株式会社日立製作所は、2001年度の日立グループの環境活動・実績を報告する「日立グループ環境報告書2002」を5月31日に発行しました。
2001年度実績においては、日立グループの環境活動レベル向上を図るための制度、「GREEN 21」活動で、グリーンポイントの平均点の向上率(98年度比)は、日立製作所単独および関連会社(国内)で、目標の21%を超える37.2%という結果になりました。
また、2010年に向けた環境経営の方向性を示す環境ビジョンと、そのロードマップ「エコバリュープラン2010」を策定しました。
さらに今回、サステイナビリティの観点から重視されている社会的パフォーマンスのうち、従業員とのかかわり(人事、労働安全衛生)、社会貢献活動の記述を追加しました。
「日立グループ環境報告書2002」は、日本語版15,000部、英語版3,000部(7月中旬予定)を発行するほか、インターネットにも詳細データと合わせて掲載します。(http://greenweb.hitachi.co.jp/)
日立グループでは、今回の環境ビジョンをもとに、環境活動への取り組みをより一層強化します。
■日立グループ「環境ビジョン」と「エコバリュープラン2010」
1.日立グループ「環境ビジョン:グリーンコンパス」
日立グループでは、2010年に向けての環境経営の羅針盤「環境ビジョン:グリーンコンパス」を策定しました。
日立グループは、自然と調和した企業コミュニティと、循環型社会への新たな道を開拓します。次なる世代のためにも、よき地球市民として活動を強化するともに、製品・サービス・技術を
通じて、革新的な新しいビジネスモデルを社会に提唱し、積極的に4つの方向に取り組んでいきます。
E:エコマインド&マネジメント |
|
・ 持続可能な企業活動を促進するマネジメント強化 |
|
・ 社員とその家族の高いエコマインドの醸成 |
N:エコプロダクツ&エコファクトリー |
|
・ 製品・サービスの環境配慮による資源生産性の向上 |
|
・ エネルギー・資源の循環的利用 |
W:ステークホルダーとの共創 |
|
・ 徹底した情報開示 |
|
・ ステークホルダーとの積極的なコラボレーション |
S:サステイナブルビジネスモデル |
|
・ サステイナブルビジネスモデルの拡大 |
|
・ 負荷低減ビジネスの事業化拡大 |
2.「エコバリュープラン2010」
「エコバリュープラン2010」は、日立グループ環境ビジョンを実現するためのロードマップです。この中で、従来の行動計画に以下の新規行動計画を追加しました。今後、「エコバリュープラン2010」に、各種の具体的指標を付加していきます。
(1) |
RoHS*1対象電気電子機器について、六価クロム、鉛、カドミウム、水銀、PBB*2、
PBDE*3を2005年度までに全廃します |
*1RoHS:EU「電気電子機器の中の、特定有害物質の使用制限指令」(案) |
*2PBB:ポリ塩化ビフェニール類 |
*3PBDE:ポリ臭化ジフェニルエーテル |
(2) |
廃棄物・有価物発生量の抑制について、各サイト毎に2005年度に向けた目標値を
設定し、計画的に削減していきます。 |
(3) |
化学物質の排出量削減について以下の目標値達成に向けて取り組んでいきます。 |
・ 2005年度までに「禁止物質」を全廃します。 |
・ 2003年度までに化学物質排出量を15%削減(基準年度:2000年度)します。 |
・ 2005年度までに化学物質排出量を30%削減(基準年度:2000年度)します。 |
■2001年度の主な環境活動結果
1.「GREEN 21」活動
2001年度が最終目標年度となっていた国内サイトの結果は、グリーンポイント平均点の向上率(98年度比)は、日立製作所単独および関連会社(国内)で、目標の21%を超える37.2%でした。
特に上昇したカテゴリーは、「環境方針」、「製品の環境配慮」です。前者は、環境経営の強化などに伴い、各サイトでのグループ行動計画が確実に実行されていることによります。また後者は、環境適合製品の拡大展開によります。
