日立製作所は、地方銀行15行と共同でインターネットを利用したバンキングサ
ービスの実証実験を平成9年10月20日より開始します。実験システムは、当社
が株式会社富士銀行と共同開発したe-debit仕様に基づいた銀行決済プロトコル
(SECE単一銀行モデル)を採用したシステムで、平成10年9月まで1年間実
験する予定です。
金融業界では、インターネットを利用したバンキングサービスの提供を重要視し
ており、新サービスの開発や業務運用、システム構築に関わるノウハウ蓄積のため
の実験が都市銀行を中心に開始されています。
これまで当社では、日本版ビッグバンなど金融業界の新しい情報化ニーズに対応
した情報事業としてインターネットバンキングシステムを位置付け、平成9年7月
からは「日立インターネットバンキング地銀共同トライアル研究会」を開催し、実
験内容、検討項目及びスケジュールなどを検討してきました。今回、地方銀行にお
ける共同利用型の実験を企画して社団法人全国地方銀行協会を通じて提案し、15
行参加による共同実験を開始します。
今回の実験は、消費者が振込を行う際や買物する際の個人認証や決済について検
討するもので、バーチャルモール認証書発行(平成9年10月〜平成10年9月)、
資金移動(平成10年1月〜平成10年9月)、購買連動決済(平成10年4月〜
平成10年9月)の3つのステップに分かれます。各ステップごとに利用者や加盟
店の利便性、約款等責務分担や、銀行内の業務運用方式などの検証を行います。ま
た、利用者の本人確認は、本年10月1日より営業開始した日本認証サービス株式
会社を利用します。
実験では、当社が株式会社富士銀行と共同開発したe-debit仕様に基づいた銀行
決済プロトコルを採用します。e-debitは、「SECE銀行取引プロトコルV1.0」
*の単一銀行モデルとして位置づけられており、既に株式会社富士銀行が本年3月
から実証実験を開始しています。
*SECE銀行取引プロトコルV1.0:クレジット支払いデファクトスタンダード
であるSETをベースに、SECE研究会(事務局:株式会社日立製作所、富士通
株式会社、日本電気株式会社)が策定したプロトコル。今年9月に仕様確定が発表
された。
実験では、当社のバーチャルモール「netspace Community」
を利用します。さらに、大日本印刷株式会社の「イーシーギャラクシー」の利用も
検討しており、複数のバーチャルモール、銀行間の相互接続における運用上の課題
抽出を行う予定です。既に株式会社富士銀行、株式会社住友銀行、株式会社三和銀
行がSECE仕様に基づくバーチャルモールの共同実験を発表していますが、今回
の地方銀行による共同実験の開始により、都市銀行グループ、地方銀行グループと
も同様の仕様をサポートすることとなり、商用化の際の早期相互接続に向けての条
件が整います。
当社では、第二地銀協加盟地銀業界においても、地方銀行と同様の実証実験を計
画しています。これらの実験を通じてシステムノウハウの蓄積を図ることにより、
アプリケーションパッケージの提供など、商用化時における本格ビジネスへと展開
していきます。
<他社商標>
イーシーギャラクシーは、大日本印刷株式会社の登録商標です。
G-squareは、日本電信電話株式会社の登録商標です。
メディアギャラクシーは、大日本印刷株式会社の登録商標です。
地方銀行インターネットバンキング実証実験参加行一覧
(銀行コード順)
銀行名 本店所在地
1 みちのく銀行 青森市
2 七十七銀行 仙台市
3 常陽銀行 水戸市
4 千葉銀行 千葉市
5 千葉興業銀行 千葉市
6 東京都民銀行 東京都
7 横浜銀行 横浜市
8 滋賀銀行 大津市
9 京都銀行 京都市
10 広島銀行 広島市
11 伊予銀行 松山市
12 福岡銀行 福岡市
13 鹿児島銀行 鹿児島市
14 沖縄銀行 那覇市
15 西日本銀行 福岡市
以 上
|