日立製作所は、エレベーターの機械室が不要な中低層共同住宅用エレベーター
「レジデンスエース」を１０月３０日より発売します。
　本製品は、機械室を不要としたことや、昇降路の高さ寸法を短縮したことなどに
より、従来はエレベーターが設置しにくかった３〜５階建の共同住宅への設置性を
高めています。これにより、安全で快適な居住環境を整備したいという市場ニーズ
に応えていきます。

　近年の高齢化社会の進展、安全で快適な居住環境への要請の高まりなどから、中
低層共同住宅用エレベーターに対するニーズは強くなってきています。そこで中低
層共同住宅用エレベーターに関する規制が一部緩和され、建設省より設計指針が示
されました。同設計指針の目的は、
(1)中低層共同住宅へのエレベーターの設置を容易にし、より一層の普及を図る。
(2)共同住宅における垂直移動の省力化により、生活の利便性の向上を図る。
(3)階段昇降動作の困難な高齢者や身体障害者の移動を助け、日常生活の自立に寄
   与する。
(4)階段事故の発生を低減する。
などです。

　そこで日立製作所は、巻上機などの駆動機械を昇降路の中に組み込むことにより、
機械室を不要とした中低層共同住宅用エレベーター「レジデンスエース」を発売し
ます。
　本製品では、機械室を不要とすることにより、建物面積が有効活用できると共に、
機械室を屋上や建物内に設けるための設計的配慮が不要となり、建物の設計の自由
度が向上します。
　また、本製品では、共同住宅におけるエレベーターの利用形態、高齢者への安全
性などを考慮し、ユニバーサルデザインを採用しました。ユニバーサルデザインと
は、健常者、高齢者、車いす使用者等、全ての人が使いやすい製品・住み易い環境
を作りだそうという考え方で、米国を中心として広がりを見せています。このデザ
インが普及すれば、高齢者や障害者は健常者と同じ環境に暮らすことができ、積極
的な社会参加が促進されるとされています。

　日立では、エレベーターの設置率が低く建設棟数の多い３〜４階建を中心に、年
間１,０００台の受注をめざし受注活動を進めます。

【レジデンスエースの特長】
（１）エレベーター機械室が不要
　　　従来、建築設計上の課題となっていたエレベーターの機械室を不要とするた
      め、巻上機などの駆動機械を昇降路の中にビルトインしました。これにより
      建物面積が有効活用できると共に、機械室を屋上や建物内に設けるための設
      計的配慮が不要となり、建物の設計の自由度が向上します。
（２）最上階高さの短縮
　　　屋上から昇降路が突き出さないように、駆動機械をピット部にビルトインし、
      最上階高さ(オーバーヘッド寸法)を一般的な最上階階高に納まる３０００
      ｍｍに短縮し、日影規制などの建物規制への対応性を高めます。
（３）４人乗りで６人乗り並の広いかご内スペース
　　　共同住宅における日常の使い方、家具の運搬、車いすでの利用などを考慮し、
      ４人乗りながら、かご室の大きさは従来の６人乗り並みの(間口)９００ｍｍ
      ×(奥行き)１４００ｍｍとしました。また、住宅金融公庫による基準金利適
      用住宅の「バリヤフリータイプ」の条件を満たし、使用者の利便性も向上さ
      せるため、出入口幅は８００ｍｍとしています。
（４）ユニバーサルデザイン採用による使いやすさ
　　　健常者、高齢者、車いす使用者等が共用することを考慮し、ユニバーサルデ
      ザインを採用しています。操作ボタンは様々な人が使いやすい高さの
      １０００ｍｍとし、戸が開いてから閉まるまでの時間は、ゆとりをもって乗
      り降りできるように５秒にしています。また、かごの密室性を少なくするた
      め、車いす使用者の目の高さを考慮した上で、(幅)２００ｍｍ×(高さ)
      １３００ｍｍの大型の窓をかご及びホールの戸に設けました。
（５）２方向出入口のレイアウトも対応可能
　　　例えば、１階では正面から乗り、２階で反対側の背面から降りるなどの２方
      向出入口仕様にも対応できます。そのため、建物設計の自由度が高まり、使
      いやすさが向上します。
　


                                                     以　上