日立製作所は、このたび、小型フラッシュカード「コンパクトフラッシュ(CompactFlash(TM)、以下CF
(TM)(注1))」のラインアップ強化として、新たに開発した84MビットAND型フラッシュメモリを搭載した10
Mバイト品「HB286010C4」および20Mバイト品「HB286020C4」を製品化し、平成10年8月よりサンプル
出荷を開始します。今回の2製品は、84Mビットフラッシュメモリを採用したことで、カードの書き換え速
度も当社比約1.5倍に高速化され、10Mバイト品が350kバイト/秒、20Mバイト品が600kバイト/秒
を実現しています。
これにより、当社のCFは8/10/15/20/30/45Mバイトと計6製品の品揃えとなり、デジタルスチル
カメラなどの記憶媒体として、ユーザの幅広いニーズに対応することが可能です。
CFは、切手サイズによる携帯性、携帯機器の電池消耗を低減する低消費電流、さらにはPC-ATA
(注2)、True-IDE(注3)インタフェースという標準バス仕様採用による既存システムへの高い互換性(カ
ードエッジコンパチビリティ)により、デジタルスチルカメラ、PDA、ハンドヘルドPC等の携帯情報機器や
デジタルカムコーダ等の動画像格納など、将来のマルチメディア機器間におけるリムーバブル記憶媒
体の本命として普及しはじめています。
当社では、すでに64MビットAND型フラッシュメモリを搭載した8/15/30/45MバイトのCFを量産中
です。しかし、デジタルスチルカメラのような民生分野では、撮影したい写真の枚数は個人により様々な
ため、容量ラインナップのさらなる細分化が望まれていました。
また、CFは、システムの高機能化、用途の拡大にともない、必要とする速度の要求が変化しています。
特にデジタルスチルカメラにおいては、採用されているCCD(注4)の画素数が増加することで、1枚当り
の写真のデータ量が大きくなるため、画像をフラッシュメモリに記憶する時間が10秒程度となる場合も
あり、書き換え速度の高速化が要求されています。
そこで、当社はこのようなニーズに対応するため、今回新たに84Mビットフラッシュメモリを開発し、10
Mバイトおよび20MバイトのCFを製品化しました。10Mバイト品では1個、20Mバイト品では2個の84
Mビットフラッシュメモリを搭載しています。
今回開発した84Mビットフラッシュメモリは、0.35μmCMOSプロセスを採用し、書き込み時間を従来
の1ms/セクタから0.2ms/セクタに短縮することで、カードの書き換え速度を当社比約1.5倍に高速化
し、10Mバイト品で350kバイト/秒、20Mバイト品で600kバイト/秒を実現しています。このため、連続
撮影時の待ち時間を短縮することが可能です。
今後は、64Mビットフラッシュメモリの高速化も行い、8/15/30/45MバイトのCFについても高速版
を製品化する予定です。
(注1)コンパクトフラッシュ(CompactFlash(TM)):CompactFlash(TM)およびCF(TM)は米国サンディスク社
の商標であり、CFA(CompactFlash(TM)Association)にライセンスされています。当社はCFAのメン
バーです。
(注2)PC-ATA(正確にはPCカードATA仕様):PCMCIA(Personal Computer Memory Card Association)で
決めたカード仕様のうちのATA(Advanced Technology Attachment)仕様。
(注3)True-IDE:True Integrated Device Electronics
(注4)CCD:Charge Coupled Device
<応用機器>
デジタルスチルカメラ
PDA/ハンドヘルドPC等の携帯情報機器
固体レコーダ等
<価 格>
製品名 容 量 サンプル価格(円)
HB286010C4 10Mバイト 18,000
HB286020C4 20Mバイト 35,000
以 上
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