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News Release

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平成10年8月27日

業界トップレベルの低損失等を実現した電圧制御型水晶発振器用
バリキャップダイオード「HVC376B」を製品化

− 電圧制御型水晶発振器ユニットの低電圧駆動化および低ノイズ化が可能 −

   日立製作所は、このたび、 PDCやGSMなどの携帯電話の基準発振に用いられる電圧制御型水晶
発振器(VCXO)(注1)用として、業界トップレベルの高容量変化比(注2)と低直列抵抗を実現した低電圧
駆動型バリキャップダイオード「HVC376B」を製品化し、平成10年9月からサンプル出荷を開始します。
 本製品はスーパーシャロー(Super shallow)PN接合プロセス(注3)の採用等により、当社従来品と比較
し、逆電圧1Vと4V時の容量の差(容量変化比)を4.8と約30%高め、直列抵抗も0.8Ωと約50%低減して
います。このため、VCXOユニットの低電圧駆動化および低ノイズ化が可能となります。
 
 携帯電話の低電圧化、低消費電力化に伴い、VCXO用バリキャップダイオードに対しても、電圧変化
範囲の狭い領域で発振周波数を大きく変化させる高容量変化比と、発振回路のノイズをより低減する
ための低損失化が求められています。しかし、容量変化比を大きくすると、直列抵抗が増加するという
課題がありました。

今回製品化した「HVC376B」は、当社のスーパーシャロー(Super shallow)PN接合プロセスの採用によ
り、容量変化比と直列抵抗の両方を大幅に改善しました。当社従来品の「HVC359」と比較すると、容量
変化比が約30%アップし(実力値:C1/C4=4.8)、直列抵抗も1.5Ωから0.8Ωへと約50%低減しています。
このため、VCXOユニットの低電圧駆動化、低ノイズ化、および発振停止電圧のより低い設定が可能と
なります。
  また、容量の温度ドリフトも低電圧領域で60ppm/℃と小さく、安定したオペレーションが可能です。こ
れらにより、発振ユニットの性能と設計マージンが向上でき、PDC、GSMなどの携帯電話自体の性能改
善に貢献することが可能です。

 さらに、プロセスの改良を行ったため、ウェハ内の容量のバラツキが改善され、容量偏差は当社比で
30%狭くすることが可能となり、設計段階および量産移行時のスムーズな立ち上げや、量産開始後の
安定した生産を実現します。
 なお、本製品は、VCXO以外にも低電圧でのオペレーションを必要とする電圧制御型発振器(VCO)や
可変バンドパスフィルタなどにも適用可能です。

 今後は、C1容量値が50pF前後の低周波用や、GHz帯でのC1が5pF前後の低容量品を開発し、ライン
アップを強化していく予定です。

注1)電圧制御型水晶発振器(VCXO(Voltage Controlled Crystal Oscillator)):周波数の調整を電圧の変
      化によって行うユニット。
注2)容量変化比:異なる2つの逆電圧時の端子間容量比。バリキャップダイオードでは重要な特性の1つ。
注3)スーパーシャロー(Super shallow)PN接合プロセス:当社が開発したダイオードのPN接合のプロセス。
      接合形成時の低温化と不純物濃度の適正化により、接合の深さをサブミクロン化した。

<応用例>
   1) VCXOユニット
   2) VCOユニット
   3)可変バンドパスフィルタ

<価 格>
    製 品 名      サンプル価格
    HVC376B           12円



                                                                         以  上


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