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News Release

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平成10年11月11日

日立、富士通などが「SMILEプロジェクト」を発足

−ICカードを利用した消費者決済システムの共通基盤の標準化を推進−

                                                                          株式会社 日立製作所
                                                                            富士通 株式会社



 株式会社 日立製作所 と 富士通 株式会社はこのたび、クレジットカード会社、銀行などと共同で、通
商産業省/(財)日本情報処理開発協会(JIPDEC)が推進する「先進的情報システム開発実証事業」
の一環として、SMILE (Standard Smart Card Integrated 
Settlement System)プロジェクトを11月16日に発足させ、相互運用可能なICカードによ
る消費者決済システムの標準仕様の策定と実証システムの開発を進めていくことになりました。

  SMILEプロジェクトの発足時の参画企業・団体は、クレジットカード会社では、株式会社 オリエン
トコーポレーション、株式会社ジェーシービー、株式会社 ディーシーカード、ビザ・インターナショナル
、日立クレジット株式会社、マスターカード・インターナショナル・ジャパン・インク、ユーシーカード
株式会社、銀行では、株式会社あさひ銀行、株式会社三和銀行、社団法人 全国地方銀行協会、株式会社
第一勧業銀行、株式会社東京三菱銀行、株式会社富士銀行、電子マネー分野では、日本電信電話株式会社、
コンテンツ分野では、ぴあ株式会社、ベンダーは、沖電気工業株式会社、大日本印刷株式会社、株式会社
日立製作所、富士通株式会社です (会社名は五十音順)。

  近年、電子マネーやICカード利用の実験プロジェクトが数多く計画・実施されているものの、実験段階
から本格的な実用段階へ発展させるには、ICカード化に伴う導入コストや電子マネー、ICカード、端末
の仕様の標準化など課題があります。これらの課題を解決して、ICカードを利用したシステムの実用化
を促進することにより、電子商取引(EC)の発展が期待できます。
  そこで、SMILEプロジェクトでは、ICカード、リーダ/ライタはISO7816、EMV、OSは
多機能カード時代に対応したMULTOSなど、これらのデファクトスタンダードをベースとしたICカー
ドシステム全体の標準仕様を策定し消費者決済システムとしての実証を行ないます。この実証システムの開
発にあたり、消費者決済におけるICカードシステムの標準仕様、複数の決済手段の相互運用と共通利用を
可能にする標準取引プロトコル、並びに多様な決済を共通的に処理する決済サポートシステムを開発するこ
とで、ICカードを利用したシステムを実用化するための課題を解決していきます。
  即ち、関係各社が相互に協調してICカードシステムの共通基盤を早期に整備することにより、ECの普
及と発展を図っていくことが本プロジェクトの狙いです。
 
  SMILEプロジェクトで開発する仕様、プロトコルとその特徴は以下の通りです。

1.消費者決済用ICカードシステム(カード、R/W、端末)の標準仕様:
(1)グローバルデファクトスタンダード(ISO,EMVなど)にのっとり、日本の状況を取り入れたシ
     ステム仕様の標準化。
(2)決済関連各業界で発行するさまざまなICカードが共通に利用可能。
(3)実際の店舗、インターネット上の電子店舗両方の決済で利用可能。

2. 標準取引プロトコル:
(1)SET/SECEが決済のみのプロトコルであったのに対して、決済手段選択、請求書発行、決済、
     領収書発行、発送依頼等の取引き全体のプロセスをサポート。
(2)クレジット、銀行口座決済、電子マネー等の複数決済手段を選択して利用可能。
(3)SET/SECEなどの既存の決済プロトコルと整合性があり、既開発技術、既存システムの利用、
     有効活用を可能とするとともに決済プロトコルの拡張や新しい決済手段などに柔軟に対応可能。
(4)次世代の標準内容記述言語であるXMLを取引メッセージとして使用。

3. 決済サポートシステム:
(1)複数の決済手段に対応し、各商店や金融機関が共同利用できるシステムを目指す。(決済機能
     を商店から切り離すことにより、商店の複数決済手段サポートの負担を軽減)
(2)消費者に対して複数の決済手段が利用可能な統一的な操作環境(端末、クライアントソフト)を提
     供。

  上記開発技術の実証として、第一次にてバーチャルシステムでの相互運用性を確保するシステム
構築、及び評価を行います。リアルシステムでの実証は第二次にて行う予定です。

  SMILEプロジェクトでは、日立製作所と富士通が事務局を務め、全メンバーが参加するプロジェクト
推進会議のもとに、標準化仕様を策定する標準化部会、要素システム開発を行うシステム開発部会、
実証システムを構築運用する実証部会の3部会を設けて推進して行きます。

※略号説明
ISO           International Organization for Standard
                 ISO7816:接触型ICカードの国際標準仕様
EMV           Europay, MasterCard, and Visaによるクレジットカード業界でのICカードの業界標
                 準仕様
R/W           Reader / Writer
MULTOS           Multi Application OS: ICカードに複数のアプリケーションを乗せる事ができ、かつ
                 信頼性の高い管理を実現できるOS。
                 MAOSCO (MULTOS Consortium)により仕様が作成されている。
                 MAOSCOにはMasterCard、AMEX、シーメンス、モトローラ、大日本印刷、日立製作所,富
                 士通などが参画している。
SET           Secure Electronic Transaction: Visa ,MasterCardによるインターネット上のクレ
                 ジット決済
                 プロトコルSECE   Secure Electronic Commerce Environment:通産省/IPAが
                 推進する「電子商取引共通基盤整備事業」で策定したインターネット上の銀行などの
                 決済プロトコル
XML           Extensible Markup Language: インターネット上で文書やデータを交換、配布する際
                 の記述言語で、HTML(Hyper TextMarkup Language)の後継として、今後の標準となると
                 考えられる。



                                                                                          以  上


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