日立製作所は、このたび、100MHzメモリバス対応の高速シンクロナスDRAM(SDRAM)を搭載した
メモリモジュール(DIMM(注1))のバスドライバ用途向けに、標準ロジックIC「HD74ALVC(注2)シリーズ」
の新製品として、「HD74ALVC16835(出力ダンピング抵抗なし)」および「HD74ALVC162835(ダンピン
グ抵抗(26Ω)内蔵)」を製品化し、平成10年4月下旬より販売を開始します。
今回の2製品は、低電圧電源での高速動作を実現するなど、100MHzメモリバス対応SDRAMモジュ
ールのバスドライバとして最適化されています。本製品をSDRAMモジュールに搭載することで、パソ
コン(PC)、ワークステーション(WS)、サーバなどにおいて安定した高速データ転送を実現でき、CPUと
高速メモリの性能を最大レベルで発揮させることが可能です。
近年、低電圧かつ高速・高機能のCPUやメモリの登場により、PC、WS、サーバなどに採用される標
準ロジックICに対しても、高速・高機能化が求められています。なかでも、システムバス周波数の高速
化に伴い、今後の主流となるSDRAMのような高速メモリをCPUバスに接続するためには、バスドライ
バやバストランシーバICが不可欠となってきます。
当社は、平成8年より、バスドライバやバストランシーバ等向けの標準ロジックICとして、「HD74ALVC
シリーズ」を製品化しています。本シリーズは、0.5μmCMOSプロセスを用いて、動作電源電圧2.3V〜
3.6Vという低電圧化を図るとともに、従来の当社LVC(注3)シリーズと比べ、2.5倍となる最大150MHzの
動作が可能なため、伝搬遅延時間(注4)を2ns typ.(Vcc=3.3V時)と短縮でき、さらに出力電流±24mA
の基本特性も保持した高速かつハイドライバビリティ(注5)の標準ロジックICです。また、バスの多ビット
化に対応するため、0.5mmのリードピッチ、1.2mm厚の薄型パッケージTSSOP-48/56ピンを採用してお
り、機器の小型化・薄型化に対応することが可能です。
今回製品化した「HD74ALVC16835」と「HD74ALVC162835」は、100MHzメモリバスに対応するため、
18bit、3ステートの機能を持ち、さらに0.5μmCMOSプロセスと回路技術により、伝搬遅延時間の短縮
や、出力電流の強化を図っています。そのため、本製品を100MHzメモリバスに対応したSDRAMモジュ
ールに搭載することで、SDRAMを駆動する電流の確保や、モジュール基板の反射ノイズの低減が可能
となり、PCやWS、サーバなどにおいて安定した高速データ転送を実現できます。これにより、CPUと高
速SDRAMの各々の性能を最大レベルで発揮させることが可能になります。
なお、今後はSDRAMモジュールに必要なクロックドライバ用PLL ICの開発など、将来のニーズを先取
りした品種展開を計画していきます。
(1) DIMM:Dual In-Line Memory Module
(2) ALVC:Advanced Low Voltage CMOS
(3) LVC:Low Voltage CMOS
(4) 伝搬遅延時間:入力信号に対する出力信号の遅れ時間。短いほど良い。
(5)ドライバビリティ:駆動能力
<応用製品例>
・高速・高性能SDRAMモジュールおよびメモリボード
・高速・高性能機器のインタフェース
<価 格>
製 品 名 | サンプル価格(円) |
HD74ALVC16835 | 330 |
HD74ALVC162835 | 330 |
以 上
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