平成9年4月9日 携帯情報機器向けに低消費電力を実現した液晶ドライバチップセットを製品化−当社従来品と比較して消費電力を30%低減し、ディスプレイ表示品質も向上−
チップセットは、セグメントドライバ(注1)とコモンドライバ(注2)で構成され ます。今回は、フレームメモリを内蔵することで、部品点数の削減とさらなる低消 費電力化が可能な「HD66522(セグメントドライバ)」「HD66523(コモ ンドライバ)」と、多出力タイプで、640×480ドットの液晶ディスプレイを各 々2個の計4チップで表示可能な「HD66130(セグメントドライバ)」 「HD66131(コモンドライバ)」の2セットを製品化しました。 液晶ディスプレイは、軽量、薄型、低消費電力などの特徴を生かして、携帯情報 機器の表示システムとして幅広く使用されています。また、携帯情報機器では、高 速化やさらなる低消費電力化、大画面化が求められており、液晶ドライバでは、大 画面化に対応しつつ、低消費電力化を実現することが重要となってきました。 現在、当社では、このようなニーズに対応するため、液晶ドライバチップセット 「HD66120T(セグメントドライバ)」「HD66115T(コモンドライバ)」 などを量産しています。 そして今回、320×240ドットから640×480ドットまでの中型液晶デ ィスプレイに適した液晶ドライバセットとして、液晶を低電圧で駆動できる新しい 駆動方式の採用により、当社従来品と比較し、消費電力を30%低減でき、同時に 波形ひずみを小さくするなど表示品質を向上可能とした液晶ドライバチップセット 「HD66522」「HD66523」、および「HD66130」 「HD66131」の2セットを製品化しました。
チップセット「HD66522」「HD66523」は、フレームメモリ内蔵タ
イプのため、表示データ転送を行うためのコントローラ・メモリが不要で、部品点
数の削減を実現しています。さらに、新しい駆動方式を採用したことで、当社従来
のフレームメモリ内蔵製品に比べ30%、フレームメモリを内蔵しない製品と比べ
表示システム全体で約70%の消費電力の低減が可能です。 チップセット「HD66130」「HD66131」は、多出力のドライバで、 セグメントドライバ「HD66130」は液晶駆動出力を320持っているため、 コモンドライバ「HD66131」と組み合わせると320×240ドットの液晶 ディスプレイは各々1個の計2チップで、640×480ドットでも各々2個の計 4チップで実現できるなど、部品点数の大幅削減が可能です。また、従来駆動方式 のドライバとインタフェースが共通なため、従来方式との置き換えが容易です。 なお、パッケージはTCP(Tape Carrier Package)を採用しており、軽量かつ 額縁面積の狭いコンパクトな液晶ディスプレイが実現できます。 今後の展開としては、表示可能階調数を増やすとともに、反射型カラーだけでな く低消費電力型の透過カラー表示への対応を行っていきます。
(注1)セグメントドライバ:カラムドライバ又はデータドライバとも言う。通常、液晶ディスプレイの上下 に取り付けられ、表示データの出力を行なう。 (注2)コモンドライバ:ロウドライバまたはラインドライバとも言う。通常、液晶ディスプレイの左または右側のどちらか一方に取り付けられ、ライン選択を行なう。 <応用製品例> ●ハンドヘルドPCやPDAなどの携帯情報機器 ●高機能携帯電話(情報機器との複合機など) <価 格> 製 品 名 サンプル価格(円) HD66522TA0 1,200 HD66523TA0 1,400 HD66130TA0 900 HD66131TA0 1,300 以 上 All Rights Reserved, Copyright (C) 1997, Hitachi, Ltd. |