日立製作所は、世界で初めて1ユニットでのダブルスクロール機構を開発し、
本機構を搭載した7.5kWから11kWまでの中型オイルフリースクロール圧縮
機10機種を4月28日より順次発売します。
当社では、本製品を「日立オイルフリースクロール圧縮機」のシリーズとして
発売し、オイルフリースクロール圧縮機のラインナップ強化を図っていきます。
オイルフリー圧縮機は、圧縮空気の通路に潤滑油を使用しないため、クリーン
な圧縮空気を供給することができます。さらに、潤滑油を使わないために、オイ
ル交換管理や、ドレン処理などが不要であり、日常メンテナンスが少なくなると
いう利点ももっています。そのため、食品関係など、高いクリーン度が要求され
る工場などでは、オイルフリー圧縮機に対するニーズが高まってきており、特に
、オイルフリースクロール圧縮機は、低騒音化、低振動化がはかれることから、
医療用やレジャー用など、用途が急速に広がりつつあります。
しかし、これまでのスクロール圧縮機では、スラスト荷重の発生による、軸受
けやシールへの負担が大きく、5kW以上の圧縮機では、スクロール機構を採用
することは困難でした。そのため、大きな容量が必要な場合には、小さなスクロ
ールを2つならべた構造をとっており、さらに用途を拡大するためにも、1ユニ
ットでのダブルスクロール化が望まれていました。
そこで当社では、旋回スクロールの両側に固定スクロールを配置したダブルス
クロール構造を開発し、7.5kWから11kWの中型機に採用しました。これに
より両側の圧縮室が同圧になることからスラスト荷重の発生を抑え、7.5kW以
上のタイプでも、圧縮機本体を1ブロック化することができます。
今後当社では、「日立オイルフリースクロール圧縮機」の拡販を目指して、全
国の顧客向けにダイレクトメールを送付するなど、積極的な提案営業を行ってい
きます。また、15kW以上のタイプについてもスクロール化を進める予定です。
<「日立オイルフリースクロール圧縮機」の特長>
(1) ダブルスクロール機構を採用
・旋回スクロールの両側に、固定スクロールを配置するダブルスクロール機構を
採用しました。これによってスクロール圧縮機本体を1ブロックで11kWまで
大容量化することができます。
(2) クリーンエアを低コストで供給
・ オイルフリーであるため、オイル交換管理や、ドレン処理などの手間がいりま
せん。日常メンテナンスが少ないために作業費用の低減が図れるほか、オイル費
用も不要であり、クリーンエアを低コストで供給できます。
・ スクロール本体が1ブロック化されたことに加え、補器がほとんどなく構造が
簡単であることなどから、部品交換点数はスクリュー圧縮機の1/3になりま
す。(当社比)
(3) スクロール採用による低騒音化、低振動化
・ 本製品に採用されているスクロール機構は、回転型で低速回転です。そのた
め、低騒音であると同時に、圧縮機本体の振動もほとんどありません。
(騒音値:7.5kWタイプで、53dB(A)…静かなオフィス、家庭のリビング
ルーム程度)
(4) 省スペース化を実現
・ 据付面積については、当社レシプロ機比約30%の省スペース化を実現。
<発売機種・価格・販売目標>
機種名 標準価格(税抜)円
50Hz 7.5kW ドライヤ不付 SRL-7.5P5A-7K 1,260,000
SRL-7.5P5A-4K 1,290,000
ドライヤ付 SRL-7.5P5AR-7K 1,610,000
11kW SRL-11P5A 1,930,000
ドライヤ付 SRL-11P5AR-7K 2,330,000
60Hz 7.5kW ドライヤ不付 SRL-7.5P6A-7K 1,260,000
SRL-7.5P6A-4K 1,290,000
ドライヤ付 SRL-7.5P6AR-7K 1,610,000
11kW SRL-11P6A 1,930,000
ドライヤ付 SRL-11P6AR-7K 2,330,000
・販売目標 400台/年
以 上
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