日立製作所は、この度、業務用途向けに、VGAと比較して2.5倍以上の画素
数を有するXGA対応の41型高精細カラープラズマディスプレイ(アスペクト比
4:3)を開発しました。
本カラープラズマディスプレイ(試作機)は、世界で初めて、高精細XGA対応で
の大画面化を実現したものです。
カラープラズマディスプレイは、大画面を薄型・軽量で実現できる新しいディス
プレイとしてニーズが増大してきており、近年のマルチメディア化の潮流の中にあ
って、一層の高精細化が望まれています。
カラープラズマディスプレイの用途としては、公共施設、交通機関、流通業など
人の集まる場所での電子情報サービスの表示用として業務用主体に推移しています。
金融、医療、製造業などにも広がりつつあり、画面の大型化、高精細化とともに大
型監視制御盤、プレゼンテーションルーム、大講堂マルチメディア教育用ディスプ
レイなどの新たな応用分野への拡大も期待できます。
当社は、XGA対応の25型高精細カラープラズマディスプレイ
「HIPLASMA」(CMP250X-J)を本年12月1日からサンプル出荷する予定で、
今回の41型試作機は、さらなる大画面高精細化のニーズに対応するため、開発し
たものです。
本試作機は、業務用途のディスプレイ市場に向けて、大型CRTモニタより、さ
らに一回り大型の41型という大画面を実現するとともに、画素数がVGA(640×
480画素)の2.5倍以上のXGA(1,024×768画素:236万ドット)の表示を可能
とし、カラープラズマディスプレイの大画面、高精細化を図りました。41型とい
う大画面で、奥行きが15cmの薄型化、重さ約37kgの軽量化を達成し、広視野
角はそのままに、高輝度、高コントラストを実現しました。
また、入力信号としては、パソコン信号のXGA、SVGA、VGAを自動的に
判別して再生するマルチスキャン対応とし、さらにビデオ信号も表示できます。
今後は、マルチメディア化の進む家庭用のテレビについても、40型以上のワイ
ド大画面化への展開を図っていきます。
なお、本試作機は、幕張メッセにおいて開催の「エレクトロニクスショー‘97」
に参考出品します。
*当社はPDP開発協議会のメンバーとして、発足当時よりPDPの基盤技術の開
発に協力しています。
<開発ポイント>
1.XGA対応41型カラープラズマディスプレイパネル
ドットピッチ0.27mm、RGB画素ピッチ0.81mmの微細構造により、
41型でXGA(1,024×768画素)表示を実現。
2.高コントラスト
予備放電の回数低減により、300:1以上という高コントラスト(周囲光無)
を実現し、鮮明な黒色表示が可能で、高精細かつ切れの良い表示を実現。
3.大画面対応高速駆動回路
駆動能力を倍増したIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)出力
のスキャンドライブICにより、大面積高速駆動を実現。
4.マルチスキャン対応
マルチスキャンコンバータLSIの開発により、パソコン信号のXGA、
SVGA、VGAを自動的に判別して表示することが可能で、さらにビデオ
信号も表示可能。
*VGA及びXGAは、米国IBMCorp.の登録商標です。
<試作機の主な仕様>
項 目 仕 様
有効画面寸法:(幅)829mm×(高さ)622mm (対角1,036mm)(アスペクト比4:3)
画素数:(水平)1,024×(垂直)768 (XGA)
ドット数:236万ドット(1,024×3×768)
ドットピッチ:(水平):0.27mm (垂直):0.81mm
ピーク輝度: 250cd/m2
コントラスト比: 300:1以上 (周囲光無)
表示色(階調数): 26万色(64階調)
視野角:160度
外形寸法: (幅)976mm×(高さ)796mm×(奥行き)150mm (スタンド除く)
質量(重さ): 約37kg (電源内蔵) (スタンド除く)
定格入力電圧: AC100V 50/60Hz
以 上
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