日立製作所は、ロータ部(回転部)に永久磁石を採用することによって、標準モートル(誘導機)に
比べ電力損失を約40%削減し、高効率・省エネルギーを実現した高効率マグネットモートル
「ECOHEART」(モートル出力:0.2〜3.7kW)を開発し、4月1日より発売を開始します。
環境に対する意識の高まりを背景に、省エネルギー(以下省エネ)への注目が高まる中、ファン、ポ
ンプ等を中心とした機械、装置設備の高効率化、省エネ化に関するニーズが高まってきており、日立で
は、従来の標準モートルによる一定回転数制御からインバータによる可変速制御が進み、さらなる高効
率・省エネ化を求め、モートル自体の高効率化が進むものと予想しております。
今回発売する「ECOHEART」は、こうしたニーズに応え、モートルのロータ部に永久磁石を採
用することで従来の標準モートルのインバータ駆動と比べ電力損失を約40%削減し高効率化を実現しま
した。また、専用のコントローラは、当社独自の高集積技術をつかったISPM(インバータ・システ
ム・パワー・モジュール)の採用により小型化を実現しました。
また、小型ながら回転数制御用のボリュームを本体に付けることで、操作を簡単にしたうえ、ファン
に適用したときの風量一定制御、またポンプに適用したときの圧力一定制御に有効なPID(比例・積
分・微分)制御や、機械の共振を避ける回転数ジャンプ機能、リトライ機能などの豊富な機能を搭載し
ています。
なお、この高効率マグネットモートルは、専用コントローラと1対1の組合せで使用します。
「ECOHEART」の特長
1.高効率・省エネを追求しました。
(1)モートルに永久磁石を採用しました。
モートルのロータ部に永久磁石を採用しました。
2次銅損がないため、損失が少なく消費電力が低減されます。
(2)専用コントローラとの組合せで高効率運転を行います。
従来の標準モートルのインバータ駆動に比べ損失(全閉外扇型、4極3.7kW、1800rpmで比較)
を約40%削減しています。
2.可変速(高速)運転で小型・軽量化に貢献します。
モートルの高速運転制御により、小型、軽量化を実現します。
標準モートルでの高速化(4P、1800rpm→2P、3600rpm)した場合に比べ約80%(3.7kW2Pと
比較)の軽量化となります。
別置きの専用コントローラは小型インバータ(L100シリーズ)と同一寸法です。
3.広い速度制御範囲です。
1:10の広い速度制御範囲です。
また同期形のため、負荷トルクにかかわらず安定した、正確な速度が得られます。
4.操作は"かんたん"です。
コントローラの[RUN]ボタンを押して運転開始できます。変速操作もボリュームで簡単に行え
ます。
5.豊富な機能を搭載
ファンやポンプに適用したときの風量一定制御、圧力―制御に有効なPID(比例、積分、微分)
制御、回転数ジャンプ16段多段速、リトライ機能など豊富な機能を搭載しました。
6.豊富なラインナップ
1800rpmタイプ、3600rpmタイプとも200V級0.2〜3.7kW、をシリーズ化。
さらにモートルは脚取付型と機械に取組みやす いフランジ型を標準で準備しています。
モートル:1800r/mタイプ 脚取付型 0.2〜3.7kW 6機種
フランジ型 0.2〜3.7kW 6機種
3600r/mタイプ 脚取付型 0.2〜3.7kW 6機種
フランジ型 0.2〜3.7kW 6機種
コントローラ:三相200V級 0.2〜3.7Kw 6機種
<目標生産台数>
1999年度 1,000台/月 2000年 3,000台/月
<標準価格>
モートル:E002−18S(1800r/min、脚取付型0.2kW) ¥ 51,000
E037−18S(1800r/min、脚取付型3.7kW) ¥115,200
コントローラ :E100−002LFR(三相200V、0.2kW) ¥ 69,300
E100−037LFR(三相200V、3.7kW) ¥189,000
以 上
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