日立製作所はこのたび、同社のHub & Spokesアーキテクチャ*1 に基づいて既存の業務システム
やメインフレーム上のデータを有効に活用した新しい業務システムを構築するにあたり、複数システ
ムの接続、連動に要する開発工数を大幅に削減できる「Hub & Spokesシステム構築サービス」を商品
化しました。第1弾としてビッグバン対応金融業務ソリューション「Solutionmax for Finance」のシステム
基盤ソリューションを平成10年12月19日より販売を開始します。また、Hub & Spokesシステムを構築
するためのツールとして、メッセージ交換基盤「Hub - Base」やアプリケーション接続基盤「Hub -
Adaptor Base」などを提供します。
*1 Hub&Spokes アーキテクチャ:新チャネルシステム、新商品システム、管理システム、現行システ
ムなどを分散オブジェクト技術を基盤にして柔軟かつ効率的に接続するアーキテクチャ。
近年、国内の各業界では、ビッグバン、規制緩和、グローバリゼーションなどの言葉に象徴される大
競争時代を迎えており、従来事業の垣根を越えた合従連衡も辞さない、スピード経営の実践が求めら
れています。
例えば、金融業界においては、企業競争力を向上させるために営業店、ATM、コールセンターといっ
た複数のチャネルと勘定系システム、情報系システムなどの複数の基幹業務システムやメインフレー
ム上のデータを変更することなくシームレス/ボーダレスに接続して新しいサービスを提供するシステ
ムを短期間に構築するニーズが高まっています。
当社では、本年8月に新ソリューション体系「Cyberfront」の第1弾として、金融ビッグバンへの迅速か
つ、効率的な対応を支援するビッグバン対応金融業務ソリューション「Solutionmax for Finance」を発表
し、インターネットバンキングシステム、投信窓販システム、収益・リスク管理システム、共同センタサー
ビスなどを提供してきました。
今回、当社が商品化した「Hub & Spokesシステム構築サービス」は、複数のチャネルとシステムを接
続、連動させるHub & Spokesシステムの企画、構築、運用を一貫して支援するサービスです。本サービ
スと「Hub - Base」、「Hub - Adaptor Base」などのソフトウェアを活用することにより、接続、連動させる
アプリケーションのインターフェースを分散オブジェクト技術を適用した共通の仕様で定義し、メッセージ
やプロトコルなどを共通化するアーキテクチャにより、アプリケーションインテグレーションに必要な開発
工数を大幅に削減するほか、新しいチャネルやシステムの追加にも柔軟に対応可能な拡張性の高い
システムを構築できます。例えば、顧客情報を高度に管理するためのCRM(Customer Relationship
Management)システムの構築には、営業店、ATM、コールセンターといった複数のチャネルと勘定系シ
ステム、情報系システムなどの複数の基幹業務システムやメインフレーム上のデータとの連動が必要
になります。複数のチャネルとシステム間をすべて個別に接続する従来のシステム構築方法に比べ、
本ソリューションでは、各チャネルとシステムをHubに接続し、経路制御機能を追加するだけで容易に
連動が可能になるため、システム構築に必要な期間を大幅に短縮できます。さらに、流通バッケージの
接続も容易に行えるため、システム構築時の選択肢が大きく広がります。
また、世界に先駆けてOMG(Object Management Group)のワークフロー管理仕様Joint Workflow*2
にもとづいて当社が開発した製品「WorkCoordinator」を利用することで、企業のビジネスプロセスを業務
の流れで表現し、複数の業務システムの連携をフレキシブルに制御したり、業務プロセスの状態を的確
に把握することが可能になります。これにより、複雑な業務ルーティングを必要とするHub & Spokesシス
テムも短期間に構築できます。
*2 Joint Workflow:WfMCのワークフローサーバとクライアント間の接続規格をベースに、より実用的な
管理機能API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を規定した次世代ワークフローシス
テムの標準仕様。
今後、金融以外の製造、流通、公共分野向けにも「Hub & Spokesシステム構築サービス」を提供してい
く計画です。
<Hub & Spokesシステム構築サービスの特徴>
「Hub & Spokesシステム構築サービス」では、システムの企画、構築、運用及び、関連する必要プロダクト、
開発ツール群を含めたトータルソリューションを提供します。
(1)リプレース計画や、今後導入する新システムの計画に合せ、既存システムを含む連携方式、接続方
式などを設計し、短期間に最適なHub & Spokes適用計画を立案します。これにより、中長期的なシス
テム開発計画や、業務、サービスの拡大、整理計画の精緻な立案が可能になります。
(2)システムを接続させるためのメッセージ変換、経路制御の定義や、プログラムの設計を支援し、必要
に応じて開発します。高速単純処理や、複雑処理を最適に配分し、効率的なシステム連動を実現します。
各々のシステムの特性を活かし、必要なデータをやり取りさせることで、既存システムを有効に活用し、
システム全体のパフォーマンスを高めます。
(3)主要な接続アダプタを提供することにより、チャネルとシステムの変更を最小限にして接続できるため、
新しい業務開発の効率化を実現します。また、システム固有のアダプタについては新規に開発します。
<主な新サービス商品/ツールの出荷時期>
製 品 名 | 出荷時期 |
Hub & Spokes システム構築サービス | 基盤システム構築サービス | 平成11年2月 |
勘定系システム接続サービス |
営業店システム接続サービス |
インターネット接続サービス |
CRMシステム接続サービス |
フロー制御設計支援サービス |
Hub & Spokes システム構築ツール | Hub - Base | 平成11年9月 |
Hub - Adaptor Base |
Hub - Adaptor for Message Queue |
Hub - Adaptor for TP1/Remote Procedure Call |
Hub - Adaptor for User Agent |
SEWB+/Hub - Base スケルトン |
価格については、案件毎見積もりします。
<他社商品名称に関する表示>
・OMGは、Object Management Groupの略です。
以 上
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