日立製作所はこのたび、従来のベクトル型スーパーコンピュータの持つ実効性能*1の高さと、並列
コンピュータの持つ高いスケーラビリティを併せ持った、新しい高性能コンピュータ「スーパーテクニカル
サーバ」を開発し、その第一弾として科学技術計算向けモデル「HITACHI SR8000」を製品化し、5月
21日より発売します。
今回の「SR8000」は、最小4ノード*2から最大128ノードまでフレキシブルな構成が可能で、最大
理論演算性能は、1テラ(T)FLOPS*3を実現しています。
近年、構造設計や流体力学のみならず、気象予測を始め、新素材開発、石油探査、生命科学、画像
解析、医療解析、宇宙工学をはじめ、幅広い分野で高性能コンピュータを用いて高速な計算処理が行
われており、ベクトル型スーパーコンピュータや並列コンピュータ以上に大きな処理能力を持つ高性能
コンピュータへのニーズが高まっています。
当社は、こうしたニーズに対応して、従来のベクトル型スーパーコンピュータが持つ実効性能の高さと、
並列コンピュータが持つ高いスケーラビリティ、それぞれの長所を併せ持った新しい高性能コンピュータ
「スーパーテクニカルサーバ」を開発しました。この「スーパーテクニカルサーバ」は、これまで製品化し
てきた、ベクトル型スーパーコンピュータ「HITAC S−3800」*4や科学技術計算向け並列コンピュータ
「HITACHI SR2201」*5をはじめとする、常に業界をリードする当社のコンピュータ技術を結集して開
発した新しい高性能コンピュータです。
今回製品化した「SR8000」は、当社が新たに開発した高性能なRISCマイクロプロセッサを採用し、
最大理論演算性能で、世界最高レベルの1テラFLOPSを達成しています。また、高性能マイクロプロ
セッサの採用に加え、プロセッサでの数値計算を高速化するための機能として、並列コンピュータ
「SR2201」で採用している擬似ベクトル処理機構と、今回新たに開発した協調型マイクロプロセッサ
機構を搭載しました。擬似ベクトル処理機構は、メモリ上の大規模なデータを演算装置へ高速に転送す
る機能を、また協調型マイクロプロセッサ機構は、ノードを構成する複数のマイクロプロセッサを一斉か
つ高速に起動させる働きをします。
なおオペレーティングシステムについては、新開発の64ビットUNIXベースのOS「HI−UX/MPP」を
提供します。
*1:実効性能:理論上の性能でなく、実際にプログラムを動かした時の性能
*2:ノード:並列コンピュータを構成する独立した演算処理単位
*3:1テラFLOPS:浮動小数点演算を1秒間に1兆回実行する能力
*4:「HITAC S−3800」:平成4年3月発表
*5:「HITACHI SR2201」:平成7年7月発表
【スーパーテクニカルサーバ 「HITACHI SR8000」の主な利用分野】
・構造解析 ・流体力学 ・気象解析 ・石油探査 ・新材料開発
・宇宙工学 ・医療解析 ・原子力/核融合 ・画像解析 ・生命科学 など
【出荷時期および価格】
出荷時期 : 平成10年12月より
価 格 : 月額 約800万円から
【他社商標注記】
・UNIXは、X/Open Company Limitedが独占的にライセンスしている米国ならびに他の国における登録
商標です。
・Ethernetは、米国Xerox Corp.の商品名称です。
・MPIは、米国MPI Forumが制定したインタフェース規約です。
・PVMは、米国Oak Ridge National LaboratoryおよびUniversity of Tennesseeによって開発されたソフト
ウェアです。
・PARALLELWAREは、新日本製鐵(株)の登録商標です。
・PARALLELWAREの米国での製品名称は、"Express"です。
・Expressは、米国でのParaSoft Corporationの商標です。
以 上
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