日立製作所はこのたび、Windows(R)95、Windows(R)98およびWindowsNT(R)
搭載パソコンを次世代のインターネットプロトコルIPv6に対応させるIPv6ソフ
トウェア「Toolnet6」を開発しました。既存のアプリケーションプログラムが
利用可能なパソコン用のIPv6ソフトウェアの提供は業界でも初めてです。
8月20日より当社のホームページ(www.hitachi.co.jp/network/)から無償で
配布します。
また、本ソフトウェアについて8月24日から米国シカゴで開催される第42回
IETF*ミーティングにて技術内容の紹介と無償配布の開始を発表し、IPv6の実用
化に向けて全世界のIPv6実験サイトでの利用を促します。
なお、当社では本年7月より「Toolnet6」と当社のIPv6対応ルータ「NR60」
を利用した実験網を社内に構築し、運用を開始しています。
* IETF(Internet Engineering Task Force) : インターネット仕様の標準化
を推進する団体
近年、インターネットの爆発的普及に伴って、インターネットに接続される
システムの数は年々倍増しています。このため、従来のインターネットプロトコ
ルIPv4のアドレス空間は急速に消費され、枯渇まで数年から十数年と言われてい
ます。また、IPv4には、セキュリティ、優先制御、自動構成等の機能が標準で
備わっておらず、今後インターネットにさらに高度なセキュリティやリアルタイ
ム通信への対応が求められるようになった際に大きな問題となります。こうした
、IPアドレスの枯渇や各種機能追加、性能向上などを目的として、IETFにおいて
、次世代インターネットプロトコルIPv6の標準化が進められており、基本的な枠
組みは概ね決定しています。
当社では、IPv6技術への対応に早くから取り組み、実用化に向け、先進的な活
動を行なってきました。具体的には、昨年6月にIPv6に対応し、かつIPv4のアド
レス変換機能も備えたルータ「NR60」を業界で初めて製品化し、世界各地のIPv6
実験環境で利用されています。また、インターネット技術の先進的な研究機関で
あるWIDE Projectと協力して米国ニューハンプシャー大学のIOL
(Interoperability Laboratory)や世界的なIPv6実験網である6Boneにいち早く
参加/接続し、相互接続性の検証を行うとともに、昨年12月にはプロトコル変換
技術に関し、IETFで提案を行う等、IPv6分野において世界をリードしてきました。
今回、当社が開発したIPv6ソフトウェア「Toolnet6」はWindows(R)95、
Windows(R)98およびWindowsNT(R)上で稼動し、IPv6ネットワークとの接続を可
能とするもので、IPv4環境で利用されている既存のアプリケーションプログラム
も利用可能です。これによりWindows(R)環境でのサーバ/クライアントスタイル
のIPv6実験システムが構築できます。日立製作所ではこの「Toolnet6」を当社
ホームページより無償で配布します。全世界のキャリア、インターネットサービ
スプロバイダや研究機関、企業が行う先進的なIPv6実験での利用を通じて、企業
、社会のインフラとなっているインターネットの発展に寄与できると考えてい
ます。
また、同時に国内外613拠点を結ぶ世界最大級の日立グループ内情報ネット
ワークである「HITNET」においても、今後のIPv6への移行に備え、大規模な実験
網を構築し、IPv4/IPv6混在環境での各種技術の検証、IPv6ネットワークの運用
技術の習得、IPv6を活かしたアプリケーション、サービスの開発、評価、提供を
進めていきます。具体的には、当社の社内統括情報部門である情報システム管理
本部のオフィス(東京都千代田区)と同本部のネットワークセンタ(東京都品川区)
、サーバ開発本部(神奈川県海老名市)、情報システム事業部およびシステム開発
研究所(神奈川県川崎市)を接続し、本年7月より実験を開始しました。今後は順
次他事業所、国内外の関連会社を結ぶ実験網へと拡大していく予定です。
日立製作所では、今後、「Toolnet6」や「NR60」の技術を活かし、当社のル
ータ、LANスイッチ、ATMスイッチ、ネットワーク管理ソフトウェアなどに加え、
イントラネット、エクストラネットでキーとなるサーバでもIPv6をサポートして
いく予定です。また、当社のインターネット接続サービス「netSpace」や企業
ネットワークのアウトソーシングサービス「Compassport」においてもIPv6技術
を取り込んだ新しいサービスを提供予定です。こうした取り組みを通じ、既存
のIPv4環境からIPv6環境へのスムーズな移行や、IPv6の特徴である高いセキュ
リティ、リアルタイム通信、運用性向上などを実現し、次世代インターネット
環境の早期実現に努めます。
【他社商標等に関する表示】
・ Windows95の正式名称は、Microsoft(R)Windows(R)95 Operating System
です。
・ Windows98の正式名称は、Microsoft(R)Windows(R)98 Operating System
です。
・ WindowsNTの正式名称は、Microsoft(R)WindowsNT(R) Operating System
です。
・ Windows、 Windows NTは、米国Microsoft Corporationの米国およびそ
の他の国における商標または登録商標です。
以 上
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