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平成11年2月1日 |
業界トップレベルの低オン抵抗、低端子間容量を実現した
アンテナスイッチ用のPINダイオード「HVC135シリーズ」を製品化 |
−デジタル携帯電話のアンテナスイッチ回路などの低消費電力化、高性能化が可能− |
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日立製作所は、このたび、PDCやGSMデジタル携帯電話のアンテナスイッ
チやマルチメディアチューナ(注1)のソース切替用として、当社独自のトレンチ
(溝)プロセス(注2)の採用等により、業界トップレベルの低オン抵抗、低端子
間容量を実現したPINダイオード「HVC135シリーズ」を開発しました。今回、シ
リーズ第一弾として、「HVC135」「HVC136」の2製品を平成11年3月からサン
プル出荷します。
「HVC135」は、当社従来品「HVC131」と比較した場合、2mAの低電流領域で
のオン抵抗を1.3Ω(Typ.)と約35%低減し、また端子間容量を0.47pF(Typ.)と
約15%低減したため、アンテナスイッチ回路の低消費電力化、高性能化が
図れます。
近年、デジタル携帯電話などでは、小型化、低消費電力化、高周波化、マ
ルチバンド化が急激に進んでおり、アンテナスイッチに使われるPINダイオー
ドに対しても、低電流で動作し、送受信電力の損失が少ないことや端子間容
量が小さく信号の漏れが少ないこと、さらに高周波化してもインピーダンスが
大きく変動しないことなどが求められています。
今回製品化した「HVC135シリーズ」は、当社のダイオードでは初めてとなる
トレンチプロセスの採用等により、相反する特性であるオン抵抗と端子間容
量の低減を同時に実現しています。2mAの低電流領域において、「HVC135」
はオン抵抗が1.3Ω(Typ.)、端子間容量が0.47pF(Typ.)、「HVC136」はオン抵
抗が1.6Ω(Typ.)、端子間容量が0.32pF(Typ.)と業界トップレベルの低オン抵
抗、低端子間容量を実現しました。これにより、アンテナスイッチ回路での送
受信時の分離特性や損失の改善、および高周波領域でのインピーダンスの
改善、安定性の確保が可能となります。また、接合の構造は、当社のスーパ
ーシャロー(Super shallow)PN接合プロセス(注3)を採用しているため、バラツ
キも極めて小さく、均一性を確保しています。
さらに、静電破壊強度もEIAJ規格(200pF、0Ω)で実力400V以上を確保して
おり、特別な保護回路や部品を必要としません。
パッケージは、面実装対応の超小型レジンパッケージ「UFP」(当社外形コー
ド)を採用しています。
今後、「HVC135シリーズ」として、次世代携帯電話向けにさらに低オン抵抗、
低端子間容量化した「HVC137」を製品化する予定です。
注1) マルチメディアチューナ:パソコン等に対応したBS/CS、TV、FM/AM等
の放送メディアを受信できるチューナ。
注2) トレンチプロセス:接合の周辺を化学的なエッチングで溝を形成させ、コ
ンデンサとして機能する横方向に広がった空乏層領域を遮断する構造
およびプロセス。
注3) スーパーシャロー(Super shallow)PN接合プロセス:当社が開発したダイ
オードのPN接合プロセス。接合形成時の低温化と不純物濃度の適正化
により、接合深さを浅くしたプロセス。
<応用機器例>
・デジタル携帯電話
・マルチメディアチューナのソース切替
<価 格>
製 品 名 | サンプル価格 |
HVC135 | 15円 |
HVC136 | 15円 |
<仕 様>
1.絶対最大定格(Ta=25℃) 「HVC135」「HVC136」
項 目 | 記 号 | 定格値 | 単 位 |
せん頭逆電圧 | VRM | 65 | V |
逆電圧 | VR | 60 | V |
順方向電流 | IF | 100 | mA |
許容損失 | Pd | 150 | mW |
接合部温度 | Tj | 125 | ℃ |
保存温度 | Tstg | -55〜+125 | ℃ |
2.電気的特性(Ta=25℃)
項 目 | 記 号 | Max | 単 位 | 測定条件 |
HVC135 | HVC136 |
逆電流 | IR | 0.1 | 0.1 | μA | VR=60V |
順方向電圧 | VF | 1.0 | 1.0 | V | IF=10mA |
端子間容量 | C | 0.6 | 0.45 | pF | VR=1V,f=1MHz |
順方向抵抗 | rf | 1.5 | 2.0 | − | IF=2mA,f=100MHz |
以 上 |
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