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News Release

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平成10年3月19日

廃プラスチックから油を回収し発電するシステムを開発

−廃プラスチック処理量200kg/h規模での実証運転を実施−

  日立製作所および日立エンジニアリングサービスでは、平成7年から廃プラスチックの投入から発電
まで一貫して行う"廃プラスチック油化発電システム"の製品開発を進めるために、廃プラスチック処理
量30kg/hの試験設備を日立研究所に設置し運転実験を行ってきましたが、このたびシステムの開
発を完了しました。
  本システムは、(財)クリーン・ジャパン・センターの実証実験事業として採用され、日立製作所が建設
する廃プラスチック処理量200kg/hの実証プラントを使用して、日立エンジニアリングサービスが本年
10年4月から約2年間の実証運転を行う予定です。

  現在、廃プラスチックで有効に利用されているものは、わずか25%にすぎず、残りの75%は埋め立
てと単純な焼却処理がなされている状況です。その有効利用法として考えられる方法のひとつに、油化
による油の回収と利用があります。現在、各種油化技術の開発が進められています。しかし、油化によ
る廃プラスチックの利用にあたっては、コストが高いことや、通常の熱分解だけでは、着火性が悪い(セ
タン価が低い)こと、エンジンの潤滑性が悪い(動粘度が低い)こと、エンジン部品に対する腐食性が高い
ことなどの問題があり、従来はディーゼルエンジンの燃料として使用することが困難でした。

  本システムは、産業廃棄物のプラスチックを対象に混合プラスチック(熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹
脂)を熱分解してディーゼルエンジンに使用できる油を回収し、その油を燃料としてディーゼルエンジン
を駆動し発電するものです。これによって、油化と、生成した回収油の活用を一貫して行うことができ、
廃プラスチックの効果的な活用が可能になります。
  本システムでは、熱分解炉から出た分解ガスの一部を凝縮還流させることにより、回収油品質を調整
し、ディーゼルエンジンの燃料として直接使用できる油を回収しています。また、回収油は通常のディー
ゼル油に比較して、まだセタン価が低く自己着火が困難であるため、エンジン部材の改善を行うとともに、
電気着火方式を用いた改良エンジンを開発して使用しています。

  日立では、廃棄物リサイクル技術の開発・製品化に早くから取り組み、廃家電品リサイクルプラント等
の新技術・新製品の開発を推進してきました。この一環として、発生するプラスチックの油化技術につい
ても、平成4年から基礎研究開発に着手し、7年から廃プラスチックの投入から発電まで一貫して行う
"廃プラスチック油化発電システム"の製品開発を進めるため、廃プラスチック処理量30kg/hの試験
設備を日立研究所に設置し運転実験を行ってきました。その成果が(財)クリーン・ジャパン・センターの
実証実験事業として採用され、日立製作所が建設する廃プラスチック処理量200kg/hの実機規模の
実証プラントを使用して日立エンジニアリングサービスが平成10年4月から約2年間実証運転を行う予
定です。


【特徴】
(1)回収油軽質化技術と新ディーゼルエンジンの組み合わせによる小型発電設備
      ・軽質化処理によりディーゼルエンジンに直接使用できる回収油を得てそのまま発電用燃料として
        利用する。
(2)塩素除去技術
      ・アルカリと吸着剤の併用により、無機塩素のみならず有機塩素を除去し、塩素濃度の極めて低い
        油を回収する。
(3)熱硬化性樹脂の残さ低減技術
      ・残さ発生量の多い熱硬化性樹脂と、油化が容易な熱可塑性樹脂を最適な割合で混合して油化す
       ることにより熱硬化性樹脂残さの生成を抑制する。



                                                                      以  上


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