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News Release

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平成9年4月8日

日立と米国メンター・グラフィックス社が協力し、SuperH(TM)マイコンの開発環境を強化

-世界規模でハード/ソフトのコベリフィケーション・ツールのサポートを開始-

株式会社日立製作所 メンター・グラフィックス・コーポレーション

 日立製作所(日立)と米国メンター・グラフィックス・コーポレーション(メンター 社)は、このたび両社協力のもと、日立32ビットRISCプロセッサ「SuperH RISC engineファミリ(SuperHファミリ)」の開発環境の強化に取り組みます。
 両社は、メンター社のハード/ソフトのコベリフィケーション・ツール 「Seamless CVE(TM)」のSuperHファミリ用のサポート・モデルを共同で開発し、 SuperHファミリのユーザに対し、ハード/ソフトのコベリフィケーション環境を提 供します。今回の開発モデルは、SuperHファミリのうち「SH-1」、「SH-2」、 「SH-3」をサポートします。
 本ツールを採用することで、ハードウェアの試作以前の段階から、ハードウェア およびソフトウェアのデバッグが行えるため、SuperHファミリを搭載したマルチメ ディア機器などの開発期間の短縮、開発リスクの低減などが図れます。

 マイコンを搭載した各種電子機器では、機器メーカ側がマイコンの周辺回路(ハー ドウェア)の設計と、マイコンやその周辺回路で実行されるソフトウェアの開発を行 うことで、メーカ独自の仕様、機能を実現しています。ハードウェア設計とソフト ウェア開発は、本来1つの製品開発であるべきですが、従来はハードウェアのプロ トタイプが完成するまで、個別に行われており、作業途中で相互に影響する部分を チェック出来ないなど効率が悪く、開発効率の向上が課題でした。

 メンター社の「Seamless CVE」は、ハードウェア記述言語であるVHDLとVerilog- HDL双方をサポートし、検証のスピードと精度のトレードオフを行なうことのできる 業界唯一のツールです。
「Seamless CVE」を用いることで、ハードウェア設計者はEDA(電子系CAD)ソフトウ ェアで作成した設計データからコンピュータ上にハードウェアの仮想プロトタイプを 作り、そのプロトタイプ上でソフトウェアを実行させることで、2つの設計が相互に 正しく行われているかを検証できます。修正が容易な開発初期の段階から統合検証/ デバッグを行うことで、開発期間の大幅な短縮が図れます。

 「Seamless CVE」では、仮想プロトタイプ上でマイコンの動作を正確に再現する ため、マイコンの特性をモデル化したサポート・モデル(プロセッサ・サポート・ パッケージ)が必要です。
そこで今回、日本メーカのプロセッサとしては初めて、日立のSuperHファミリを サポートしました。

 日立のSuperHファミリは、1992年に第一弾の「SH-1」を発表以来、「SH-2」、 「SH-3」、「SH-DSP」の4種類のCPUコアによる14品種を製品化しています。マル チメディア機器を始めとした各種先端分野をターゲットに、高速処理、低消費電力、 高いコード効率、DSP機能搭載、RISCタイプ初のシングルチップ化など数々の新機軸 を打ち出し、業界をリードしています。  現在は、ハンドヘルドPCやカーナビゲーション、デジタルスチルカメラ、アミュ ーズメント機器など、産業、民生、情報と多岐にわたる分野で採用され、好評を博 しています。

 今回のサポートにより、SuperHファミリユーザは、周辺ハードウェアとエンベデ ッド・ソフトウェアを同期して検証することが可能となり、各種マルチメディア機 器の開発効率の向上が図れます。
 また、全世界にサポート拠点を持ち、EDAツールの販売で豊富な実績を持つメン ター社と、組み込み用RISCマイコンで高いシェアを持つ日立が協力することで、両 社製品の販売拡大を図ります。

 なお、「SH-1」、「SH-2」、「SH-3」のサポート開始時期は1997年第2四半期を 予定しており、今後、その他のSuperHファミリについても順次サポートを予定して います。

<「Seamless CVE」について>
 「Seamless CVE」は、ソフトウェア開発用のインストラクション・セット・シミ ュレータとハードウェア設計用の論理シミュレータを同期させるソフトウェアで、 ソフトウェア側はC言語、アセンブラに、ハードウェア側はハードウェア記述言語V HDL、Verilog-HDLなどに対応しています。
 採用されているシミュレータは、インストラクション・セット・シミュレータが マイクロテック社製XRAY、ハードウェアはメンター社製QuickHDL、QuickSim II、 SimExpress、QuickHDL-XLC、ケイデンス・デザイン・システムズ社製Verilog-XL、 Leapflogなどです。
 また、「Seamless CVE」は、機能実行速度と検証精度を自在にコントロールし、 MPUを含むシステム全体に対するシミュレーション・スピードを最大10,000命令/秒 まで上げることが可能です。
これにより、ハード/ソフト双方のエンジニアが利用可能な性能を提供します。

<注釈および商標>
*SuperH(TM)は、(株)日立製作所の商標です。
*Seamless CVE(TM)は、メンター・グラフィックス・コーポレーションの商標です。
*ハードウェア/ソフトウェア・コベリフィケーション(統合検証):システム開発
  において、プロトタイプ作成以前に、ハードウェアとソフト   ウェアで実現する
  部分が協調して働き、仕様を満たしているかどうか   を、シミュレータを用いて、
  ハードウェア設計とソフトウェア設計を統 合させて検証すること。

<日立製作所概要>
 会社名:株式会社 日立製作所
 資本金:2,786億円/1996年9月末現在
 代表者:金井 務(取締役社長)
 本社所在地:東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地
 従業員数:75,185人/1996年9月末現在

<メンター・グラフックス・コーポレーション概要>
 会社名:Mentor Graphics Corporation
 代表者:Walden C. Rhines(ウォールデン・C・ラインズ、President and CEO)
 本社所在地:8005 S.W. Boeckman Road, Wilsonville, Oregon 
             97070-7777, U.S.A.
 従業員数:約2,500名(全世界)

以 上


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