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News Release

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平成9年9月9日

4.7GB DVD−RAMの基本技術を開発

  日立製作所はディスク片面4.7GBの記録容量をもつDVD−RAM(書換可
能なDVD)の基本技術を開発し、基本動作を確認しました。片面4.7GBの記
憶容量を実現するために、媒体の信号対雑音比(S/N)を大幅に高めるとともに、
高精度な記録技術を開発したことにより、高密度化を図りました。既に規格合意さ
れている2.6GB DVD−RAMのフォーマットを継承しているため、2.6GB
DVD−RAM及び4.7GB DVD−ROMとの基本的な互換性を確保していま
す。

  次世代マルチメディアの映像・情報記録媒体であるDVDは、映像、音楽、コン
ピュータ等様々な応用が可能であり、映像再生用のDVDビデオ、コンピュータ用
のDVD−ROMの登場によって、市場が立上り始めています。DVDファミリー
には、統一的な映像・情報インフラとしての大きな期待がかけられており、大容量
のDVD−RAMに対しても、他のDVDファミリーとの相互互換性は必要不可欠
です。

  当社では、DVD事業について、業界に先駆けて昨年6月に標準速DVD−
ROMドライブを、本年3月に2倍速DVD−ROMドライブをサンプル出荷する
とともに、本年6月にはDVD−RAMを世界で初めてサンプル出荷するなど、常
に積極的な取り組みを行ってきました。また、DVDフォーラムにおいては、
DVD−RAMワーキンググループの主査として幅広いユーザーの意見を取り入れ
ながら、規格統一の中心的な役割を果たしています。

  今回の技術開発においては、再生装置に新たな負担をかけない大容量化を目指し
ました。物理的なフォーマット(ディスク面上の情報マークの配列を決める規定)
として、2.6GB DVD−RAMのフォーマットを継承し、トラックピッチとビ
ットピッチをそれぞれ詰めました(*1)。再生信号の特性に深く関わるビットピ
ッチはDVD−ROMと同程度にまで詰め、ランド・グルーブ構造の特性が活かせ
るトラックピッチの方をDVD−ROM以上に詰めています。


  これらの記録再生条件を満たすため、今回開発した技術は以下の通りです。
(1) ハイコントラスト媒体の開発により、再生信号S/Nが大幅に改善され、
       高密度記録時でも高いデータ信頼性を維持することが可能となりました。
       ハイコントラスト媒体とは、コントラスト強調層(*2)と熱緩衝層
      (*3)の導入により、「再生信号の高S/N化」とデータ書換時に重要な
      「熱吸収一定化」とを初めて両立させた媒体です。
(2) 適応型記録波形制御(*4)の開発により、光スポットサイズよりも遥か
       に小さな記録マークも正確に形成することが可能となりました。

  以上の技術開発により、いずれのDVDドライブでも再生可能となる4.7GB 
DVD−RAMの基本技術を確立しました。本技術をもとに、本年秋スタートの
4.7GB DVD−RAMの規格化に積極的に貢献していく予定です。

【補足説明】
(※1)今回開発したDVD-RAM技術の主な仕様
項目2.6GB DVD−RAM4.7GB DVD−RAM4.7GB DVD-ROM
(本開発)
直径120 mm
基板厚0.6 mm x 2
記録膜相変化型記録膜
記録・再生650 nm650/ 635 nm
レーザ波長
レンズ開口数0.6
記録ビット長0.41 - 0.43μm0.28 - 0.30μm0.27μm
記録トラック幅0.74 μm0.59 μm0.74 μm
トラックウォブルランドスパイラルピットフォーマット
グルーブ方式列方式
物理アドレスピット
変調符号8/16,RLL(2,10)
セクタ長2048バイト
エラー訂正16セクタ
ブロック長
エラー訂正符号リードソロモン積符号
記録方式ZCLVCLV
(*2)コントラスト強調層
  コントラスト強調層の開発により、従来は50%程度であったコントラスト(記
  録部と未記録部との反射率差)を、4.7GB DVD-ROMのコントラストを超える
  80%程度まで高めることができました。この結果として再生信号の大幅な高
  S/N化が可能となりました。

(*3)熱緩衝層
  相変化記録は、媒体を急冷してアモルファス化したり、徐冷して結晶化したりす
  ることによりデータの記録を行っています。そのため、正確にオーバーライトす
  るためには、記録膜の温度制御の正確さが鍵となります。今回、熱緩衝層を新た
  に付加することにより、オーバーライトする前の記録状態にかかわらず、記録膜
  では一定の熱吸収条件が実現できるようになりました。

(*4)適応型記録波形制御
  記録マークとその前後のスペース長に応じてレーザのパワーとパルス幅を変え、
  熱の冷却過程を常に一定にして正確なマークを形成する技術。



                                                         以  上



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