株式会社 日立製作所(取締役社長:庄山 悦彦 以下、日立)(コード番号:6501)と株式会社
ユニシアジェックス(取締役社長:任田 晃一郎 以下、UJ)(コード番号:7275)は、自動車機器関連事業の強化を目的として、日立が株式交換によりUJを完全子会社とすることに合意し、本日開催の両社取締役会の決議を経て、覚書を締結しました。
現在、日立はUJの16.7%の株式を保有しておりますが、両社の一体運営により、スピーディーかつ効率的な事業展開を図り、成長ビジネスである自動車機器関連分野での一段の競争力強化をめざします。
株式交換については、2002年5月下旬に株式交換契約書を締結し、6月27日に開催予定のUJの定時株主総会にて承認後、10月1日付にて株式交換を実施する予定です。また、これにあわせて、UJは2002年10月1日から商号を「株式会社
日立ユニシアオートモティブ」と変更します。
なお、UJ株式は、株式交換に伴い2002年9月25日をもって上場廃止になります。
1.株式交換によるUJ完全子会社化の趣旨
日立グループでは、"トータルソリューションを提供できるグローバルサプライヤー"となるべく、連結政策として、日立製作所においては「情報システムサービス」と「社会インフラシステム」を中心としたソリューション事業を担い、これを支える基幹のハードウェア事業などを子会社として一体運営していく姿をめざし、事業の再編、提携、M&Aなどを強力に推進しています。
今回のUJの完全子会社化は、自動車機器関連事業を、今後、日立グループが戦略的に注力していく事業分野として定めたカテゴリーのうちの「快適生活ソリューション」と「クリーン環境ソリューション」を担うビジネスの一つとして、強く、大きく発展させるために実施するものです。
完全子会社化により、日立グループは、UJが持つブレーキやステアリングなど「車が『止まる』」「車が『曲がる』」ための技術と、日立が持つモーター・アクチュエーターやエンジン制御など「車が『走る』」ための技術、ユビキタス情報社会を実現するために必要な最先端のIT技術やエレクトロニクス技術を融合することができます。これにより、日立グループでは、「燃料電池」「電気自動車」「ハイブリッド車」に代表される"環境対応型パワートレイン"や、自動走行を実現可能とする"車両統合制御"、ユビキタス情報社会における自動車に不可欠な"テレマティクス・サービス"など、「メカトロニクス」「エレクトロニクス」「IT」を融合した新しい技術力が求められている今後の自動車産業に対応することが可能となります。
日立グループでは、UJの完全子会社化を契機として、研究開発力、財務力、人材を活用し、自動車機器関連事業のさらなる強化を図っていく方針です。
2.自動車機器関連事業におけるUJの完全子会社化によるメリット
日立グループの自動車機器関連事業は、エンジン制御機器、電気自動車駆動システム、車載情報機器(自動料金収受システム、VICS)、自動車用電装品など、幅広い製品分野を有しています。近年では、「環境」(エレクトリックパワートレイン、環境対応低排気エンジンなど)、「安全・快適」(車間距離自動制御、電動ブレーキなど)、「情報」(ナビゲーション、テレマティクスなど)を重要テーマとし、事業拡大を図っています。
nbsp; また、株式会社 ザナヴィ・インフォマティクス(2000年12月に完全子会社化)におけるカーナビゲーションやテレマティクス事業、半導体グループにおける自動車用半導体をはじめ、多くの事業グループや関連会社で、素材から機能部品、インフラ、ソリューションまで幅広い事業を展開しています。
UJは、エンジン関連商品から駆動、懸架、操舵、制動関連商品まで、「走る」「曲がる」「止まる」といった自動車の基本機能を支えるさまざまな商品を提供する総合システムメーカーです。高度な「メカニカル」「油圧」「電子制御」の融合技術や車両適合技術を有しており、近年の環境保全ニーズや安全指向の高まりの中で、可変動弁システム、ステアリングシステム、ブレーキシステムなどの分野において幅広いビジネスを展開しています。
両社は、1999年4月に、ITS(高度道路交通システム)の走行制御分野を中心とした連携強化を目的として、日立がUJに出資し、以後、自動車機器ビジネスにおける重要なパートナーとして、エンジン制御機器や新規分野の車間距離制御システムの製品化など、さまざまな共同開発・製品化を含めた協力関係を構築してきました。
今回のUJの完全子会社化により、日立グループは、日立の持つセンサー等による外界からの情報認識技術、高度なエレクトロニクス制御技術と、UJの持つブレーキ技術やステアリング技術、車両適合技術などの世界トップレベルの技術を融合し、今後、電動ブレーキや車間距離制御システムなどの開発を一段と加速させていきます。
また、一部のエンジン制御機器など、現在、両社が重複して事業を進めている既存事業分野については、開発投資や設備の集中など効率的な事業運営が実現でき、エンジニアリング力の強化、コスト競争力の強化が図れます。
日立グループは、自動車機器における「環境」「安全・快適」「情報」分野においてトップレベルのプレゼンスを確保したことになり、車輌として理想的な機能を兼ね備えた利便性の高い製品を開発、提供することが可能になります。
また、今後の自動車機器事業の拡大と競争力強化を図るため、両社の国内外拠点網の効果的活用や日立グループ内外でのさらなる連携も視野に入れ、最適な事業体制の構築を推進し、自動車メーカーのニーズに対応したソリューションを提案、提供していきます。
3.株式交換の条件など
(1)日程の概要(予定) |