一方、省エネルギーについては、積極的に取り組んだものの、平均点の伸びが鈍いですが、これは、売上げ減少に伴って原単位も悪化したことが原因です。
なお、これらの活動の継続強化と共に、新環境ビジョンにもとづいた、より進化した指標を作成し、「GREEN
21」ver.2として推進します。
カテゴリー毎の平均点
NO |
カテゴリー |
日立製作所単独+関連会社(国内) |
1998年度 |
1999年度 |
2000年度 |
2001年度 |
1 |
環境方針 |
57 |
67 |
72 |
89 |
2 |
環境規制 |
61 |
68 |
72 |
73 |
3 |
環境会計 |
42 |
49 |
57 |
68 |
4 |
製品の環境配慮 |
31 |
37 |
43 |
52 |
5 |
省エネルギー |
45 |
50 |
54 |
49 |
6 |
リサイクル |
55 |
61 |
65 |
66 |
7 |
化学物質管理 |
57 |
63 |
68 |
72 |
8 |
情報公開・教育 |
51 |
60 |
67 |
79 |
平均点合計 |
399 |
455
|
498 |
548 |
向上率(%) |
基準年 |
14.0% |
24.7% |
37.2% |
|
2.環境会計
2001年度は、前年度比コスト(費用)は8%増、効果(経済効果)は6%増でした。費用対効果の向上を図るべく、今後はさらに、環境会計の内部活用を充実していきます。
3.環境適合製品
日立グループでは、製品ごとに環境適合設計アセスメントを実施し、評価結果により、評価項目の基準5点満点中2点以上かつ、総合平均点が3点以上の製品で、環境配慮に優れた製品を、環境適合製品といいます。
2002年3月現在、240製品、1504機種が該当し、売上高比(環境適合製品売上高/売上高)では、22%です。今後さらに拡大し、2003年度には60%を目標に、取り組んでいきます。
4.ゼロエミッション達成事業所
日立グループでは、各事業所から排出される廃棄物・有効利用物等の最終処分率*1を1%以下にし、かつ最終処分量(*2)を5t/年未満にすることをゼロエミッションと定義し、取り組んでいます。
2000年度には、日立マクセル株式会社の筑波事業所と日立東京エレクトロニクス株式会社の本社工場において、既に目標値を達成していました。今回、これらの事業所が継続して目標値を達成したとともに、新たに日立製作所の2事業所、日立マクセルの3事業所、日立電子デバイス販売と日立ビアメカニクスの各1事業所の、計7事業所で達成しました。
●ゼロエミッション達成事業所
会社 |
事業所名 |
(株)日立製作所 |
機械研究所 |
デジタルメディア事業部
東海事業所 |
日立東京エレクト ロニクス(株) |
本社工場 |
(株)日立電子デバイス販売
|
日立マクセル(株) |
筑波事業所 |
京都事業所 |
大阪事業所 |
小野事業所 |
日立ビアメカニクス(株) |
|
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●最終処分率1%以下達成事業所
(最終処分量5t未満かつ最終処分率1%以下)
会社 |
事業所名 |
(株)日立製作所 |
ビルシステムグループ水戸
ビルシステム本部 |
情報制御システム事業部 |
情報機器事業部 |
デジタルメディア事業部
横浜事業所 |
半導体グループ
那珂事業所 |
ディスプレイグループ |
日立インダストリイズ(株) |
土浦事業所 |
日立産機システム(株) |
習志野事業所 |
日立北海セミコンダクタ(株) |
津軽工場 |
日立電線(株) |
豊浦工場 |
土浦工場 |
日立化成工業(株) |
五井事業所 |
下館事業所 |
トキコ(株) |
山梨工場 |
日立建機(株) |
土浦工場 |
日立空調システム(株) |
清水生産本部 |
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*1最終処分率=最終処分量*2/発生量
*2最終処分量=直接最終処分量+中間処理後処分量
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