| HITACHI HOME | UP | SEARCH | HITACHI

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。

                                                  平成8年8月21日
                                 

移動体通信機器向けとして、12桁4行表示の液晶パネルと
操作キーパネルの制御を1チップで実現した液晶コントローラ
ドライバを製品化

 

−12桁4行の豊富な表示と、キースキャン機能内蔵による
             システムの小型化・低消費電力化を実現−

 日立製作所は、このたび、デジタル携帯電話やPHS(簡易型携帯電話)
などの移動体通信機器向けの液晶表示システム用として、12桁4行表示
の液晶パネルと操作キーパネルを1チップで制御できるドットマトリクス
型 注1)キャラクタ表示用液晶コントローラドライバを製品化しました。
12桁4行の液晶コントローラドライバとしては、業界で初めてキースキ
ャン機能を内蔵しており、豊富なパネル表示とともにシステムの小型化、
低消費電力化を実現できます。
 本製品は、実装形態により、「HCD66727(チップ品)」、
「HCD66727BP(バンプ付きチップ品 注2)」、および「HD66727T
(TCP品 注3)」の3品種があり、ともに平成8年10月からサンプル
出荷を開始します。
 携帯電話やPHS、デジタルコードレス電話、ページャなどの移動体
通信機器では、市場の急成長に伴って、さらなる低消費電力化、多機能
化、小型軽量化および低コスト化を徹底的に追求しています。しかし、
これらの移動体通信機器の小型液晶表示パネルは、多機能化や高付加価
値化に伴って、より大きな画面になる傾向にあり、低消費電力化や小型
軽量化、低コスト化は難しくなってきています。
 この相反する要求課題を同時に解決するため、液晶パネルを駆動する
液晶コントローラドライバ自体の低消費電力化に加え、従来はマイコン
で制御していたキースキャン回路などの操作パネル部の全周辺機能を
1チップに内蔵した液晶コントローラドライバが求められています。
 当社では、これまでにドットマトリクス型キャラクタ表示用液晶コン
トローラドライバとして、液晶表示制御回路をはじめ、表示RAM、キ
ャラクタジェネレータ、液晶ドライバを1チップに収めたLCD-IIシリ
ーズを製品化しており、20桁2行表示用の「HD66702」や12桁4行表
示用低消費電力の「HD66717」を量産しています。また、すでに5×6個
のキースキャン機能を内蔵した8桁2行表示用「HD66720」も量産し、市
場ニーズに対応してきました。
 そして今回、12桁4行のより大きな表示パネルに対応し、さらに低消
費電力化を図った4×8個のキースキャン機能内蔵ドットマトリクス型キ
ャラクタ表示用液晶コントローラドライバ「HCD66727(チップ品)」、
「HCD66727BP(バンプ付きチップ品)」および「HD66727T(TCP品)」
を製品化しました。
 本製品は、低消費電力化対応の液晶コントローラドライバに、キースキャ
ン制御回路、LED・バックライト制御回路等を内蔵しており、1チップで最
大12桁4行までのドットマトリクスキャラクタ表示と4×8個のキーマト
リクス制御(計32キー)、さらに6個のLEDまたはバックライトを制御
することができます。
 また、マイコンとのインタフェース用にクロック同期式シリアルインタフ
ェースおよびI2Cバス 注4)インタフェース機能を内蔵しており、最少2
本の制御信号で液晶を含む操作パネル全体を制御できます。このため、部品
点数の削減やマイコンの入出力ポート数を20ポート以上削減できるなど、
システムの小型軽量化、低消費電力化、低コスト化が図れます。
 一方、液晶表示システムの低消費電力化の対応として、通常表示動作時に
おいては、機能ブロック単位に不必要な動作クロックを停止させるイベント
ドリブン動作を液晶コントローラドライバ部に採用しています。また、「待
機中」などのマーク表示をロジック動作電源のみでスタテック駆動できる低
電圧アナウンシエータ表示 注5)機能、内部発振クロック停止機能(スタン
バイ機能)、液晶駆動電源オフ機能などを内蔵しているため、システムの動
作状態に応じたきめ細かなパワーマネージメントが可能です。
 このため、12桁4行のフル表示時に約350マイクロW(3V動作時)、
アナウンシエータ表示時に75マイクロW(3V動作時)、非表示時に約3
マイクロWと、液晶駆動電源系を含む液晶表示システムのトータル消費電力
を大幅に削減できます。
 実装方法としては、LCDガラスに直接フェースダウンで実装するCOG
注6)実装やフレキシブルフィルム基板上に同じくフェースダウンで実装する
COF注7)実装、実装プリント基板にワイヤボンディングで実装するCOB
注8)実装、LCDガラスとヒートシールを介して接続するTCP実装に対応し
ます。特にCOG実装時に実装するガラス面積を最小限に抑えるため、チップ
幅を2.89mmのスリム形状にしています。
 今後は、さらなる低消費電力化を推進するとともに、対応表示サイズのラ
インアップ化を予定しています。
注1)ドットマトリクス型:ドットマトリクス状の液晶パターンの各ドット
に対し、点灯・非点灯を制御してキャラクタパターンを表示する。英数字、
カナなど任意のキャラクタフォントを表示できる。
注2)バンプ付きチップ:アルミパッド部に金の突起電極(バンプ)を付
けたベアチップ。
注3)TCP(Tape Carrier Package):薄膜テープ上にチップをマウントし
たパッケージ。1mm厚以下の超薄型実装が可能。
注4)I2Cバス:オランダのPhilips社が開発した双方向シリアルバスシス
テムの規格。同規格に基く製品同士であれば、2本の配線で複数の周辺IC
間の相互データ転送や制御ができる。
注5)アナウンシエータ表示:メッセージ表示(フルドットの主表示)を
補助するため付加情報として「待機中」「受信」等のマークおよびパター
ンを表示する。
注6)COG(Chip On Glass):金バンプ付きチップをLCDガラス上に直接
フェースダウンで実装する方法。LCDモジュールの厚さをLCDガラスの厚
さまで薄くすることができる。
注7)COF(Chip On Film):金バンプ付きチップをフレキシブルフィルム
基板に直接フェースダウンで実装する方法。
注8)COB(Chip On Board):ベアチップをLCD基板上にワイヤボンディン
グで実装する方法。
<応用製品例>
 ●移動体通信機器:デジタル携帯電話、PHS、デジタルコードレス、
ページャなど
 ●簡易携帯端末:電子ウォレット、POSなど
 ●フロント操作パネル:LBP、PPCなど
<価 格>
製 品 名 出荷形態 実装形態 サンプル価格(円)
HCD66727   ベアチップ  COB 400
HCD66727BP 金バンプ付きチップ COG, COF 450
HD66727T   TCP   TCP 750
    以 上

All Rights Reserved, Copyright (C) 1996, Hitachi, Ltd.
WRITTEN BY Secretary's Office