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2002年4月18日 |
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株式交換覚書 承認取締役会 |
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2002年4月18日 |
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株式交換覚書の締結 |
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2002年5月下旬 |
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株式交換契約書 承認取締役会 |
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2002年6月27日 |
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株式交換契約書 承認株主総会(UJ) |
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2002年9月25日 |
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UJ株式上場廃止 |
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2002年10月1日 |
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株式交換の日 |
商法第358条第1項の規定により、日立においては株式交換契約書の承認に関する株主総会の決議を得ることは予定されておりません。
(2)株式交換比率
日立は、野村證券株式会社(以下、野村證券)に、UJは、みずほ証券株式会社(以下、みずほ証券)に、株式交換比率の算定を依頼し、その算定結果をもとに両社協議の上、以下の通り合意しました。
なお、下記の株式交換比率は、算定の前提となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、当事会社間で協議の上、変更することがあります。
会社名 |
株式会社 日立製作所
(完全親会社) |
株式会社 ユニシアジェックス
(完全子会社) |
株式交換比率 |
1 |
0.197 |
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(注)1. |
株式の割当比率
UJ株式1株につき、日立株式0.197株を割当交付します。
ただし、日立が保有するUJの株式については、割当を行いません。 |
2. |
第三者機関による算定結果、算定方法及び算定根拠
野村證券は、日立の評価にあたり、市場株価平均法による分析を実施し、UJの評価にあたり、市場株価平均法、DCF法(ディスカウンテッド・キャッシュフロー法)及び類似会社比較法による分析を実施し、それぞれその結果を総合的に勘案して株式交換比率を算定しました。
みずほ証券は、日立の評価にあたり、市場株価基準法及び類似企業比較法による分析を実施し、また、UJの評価にあたり、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法(ディスカウンテッド・キャッシュフロー法)による分析を実施し、それぞれその結果を総合的に勘案して株式交換比率を算定しました。
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3. |
株式交換に際して発行する日立の株式数 |
普通株式25,143,245株 |
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4. |
新株式に対する利益配当起算日 |
2002年10月1日 |
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5. |
日立は、株式交換に際して交付する株式の一部について、新株式の発行に代えて自己株式を用いることがあります。 |
4.株式交換の当事会社の概要
(注1) |
2002年3月31日現在。ただし、(*1)は2001年9月30日現在。(*2)は2002年4月1日現在。 |
(注2) |
2002年3月31日現在の日立の資本金は282,032百万円、発行済株式総数は3,338,481,041株となっています。
2002年3月31日現在のUJの資本金は12,900百万円、発行済株式総数は153,165,687株となっています。 |
5.最近3決算期間の業績
(注) 日立は米国会計基準を採用しています。
6.株式交換後の状況
(1) |
当事会社の商号、事業内容、本店所在地
UJの商号については、2002年10月1日に「株式会社 日立ユニシアオートモティブ」に変更します。
事業内容、本店所在地については、変更の予定はありません。 |
(2) |
資本金及び資本準備金 日立の増加資本金及び資本準備金は未定です。 |
(3) |
UJの代表者の異動
(旧)任田 晃一郎(代表取締役社長)
(新)久野 勝邦(現日立製作所 専務取締役)
(2002年6月27日のUJ株主総会及びその後の取締役会において決議し、同日就任予定です。) |
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