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News Release

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平成9年9月24日

32ビットRISCプロセッサ「SH-3シリーズ」の上位機種として、100MIPSの高性能を実現した「SH7708R」、「SH7718R」を製品化

−携帯情報機器やマルチメディア機器向けに、 高性能/低消費電力を実現した「SH7708R」と、さらに浮動小数点演算機能を追加した「SH7718R」を市場投入−

 日立製作所は、このたび、携帯情報機器やマルチメディア機器に適した32ビット
RISCプロセッサ「SH-3(SH7700シリーズ)」の上位機種として、100MIPSの高性能と
低消費電力を実現した「SH7708R」と、さらにグラフィック処理用の座標計算など
の高精度演算に対応する浮動小数点演算機能を追加した「SH7718R」を製品化し、
平成9年12月よりサンプル出荷を開始します。

 「SH-3(SH7700シリーズ)」は、32ビットRISCマイコン「SuperH(TM) RISC
engineファミリ(注1)(以下、SuperHファミリ)」において、携帯情報機器やマルチ
メディア機器用途向けに高性能/低消費電力を追求したプロセッサです。平成7年
3月に60MIPSの「SH7708」、45MIPSの「SH7702」を製品化して以来、成長著しい携
帯情報端末やカーナビゲーション、デジタルカメラ等のマルチメディア機器に数多
く採用されています。
 一方、昨年米国マイクロソフト社から携帯情報機器や各種マルチメディア機器を
ターゲットに製品化された「WindowsR CE(注2)」の登場により、携帯情報機器など
の使い勝手は飛躍的に向上するものと期待されています。「SH7708」は、
「WindowsR CE」に対応し、OSをサポートするためのメモリ管理機構(MMU)を内蔵、
パワーマネジメント機構により消費電力のきめ細やかな制御を実現しています。ま
た、「SH7708」の消費電力をさらに低減した60MIPSの「SH7708S」や、80MIPSを実
現した「SH7709」も製品化し、ユーザの多様なニーズに対応してきました。

 今回製品化した「SH7708R」、「SH7718R」は、動作周波数100MHzで100MIPSの性
能を実現し、8kバイトのキャッシュを内蔵しています。さらに、従来の「SH7708」
と同様に、16ビット固定長命令という高いコード効率により、システムにおける
ROM搭載容量を低減できます。
 また、バス周波数とCPU周波数、内蔵周辺周波数の比をプログラムで切り替える
ことができる上、スリープ、スタンバイ、モジュールスタンバイなどの高機能なパ
ワーマネジメント機構を搭載しており、機器の動作モードに合わせたきめ細かいパ
ワーマネジメントが可能です。
 さらに、外部バス周波数の3倍でCPUを動作させる3逓倍機能を追加したことで、
低消費電力化が図れるとともに、従来のシステムを変更することなく、性能を向上
させることができます。例えば、従来CPU周波数60MHz、バス周波数30MHzで
「SH7708」を使用していたシステムでは、3逓倍機能を使用することにより、
「SH7708R」へのチップ交換以外は、ハードウェアを変更することなく、CPU周波数
90MHz、バス周波数30MHzのシステムにアップグレードすることが可能です。

 さらに、「SH7718R」では、新たに浮動小数点演算機能をサポートしました。浮
動小数点は、ダイナミックレンジの広い数値を、精度良く表現するために使用され
る表現法で、最近ではグラフィック処理のための座標計算や精度が要求される機器
制御等の分野において、浮動小数点演算機能が必要とされています。
 本製品で内蔵した浮動小数点演算機能は、IEEE-754仕様(注3)に準拠しています。
また、コンシューマ向けに、低コストで高速の浮動小数点を提供するため、単精度
の浮動小数点のみをサポートしました。これにより、FDIV(除算)、FSQRT(注4)を
除くすべての浮動小数点演算を1クロックで実行可能です。グラフィック応用や信
号処理で頻繁に使用される積和演算(FMAC命令)を1クロックで実行することができ
るため、100MHz時に浮動小数点のピーク性能で200MFLOPS(注5)を実現できます。

 また、「SH7708R」、「SH7718R」は、CPU以外の機能として、メモリ保護や仮想
記憶をサポートするOSを搭載する場合に必須であるMMUの他、32ビット乗算器、32
ビットタイマ、リアルタイムクロック、シリアルコミュニケーションインタフェー
ス(SCI)、PCMCIAカードやシンクロナスDRAM等の各種メモリ直結インタフェースな
どを内蔵しています。なお、パッケージはLQFP144ピンを採用しています。
 また、従来のSuperHファミリと完全なソフト上位互換性を持っており、
「SH7708」とはピン互換になっています。そのため、ユーザは従来のハードウェア、
ソフトウェア財産を再利用でき、早期のシステム開発が可能です。

 今後は、「SH-3シリーズ」では、高性能品や周辺機能変更品など、製品バリエー
ションの拡充を図っていきます。また、SuperHファミリでは、スーパースカラ構成
のCPUを搭載し、300MIPSを目指す「SH-4」を製品化する予定です。

(注1)SuperH(TM):SuperHは(株)日立製作所の商標です。
(注2)Windows(R):Windowsは、米国マイクロソフト社の米国およびその他の米国
     における登録商標です。
(注3)IEEE-754仕様:IEEE(Institute of Electrical and Electronics 
     Engineers,Inc.(米国電気電子技術者協会))が規格化した浮動小数点につい
     ての仕様。
(注4)FSQRT:浮動小数点の平方根の演算。
(注5)FLOPS:Floating-point operations per secondの略で、科学技術計算での
     性能を表わす指標。
   1秒間に実行可能な浮動小数点演算の回数で表現する。200MFLOPSでは1秒間に
     2億回の浮動小数点演算が実行できる。

<応用機器>
(情報/OA機器)
 PDA、ハンドヘルドPC、LBP、FAX/モデム、ファイル制御
(民生)
 ゲーム等のアミューズメント機器、マルチメディア機器、セットトップボックス
(産業/自動車)
 FA/ロボット、カーナビゲーション、計測器

<価 格>
         製 品 名                 1万個ロット時の価格(円/個)
SH7708R(HD6417708R)       2,200
SH7718R(HD6417718R)       2,500




                                                    以 上


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