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News Release

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平成10年10月22日

ICカード用OS「MULTOS」を搭載した
マイクロコントローラチップ(H8/3112)を製品化

  日立製作所は、この度、ICカード用OS(オペレーティングシステム)である「MULTOS」
 (Multi-application Operating System)を搭載したマイクロコントローラチップ(H8/3112)を製品化し、販
売を開始しました。
  今後、当社は、大日本印刷株式会社(以下、DNP)及び英国モンデックスインターナショナル社(以下、
MXI)と協力して、「MULTOS」のICカード分野におけるデファクトスタンダード化を目指し、本チップの販
売を推進します。

  クレジットカードや銀行のキャッシュカード、小売店のカードなど、日常生活で利用されるカードは、磁
気ストライプに情報を保持する磁気カード型が主流となっていましたが、より高い安全性や多目的化の
ニーズの高まりに伴い、近年では、半導体を利用したICカードへの移行が急速に進んでいます。

  当社とDNPの両社は、ICカード業界の標準OSとして「MULTOS」採用を促進するとともに、その開発の
管理を目的として1997年5月に設立されたコンソーシアム「MAOSCO」の創立メンバーとして参画して
います。 今回の製品は、当社及びDNP、MXI、の三社が、それぞれの持つ技術・ノウハウを結集して共
同開発されたものです。

  「MULTOS」は、一枚のICカードに複数のアプリケーション・プログラムを搭載し、カードを発行する企
業や機関がユーザー固有のカードを作ることを可能にするセキュリティの高いICカード用OSです。
  本チップは、これらの機能を実現できる「MULTOS」を搭載した、現在世界で唯一発売されている製品
です。暗号処理コプロセッサを内蔵し、8キロバイトのEEPROMと24キロバイトのROMを有しています。
また、公開鍵暗号を使用しており、これまで当社が電子マネー「MONDEX」用チップの設計・製造で得た
ノウハウが活かされています。さらに、新設計技術により耐タンパー性能を一層向上させています。

当社は、既に多数のカード発行顧客よりこの製品を受注しております。
その中には1999年以降、約500万枚のクレジットカードをICカード化する予定のマイカルカード株式会
社も含まれており、同社のシステムは、世界初の「MULTOS」利用大規模実用化システムとなります。


(ご参考)
  現在、「MAOSCO」には、アメリカンエキスプレス、大日本印刷、富士通、日立製作所、キーコープ、マ
スターカードインターナショナル、モンデックス・インターナショナル、モトローラ、シーメンス等が加入して
います。



                                                                         以  上


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