日立製作所は、このたび、PC上で3次元コンピュータグラフィックス(CG)を使って手話アニメーション
を作成・編集できるソフト「Mimehand(マイムハンド)」を製品化し、平成10年10月15日より発売します。
聴覚障害者にとって、手話は自然なコミュニケーション手段であり、聴覚障害者の社会活動を支援する
ために、手話による情報提供が不可欠です。最近では、テレビの政見放送や一部のニュース番組、旅客
機の案内放送などで手話通訳が使用されています。しかし、これらの画面表示は、手話通訳者が行った
手話を録画したものを使用するのが一般的で、内容の変更、追加、削除が容易に行えず、コスト的にも高
く、幅広く普及していないのが実状です。
当社では、「身体に不自由のある方や身体機能が低下した高齢者にも情報機器を使えるようにできない
か」という声に対応して、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者向け意志伝達装置「伝の心」や、徘徊症状の
ある高齢者の介護を支援する「体動センサー装着型徘徊探知システム」をはじめ様々なハードウェア、ソ
フトウェアを提供しています。
特に、手話の認識と手話の合成からなる手話通訳技術は、福祉分野における当社の特徴技術の一つで
あり、平成7年には、UNIX版の手話アニメーションツール「Mimehand」を業界ではじめて製品化しました。こ
のUNIX版「Mimehand」は、平成8年に長崎県の身体障害者通所福祉授産施設である「ワイドビジョン」に納
入され、障害者の雇用機会の拡大、自立促進にも役立っています。また、この技術は、1997年の米国
R&D Magazine社の「R&D100awards」を受賞するなど海外でも高い評価を受けています。
今回発売するPC版「Mimehand」は、UNIX版の機能を踏襲しつつマンマシンインタフェース向上を図ってい
ます。約4,000語の手話辞書を備えており、PC上で単語を入力すると3次元コンピュータグラフィクスによる
手話アニメーションを自動生成し画面表示します。生成した手話アニメーションは、内容の変更、追加、削
除も容易に行えるほか、マウス操作で補正することが可能で、手話伝達において必要な表情など形状の表
現をきめ細かく編集できます。さらに、作成したアニメーションは動画データ(AVI形式)に変換できるので、一
度作成したアニメーションの再利用や、他のPC上で再生、インターネットホームページへの掲載、電子メー
ルへの添付など様々な利用が可能です。 また、PC上で動作が可能になったことで低価格化を実現し、聴
覚障害者だけでなく、手話サークルや学校での手話学習教材などとしての活用も可能です。
なお、本製品の購入については、株式会社日立ハイソフトの通信販売、または当社取扱事業部に問合せ
下さい。
<主な仕様>
製品名 | 手話アニメーションソフト 「Mimehand-Pro」ビジネス版 | 手話アニメーションソフト 「Mimehand-Personal」パーソナル版 |
動作環境 | ・Pentium(R)II 266MHz,メモリ64MB以上(推奨) |
・Windows(R) 95が動作するパソコン |
・Directx5.0 |
・解像度 1024×768ドット以上 ・65,536色以上 |
価格 | 136,000円 | 42,000円 |
発売開始 | 平成10年10月15日 |
出荷開始 | 平成10年11月 7日 |
<他社所有商標に関する表示>
・ UNIXは、X/Open Company Limitedが独占的にライセンスしている米国ならびに他の国における登録
商標です。
・ Windowsは、米国およびその他の国における米国Microsoft Corporatinの登録商標です。
・ Pentiumは、米国Intel 社の登録商標です。
・ その他、記載の会社名、商品名は、各社の登録商標です。
【製品情報】
手話アニメーションソフト「Mimehand」 ホームページ:URL:http://www.hitachi.co.jp/app/shuwa
本製品は、東京ビッグサイトで開催される「国際福祉機器展」(11月4日〜6日)、「COM−JAPAN」に
(11日10日〜13日)出展予定です。
以 上
|