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News Release

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平成10年12月15日

工業用X線CTによる非破壊撮像サービス事業を開始

  日立製作所は、自社で開発した高性能工業用X線CT装置を利用して、製品、物品の非破壊撮像
サービスを開始するとともに、撮像したデータをベースとする各種解析に関するコンサルテーションサ
ービスの提供を12月16日から開始します。
  本サービスは、工業製品や埋蔵文化財などの内部構造をX線CT装置を使って可視化するもので、
生産技術の改善や新しい学術分野の開拓のための技術材料を提供することが可能になります。日
立としては、現在、グループをあげてソフト・サービス事業の強化を図っていますが、今回その一環
として本サービスを開始するものです。

  従来、自動車エンジンなどの鋳造品などについて非破壊検査を行う場合、超音波検査や放射線検
査等が用いられてきましたが、これらの方法には、計測時間が長いことや形状精度が不十分である
などの問題がありました。一方、X線による断層撮像、即ちX線CT(X-ray Computed Tomography)
では、非破壊・非接触で被検体の断面の正確な形状や密度分布を得ることができます。この技術は
医療診断の分野で広く普及しており、最近は一般産業や学術研究への適用が活発に行われるよう
になっています。特に工業用のX線CTでは、高エネルギーのX線を使用することにより高密度厚物材
内部の正確な密度分布を映像化することができます。
  日立では、平成3年に工業用のX線CTの実用化に成功し、第一号機を納入しました。さらに、機能
の向上を図るとともに、応用分野について研究機関や企業関係者と実証テストを行い高い評価を受
けました。
その結果、次のような分野への応用が可能であるとの結論を得ました。

<応用分野の一例>
 ・自動車エンジンなどの鋳造品やセラミック製品の内部形状や内部欠陥の把握、モータ等の複数
    部材による構成品や組立て状況の把握
 ・密封容器内の化学変化の把握や振動充填等の粉体挙動の解析
 ・木材の年輪、節の観察や水分含有率の測定
 ・化石、隕石、埋蔵文化財や古美術品などの内部の可視化
このように、 X線CTは工業分野において、新製品開発の加速、信頼性の向上、生産技術支援のため
の非常に有効な手段であると同時に、化学工学、粉体工学や文化財研究などの学術研究分野におけ
る有益な研究ツールとして、ますますその利用範囲が拡大しています。
そこで、日立では、開発した工業用X線CT装置を利用し、製品の撮像を行い、ニーズに応じて解析の
コンサルティングを行うサービスを開始します。

<サービスの概要>
(1)内 容 
  当社で開発した高性能工業用X線CT装置により、お客様からお預かりした被検体のご希望の断層
    撮像を行い、その結果をお客様にお渡しします。また、ご要望が有れば、立体像の作成や各種解析
    のコンサルテーションもお受けします。
(2)使用装置
  当社のX線CT装置は、 X線源として電子線加速器を採用しており高エネルギー(1MeV以上)のX線
    を高輝度で発生することができ、またこの高エネルギー X線を検出するための高感度検出器を装備
    しています。これにより材質が鉄の場合には280mmまで、アルミの場合にはその3倍の厚さまで検査
    することができます。画像の画素サイズは0.1mmであり、鮮明な画像が得られます。また、豊富なソフ
    トウェアを完備しており、撮影した断層像からさまざまな情報を取り出して画像化すること、さらに3次
    元CADのためのフォーマットに変換し、リバースエンジニアリングに利用することもできます。



                                                                                             以  上


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