日立製作所は、このたび、CSP(Chip Scale Package)(注1)の一種である超小型パッケージTFBGA
(Thin Fine pitch Ball Grid Array)を採用した4Mビット低消費電力SRAMとして、高速化対応品
「HM62W16256Bシリーズ(3.3V動作品)」、および低電圧化対応品「HM62V16256Bシリーズ(3.0V動作品)」
の2シリーズを製品化し、平成10年11月からサンプル出荷を開始します。
  本シリーズは、44ピンTSOP-IIパッケージと比較して約1／2に小型化した48ピンTFBGAパッケージと
×16ビット構成の採用、および低消費電流化により、携帯電話や携帯情報機器等の小型・高速・低消
費電力化に対応することが可能です。

　低消費電力SRAMは、リフレッシュ動作が不要で、記憶データを低電圧で保持可能なため、携帯機器
や各種端末機器などの小型システムやメモリカード、コンピュータ関連機器、OA機器などに幅広く使用
されています。
　近年では、従来からの高速化要求に加え、マイクロプロセッサやその周辺LSIの低電圧動作化が進み、
電池駆動のハンディ端末機器やノートブック型のパソコン／OA機器および電子文具などの市場が著しく
成長しており、低消費電力SRAMにおいても低電圧動作の要求が強くなっています。
　そこで、当社は、すでに大容量・高速・低消費電力化に対応したSRAMとして、3.3V動作、×8ビット構成
の4Mビット低消費電力SRAM「HM62W8512Aシリーズ」を量産しています。　

  そして今回、携帯電話などの情報機器における小型・軽量化、高速化、および低消費電力化の要求に
対応するため、新パッケージ48ピンTFBGAと×16ビット構成を採用した低消費電力版4MビットSRAM2シ
リーズを製品化しました。

　今回の2シリーズは、256ｋ×16ビット構成で、メモリセルに6MOS(FULL CMOS)セルを採用したことによ
り、TFT負荷型メモリセルを使用した当社従来製品と比較し、データ保持電流を1／10以下の1μA(max.)
に低減しています。また、0.35μｍCMOSプロセスの採用と回路設計技術等により、動作電圧については
2.7V〜3.6V(「HM62V16256Bシリーズ」)の低電圧化、スピード面では最高速アクセスタイム55ナノ秒
(「HM62W16256Bシリーズ、電源電圧3.3V±0.3V)」の高速化を実現しています。
  新たに開発したTFBGAパッケージは、CSPの一種で、44ピンTSOP-IIパッケージと比較し、実装面積を
約1／2に低減できます。今回のTFBGAパッケージは、Tessera,Inc.から導入したμBGAR(注２)技術に量
産性、信頼性の面で大幅な改良を加えています。なお、今回は併せて44ピンTSOP-IIも揃えています。

  その他、アクセスタイムは「HM62W16256Bシリーズ」が55／70ナノ秒の2種類、「HM62V16256Bシリーズ」
が70／85ナノ秒の2種類であり、さらに各々消費電流の違いによるL／SLの2種類を揃えています。1シリ
ーズ毎に8品種をラインアップしているため、幅広いユーザーニーズに対応可能です。

  今後は、さらに低電圧動作品の開発を行い、2.3V〜2.7V動作品を製品化する予定です。また、TSOPで
は高速SRAMとピン互換のあるCS機能1ピンの製品化を進め、メモリシステムのさらなる高性能化のニー
ズに対応していきます。

(注1)CSP(Chip Scale Package)は、その外形寸法がチップサイズとほぼ同じパッケージの総称。
(注2)μBGARは、Tessera,Inc.の登録商標です。

＜応用製品例＞
・携帯電話機
・携帯情報端末
・電子文具　 　
・ POS端末などのハンディターミナル
・メモリカード 　　　　　　　　　　　

＜価　格＞　

                                                                         以　上