと送受信用バッファの
大きさにより制約を受けることはありません。そのため、CPUはフレーム開始前と終了後に、送受信デー
タの制御を行うのみで、CPUにかかる負荷を大幅に低減することが可能です。また、IEBus(TM)コントロ
ーラはエラーステータスフラグを豊富に持っているため、フレームのエラー発生時に適切な処理を行うこ
とが可能です。

  「H8S/2258F」は、IEBus(TM) コントローラ以外に、2チャネルのI2Cバスインタフェースと、4チャネル
のシリアルコミュニケーションインタフェースを内蔵しているため、仕様の異なるシリアル通信を行う機
器間での通信を可能にします。その他の周辺機能として、16ビットタイマ×6チャネル、8ビットタイマ×
2チャネルを持ち、さらに時計用タイマとしても使用可能なウォッチドッグタイマ×2チャネル、10ビット
×8チャネルのA/D変換器、8ビット×2チャネルのD/A変換器などの豊富な機能を内蔵しています。

 一方、「H8S/2238F」は、IEBus(TM)コントローラを内蔵しない製品ラインアップです。「H8S/2258F」と
同様の周辺機能を内蔵し、さらに8ビットタイマ×4チャネルが強化されています。 I2Cバスインタフェー
ス、5Vインタフェースが必要なTV、コードレス電話などのシステム制御用に最適です。

  パッケージは、「H8S/2258F」が100ピンプラスチックの0.65mmQFP、0.5mmQFP、0.5mmTQFPを、「H8S/
2238F」が100ピンプラスチックの0.65mmQFP、0.5mmQFP、0.5mmTQFP、0.4mmTQFPを採用しています。
TQFPを使用することで、システムのより一層の小型化・薄型化を実現できます。

 なお、今後は、マスクROM版の「H8S/2258」「H8S/2238」の製品展開を予定しています。

(注1)IEBus(TM)(Inter Equipment Bus)は日本電気株式会社の商標です。
(注2)F-ZTAT(TM)(Flexible Zero Turn Around Time)は株式会社日立製作所の商標です。
(注3)DTC(Data Transfer Controller):割り込みによって起動され、CPUに代わってデータ転送が可
能です。転送情報を内蔵RAMに配置することで、チャネル数の増加を実現します。

<応用例>
・カーオーディオ機器
・TV、コードレス電話
<価 格>
製 品 名パッケージサンプル価格(円)
H8S/2258FHD64F2258FQFP-100(FP-100A)2,200
HD64F2258FAQFP-100(FP-100B)2,200
HD64F2258TETQFP-100(TFP-100B)2,400
H8S/2238FHD64F2238FQFP-100(FP-100A)2,100
HD64F2238FAQFP-100(FP-100B)2,100
HD64F2238TETQFP-100(TFP-100B)2,300
HD64F2238TFTQFP-100(TFP-100G)2,300


                                                        以  上


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