株式会社 日立製作所
Concorde Solutions, Inc.
日立製作所(社長:金井 務、以下日立)と米国バンクオブアメリカの関連会社
であるConcorde Solutions, Inc.(コンコード・ソリューションズ社 米国カリ
フォルニア州 社長:Isaac Applbaum 以下CSI社)はこのたび、新世代のオンラ
インシステムを実現するためのミドルウェアを共同開発することで合意しました。
今回両社が開発するのはDOM(Data Object Manager)と呼ばれるミドルウェアで、
メインフレーム上で構築された既存のオンラインシステムを、インターネットをベ
ースとする新世代の情報システム環境にプログラムの変更なしで適合させることを
可能にします。なお、今回の共同開発における最初の製品は1998年上半期中に全世
界で出荷を開始する予定です。
近年、インターネット・イントラネットを始めとするネットワーク技術やソフト
ウェア技術の発展により、インターネットをベースとする新しい企業情報システム
や、企業、家庭、社会をネットワークで結ぶエレクトロニック・コマース等が構築
されつつあります。このような情報処理環境を提供するためには、異なるコンピュ
ータ上にあるプログラムやデータの相互連携利用を柔軟に行うことが必要で、これ
を実現するための有効な手段として分散オブジェクト技術が注目されています。
日立は、本年7月に分散オブジェクト技術を利用して高度な企業情報システムの
構築を支援する技術、製品、ソリューションサービスを「Network Objectplaza」
として体系化し、新世代の企業情報システム基盤の実現に向けた事業を展開してい
ます。
一方、CSI社は、1996年に米国バンクオブアメリカ社のソフトウェア関連子会社
として設立され96年7月から日立のトランザクション分散オブジェクト基盤
「TPBroker」を用いた「クレジットカードオンラインシステム(CCOL)」を日立と
共同で開発してきました。「CCOL」は、米国金融機関のインターネットバンキング
システムで採用され、今月末より稼動開始予定です。
今回両社が開発するDOM技術は、「CCOL」の一部に用いられているオンラインシ
ステム連携技術をバンキングシステムだけでなく、顧客情報管理、受発注管理、在
庫管理等、一般企業の様々な業務システムに適用するためのもので、異なるベンダ
ーのメインフレームシステムと、サーバやPC上のプログラムとを結び付けるための
ラッピング機能を提供することにより、メインフレームをベースに構築されたオン
ライントランザクションシステムと分散オブジェクト基盤上のアプリケーションプ
ログラムとの相互の連携を実現します。
このため、「CCOL」の開発を通して蓄積したオンラインシステム連携技術に加え
て、アプリケーションインタフェースの共通化、汎用的なグラフィカルインタフェ
ースの開発、メインフレーム側の複数種類のオンラインプログラムインタフェース
のサポート等、新たに大幅に機能を拡張する計画です。このDOM技術の確立により、
メインフレーム上で稼動しているオンライントランザクション業務をPCやワーク
ステーション、サーバ環境のグラフィカルインタフェースからインターネット・イ
ントラネットを介して容易にアクセスしたり、分散オブジェクト環境上の新しいプ
ログラムから簡単に利用することができるようになります。従来PC、サーバ上の新
しいアプリケーションプログラムとメインフレーム上のオンライントランザクショ
ン業務を連携させるためには、メインフレーム上のプログラムの作り直しに多大な
工数を要しましたが、本技術の確立により、メインフレーム上の従来のプログラム
には基本的に手を加えずに、容易に新しい業務への統合やユーザーインタフェース
の改善が可能となります。
日立は、本年3月に発表したConcept Five Technologies, Inc.(米国ヴァージ
ニア州マクリーン 社長:バリー・ホロウィッツ)と共同で開発している「SI技術基
盤ソフトウェア」と共に、今回CSI社と共同開発したDOM技術を「Network
Objectplaza」に統合することにより、メインフレーム環境や既存のクライアント
・サーバ・システム環境を包含する新世代企業情報システムの実現を支援していき
ます。
<Concorde Solutions, Inc.の概要>
会 社 名:Concorde Solutions, Inc.
所 在 地:米国カリフォルニア州コンコード市
代 表 者:Isaac Applbaum(社長)
資 本 金:200万USドル(バンクオブアメリカ社が70%出資)
事業内容:オブジェクト指向技術を利用したバンキングシステムの開発並びに販売
以 上
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