日立製作所は、この度、駆動機の設置面積を従来の1/10と小型化したエレベーター用薄型ギヤ
レス巻上機を開発し、これを採用することによって、機械室を必要としない新しいエレベーターの駆動
方式を開発しました。本方式では、薄型ギヤレス巻上機をエレベーターの昇降路内に組み込むため、
従来必要であった機械室が不要となります。そのため、建築物の日影斜線規制や北側斜線規制など
に抵触する可能性が低くなり、建築設計の自由度が広がります。また、従来機械室があった場所を
有意義に活用することも可能です。
昇降路寸法についても、従来機なみに押さえられる見通しを得ており、新築の建築物だけでなく、既
存の建物のリニュアールにも対応することができます。
今後、当社では、まず今秋より事務所用、住宅用エレベーターとして需要が高い6人乗り、9人乗り
(45、60m/分)の機種へ採用していく予定です。
<新駆動方式の特長>
1. 薄型ギヤレス巻上機の採用により機械室が不要
・高性能希土類磁石を用いた薄型ギヤレス巻上機を採用することにより、駆動機の設置面積を1/10
と小型化しました。これにより駆動機を昇降路内に設置することが可能となり、機械室を不要としました。
また、ロータとシーブ、ブレーキドラムを一体化して駆動機の小型化を図るアウタロータ方式の電動機
を採用することにより、昇降路壁とかごの隙間(250mm)の間への組み込みを可能としました。これに
より昇降機寸法は従来機種なみとなります。
2. IGBTインバータ、ギヤレス方式の採用で、省エネ、省設備を実現
・駆動方式にギヤレス方式、制御方式のIGBTインバータを採用しシステム全体の高効率化を実現し
ました。それにより、電動機容量や電源設備容量を大幅に低減しました。
3. ギヤレス巻上機の採用により約20dBの低騒音化を実現。
・巻上機をギヤレス化するとともに、3次元電磁場解析、振動音場解析を応用して、マシンやモーター
構造を最適化することにより騒音を従来比約20dB低減します。
以 上
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