株式会社 日立製作所
SGS-THOMSON Microelectronics
株式会社日立製作所(以下、日立)とSGS-THOMSON Microelectronics(以下、
ST)は、このたび、日立のSuperH(TM)RISC engine(SuperH)アーキテクチャに基
づく次世代64ビットRISCプロセッサ「SH-5」(日立)「ST50」(ST)の共同開発に
基本合意しました。
今回の合意により、両社は、日立のSuperHアーキテクチャとSTの64ビットマイ
クロプロセッサのノウハウに基づき、双方向セット・トップ・ボックスやデジタル
カメラなどのデジタル・マルチメディア機器に最適で、より高性能かつ低コストな
64ビットRISCプロセッサ「SH-5」「ST50」の共同開発に取り組みます。また、
STは日立より「SH-3」と「SH-4」のCPUコアのライセンスを受け、自社のASICお
よび特定用途向け標準LSI(ASSP)の組込み用CPUとして活用していきます。
今回の協力は、マルチメディア機器やデジタル・コンスーマの分野において、両
社で強力なシステムソリューションを短期間で提供するとともに、同分野における
プロセッサの業界標準を目的としています。
日立は、マルチメディア分野においてSuperHの業界標準化を進めており、国内外
でのパートナーの拡大による積極的なシステム対応強化を推進しています。また、
各種マルチメディア機器向けに、組込み型マイコンでは業界最高性能の360MIPSを
実現した「SH-4」を製品化するなど、SuperHのラインアップ強化にも取り組んでい
ます。
今回の合意により、欧州における強力なパートナーとしてSTが加わることで、
SuperHの世界規模でのきめ細かな顧客ニーズへの対応が可能となるとともに、マル
チメディア分野におけるSuperHのポジション強化を図ります。さらに、共同で開発
する「SH-5」により、今後市場の拡大が期待されるデジタルTVなどのデジタル民生
機器/マルチメディア機器市場でのビジネス拡大を目指します。
一方、STは最先端の半導体テクノロジーならびに「システム・オン・チップ」
の開発力をベースとして、自社の8、16、32ビットのマイクロコントローラやマイ
クロプロセッサでマルチメディアや通信、自動車等の分野に幅広いソリューション
を提供しています。現在、市場では超高性能かつ高コスト効率のコンスーマ分野向
けプロセッサに対するニーズが日々高まってきており、この様なニーズに迅速に対
応するため、日立・ST両社の技術を結集して次世代コアを共同開発します。
この協力により、STはRISCプロセッサ市場における製品競争力をさらに高め、
デジタルコンスーマ分野における同社のリーディングポジションを一層強固にして
いきます。
<SuperHについて>
SuperHは、日立独自のアーキテクチャを採用し、高性能・低消費電力・低コスト
を実現するコストパフォーマンス追求型のRISCプロセッサです。
平成4年に業界初のシングルチップRISCマイコンとして登場以来、すでに「SH-1」、
「SH-2」、「SH-3」、「SH-3E」、「SH-DSP」、「SH-4」の6つのCPUコアを製品化
し、携帯情報機器やカーナビゲーション、デジタルカメラ等のマルチメディア機器
をはじめとする民生、産業、情報・OA等の分野で数多く採用されています。なかで
も、「SH-3」、「SH-3E」、「SH-4」は昨年米国マイクロソフト社から製品化され
たOS「WindowsRCE(注2)」に対応するなど、マルチメディア機器のメインエンジン
に成長しています。
<ST6,ST7,ST9,ST10,ST20について>
SGS-THOMSONのST6、ST7、ST9シリーズは、8ビット マイクロコントロー
ラ・ファミリで、白物家電、モニタ、アナログSTBなどのコンスーマ・アプリケー
ション向けに開発された製品です。
また、ST10はハードディスクやエンジン制御のような高性能アプリケーション
に開発された16ビット組み込みコアです。 さらに、32ビットRISCプロセッサの
ST20ファミリは、STBなどのデジタル・コンスーマやGPSアプリケーション用に全
世界的に採用されており、最近発表されたBskyB用STBにも使われています。
ST10やST20製品をサポートするOSには、ISI社のpSOSやWindriver System社の
VxWorksなどが含まれています。
(注1) SuperH:SuperHは、(株)日立製作所の商標です。
(注2) Windows:Windowsは、米国マイクロソフト社の米国およびその他の国におけ
る登録商標です。
以 上
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