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News Release

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平成9年5月29日

平成8年度の業績概要と平成9年度の見通し

[平成8年度の業績概要]
  平成8年度のわが国経済は、情報化、グローバル化に向けた経済、社会の構造変
革のうねりの中で、情報通信分野を中心に民間設備投資が増加し、明るい兆しは見
えてきましたが、先行きに対する不透明感もあり、全体としては依然として厳しい
状況の下に推移しました。

 このような経営環境下において、当社は、「グループ制」の徹底を図り、市場の
変化に即応できる事業体質の確立を急ぐとともに、新事業の立上げに取り組みまし
た。
 製品戦略の面では、当社の総合力と先端技術を結集して、未来を担う新製品、サ
ービスの市場開拓に努めました。まず、32ビットマイコン「SuperHファミリ」は、
マルチメディア分野の世界標準マイコンに向けて着実に成長しました。また、独自
方式により広い視野角を実現したスーパーTFTカラー液晶ディスプレイについて
は増産体制の整備を急ぐとともに、世界中で実験が進む電子商取引システムについ
ても、他社に先駆けた取組みが功を奏し、順調に伸長しています。
 また、国際活動の面では、各地域における市場に密着した事業展開を図るために、
北米、欧州、アジア、中国の世界の四大市場における地域統括機能を充実させると
ともに、半導体分野において新たに製造拠点を設けました。
 さらに、製品のコスト競争力を格段に向上させるべく、連結ベースで見た原価の
低減や、資金効率の向上、適正な人員配置に徹するとともに、既存の業務・諸制度
を点検し、軽量かつ効率的な経営体質の実現に努めました。

 この結果、当社の平成8年度の売上高は、全部門で前年度を上回り、全体でも前
年度を4%上回る4兆3,107億円となりました。
  部門別状況としましては、情報・エレクトロニクス部門では、情報通信分野を中
心に好調に推移し、前年を上回りました。コンピュータは、大形汎用機「MP5800」
が海外を中心に売上が増大し、ソフト・サービス事業も伸長しました。通信機器に
ついても、活発なISDN関連投資を受けて、デジタル交換機を中心に大幅に増加
しました。また、ディスプレイでは、TFTカラー液晶ディスプレイを中心に前年
度を大幅に上回りました。これに対し、半導体については、32ビットマイコン
「SuperHファミリ」は順調に伸長しましたが、メモリの需給バランスの悪化による
予想を上回る価格下落で厳しい状況に立ち至りました。
 電力システム部門は、原子力の大口プラントの発送により、また産業システム部
門もプラント関連で輸出が好調に推移し、ともに前年度を上回りました。交通シス
テム部門についても、車両の売上が増加し、自動車機器も米国向けを中心に輸出が
好調に推移し、部門全体でも前年度を上回りました。
 家庭電器部門は、製販一体の体制が浸透して、冷蔵庫「野菜中心蔵」を中心にヒ
ット商品が生まれ、エアコンも引続き堅調に推移し、前年度を上回ることができま
した。
 また、連結ベースの売上高は、海外売上高がコンピュータの好調、海外事業の拡
大により大幅に増加し、全体でも前年度比5%増の8兆5,231億円となりました。

 利益面では、半導体の価格下落が大きく影響し、経常利益は前年度を35%下回
る843億円にとどまりました。一方、当期利益は、半導体の製造用機械装置に係
る臨時の償却額等を特別損失に計上し、株式売却益を特別利益に計上した結果、
580億円と前年度を19%下回りました。
  また、連結ベースでは、家庭電器部門の収益改善が進み、6年ぶりに黒字化を果
たしましたが、半導体の市況悪化の影響を受け、税引前当期利益は前年度比24%
減の2,633億円、当期利益は同38%減の883億円となりました。

[平成9年度の見通し]
 今後の経営環境を見ますと、当面の景気は、個人消費の減速が懸念されており、
力強い回復は期待できない中で、わが国の経済全体が、規制緩和、行財政改革など、
本格的な競争社会の到来に向けて大きな変革の時期を迎えています。
  当社としては、今をさらなる飛躍の好機ととらえ、全世界で市場主義の一層の徹
底を図るとともに、事業活動のスピードアップを図り、業績の確保に努めていきま
す。

現時点での平成9年度の業績見通しは、以下の通りです。
[単独決算の見通し]

     売  上  高  4兆3,500億円(前年度比 101%)
     経 常 利 益    1,100億円(前年度比 130%)
     当 期 利 益      750億円(前年度比 129%)

[連結決算の見通し]

     売  上  高  8兆6,200億円(前年度比 101%)
     税引前当期利益    3,100億円(前年度比 118%)
     当 期 利 益    1,050億円(前年度比 119%)


配  当  政  策
  当社は、株主の長期的かつ総合的な利益の拡大を重要な経営目標と位置付けてい
ます。
  情報・エレクトロニクスをはじめとする当社の主力部門が属する産業分野では、
技術革新や市場構造の変化が急速に進展しており、市場競争力を確保し、収益の向
上を図っていくためには、設備投資、研究開発等の積極的先行投資が必須です。
  株主に対する配当につきましても、中長期的な事業計画に基づく投資を実行する
ための内部資金の確保と、配当の安定的な成長を念頭に、財政状態、利益水準及び
配当性向等を総合的に勘案して実施することとしています。
  以上の方針に基づき、当期におきましては、中間期に1株当り5円50銭の中間
配当を実施し、期末配当も中間配当同様、1株当り5円50銭の提案を株主総会に
付議します。この結果、当年度の年間配当は前年度と同様に1株当り11円となり、
配当性向は63.2%、株主資本配当率は2.2%となります。
  内部留保資金は、情報・エレクトロニクスを中心とした今後とも高い成長が見込
まれる部門への設備投資やその他の長期資金需要を賄う原資とし、今後の事業展開
に活用していく予定です。


役  員  の  異  動
  役員改選案(6月27日付)については、平成9年4月25日に発表しました。

                                  以  上


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