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1チップパッシブカラー液晶表示システムLSI「HD66767」 |
日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 伊藤
達)は、このたび、デジタル携帯電話などの移動体通信端末の液晶表示システム用として、1チップで132×132ピクセルの画面サイズと6万5千色のカラー表示に対応したパッシブカラー液晶表示システムLSI「HD66767」を製品化し、2002年4月22日からサンプル出荷を開始します。
本製品は、携帯電話の欧州市場および折りたたみタイプの背面カラー液晶表示向けで、多彩なカラー表示とチラツキの無い高品質な表示を実現でき、写真画像などのリアルな表示が可能です。さらにパッシブカラー液晶の特長である低消費電力の特性により、待ち受け表示の長時間化を図れます。
近年、欧州市場のデジタル携帯電話は、サービスの多様化が進められているのに伴ない、表示の大画面化およびカラー化が図られています。欧州市場における携帯電話の形状はストレートのタイプが主流であり、このタイプで最大画面を実現できる液晶表示システムLSIが求められています。また、国内市場においては、電子メールやインターネットコンテンツなどの情報表示だけでなく、小型カメラ等による写真画像表示など多様化しており、大画面化への対応として、折りたたみタイプが拡大しています。さらに、折りたたみタイプでは便利度向上のため、背面にも液晶を搭載して表示を行い、その情報量も増加する傾向にあります。
当社は、これまで移動体通信端末向けのパッシブカラー液晶表示システムLSIとして、1チップの「HD66762(256色、128×136ピクセル)」、「HD66766(65,536色、132×176ピクセル)」やチップセットの「HD66765,
HD66764(4,096色、132×176ピクセル)」を製品化してきました。今回、欧州市場および背面液晶表示向けに、1チップのパッシブカラー液晶表示システムLSI「HD66767」を製品化しました。
本製品は、一体型携帯電話での最大画面サイズである132×132ピクセルに対応し、6万5千色のカラー表示を実現しているため、カメラ等による撮影写真の画像のよりリアルな表示や、電子メールなどの文字情報の一覧性を向上できます。また、38Vの高耐圧でありながら微細化を実現した0.35μmのプロセスを採用しています。
出力本数は、セグメントが396出力、コモンが132出力の合計528出力ですが、超ファインCOG実装に対応した35μmピッチのパッド間隔を採用し、さらに、ハードウェアディザリング処理(注1)で6万5千色表示を再現する技術を搭載して表示用バッファメモリ容量を従来の4分の3に削減したことにより、16.13mm×2.23mmと業界最小クラスのチップサイズを実現しています。
一方、画面サイズを大きくしたり、カラー表示にすると、より高い液晶駆動電圧が必要となるだけでなく、表示画質の低下、消費電流の増大などを伴います。従来の液晶駆動電圧の一般的な方式は、セグメント信号とコモン信号を同じ電圧範囲で駆動するため、液晶駆動電圧が高くなると液晶表示装置の消費電流も増大します。しかし本製品では、高速動作するセグメント信号を低い電圧でも駆動できるHi-FAS液晶駆動(注2)方式を採用しており、従来の方式に比較して液晶表示装置の消費電流を30〜40%低減できます。
さらに、動画を表示するために液晶パネルの応答性能が良くなると、従来の階調実現方式であるフレーム間引き階調(注3)では、液晶パネルの残像がないためチラツキが発生し、画質が低下する欠点がありました。本製品ではパルス幅階調方式(注4)を採用し、残像によらない階調方式にしたことで、チラツキの無い表示が可能となり高品質な画質を実現できます。
実装方法は、LCDガラス基板上に直接フェースダウン接続するCOG(注5)実装に対応しています。さらに、LSI内のピン配列として、セグメントドライバ領域の両端にコモンドライバを配列しているため、LCD表示装置の両端の配線バランスを均等に配置できるセンター配置が実現でき、コンパクトな実装が可能です。
今後は、各種の表示画面サイズに対応した製品を開発し、より一層のラインアップの充実を図っていきます。
(注1) |
ディザリング処理:液晶画面表示上の画素の配置パターンによって、中間色の発生を制御することで色調数を増やす処理。
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(注2) |
Hi-FAS(Hi-Frequency Amplitude Selection)液晶駆動:低速動作するコモン信号の駆動電圧を高くし、高速動作のセグメント信号の駆動電圧を低くして、異なる電圧範囲で駆動する方式。これにより実際の液晶表示するためのセグメント信号とコモン信号の電圧差を確保でき、回路構成は複雑になるが、液晶表示装置としての消費電力低減を実現できる。
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(注3) |
フレーム間引き階調:フレーム毎に階調データに合わせてオン/オフ制御し、液晶の残像を応用して中間調を実現する。
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(注4) |
パルス幅階調方式:ライン毎に、階調データに合わせた時間だけオン/オフ波形を液晶パネルに加えて中間調を実現する方式。オン/オフの時間間隔が狭いため、フレーム間引き階調に比べ、チラツキの無い画質が実現できる。
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(注5) |
COG(Chip On Glass):金バンプ付きチップをLCDガラス基板に直接フェースダウンで実装する方法。
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■応用製品例
●電子メールやWWWコンテンツサービス対応の携帯電話
●高速データ転送対応携帯電話(W-CDMA、GSM等)
●小型PDA、ハンディーGPS端末、ハンディーPOS
●携帯デジタルオーディオプレーヤ
■価 格
製 品 名 |
出荷形態 |
サンプル価格(円/個) |
HD66767 |
HCD667A67BP |
ストレート配列金バンプ付きチップ |
1,050 |
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■仕 様
項 目 |
仕 様 |
表示サイズ、表示色 |
132×132ピクセル
・6万5千色カラー
(16ビット/画素データをディザリング処理)
・4,096色カラー(12ビット/画素)
・256色カラー(8ビット/画素) |
出力数 |
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セグメント |
: |
396出力 |
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コモン |
: |
132出力 |
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表示RAM容量 |
26,136バイト |
表示機能 |
・ウィンドウアドレス機能により矩形領域での書き換え可能
・2画面分割パーシャル表示機能(任意ラインで画面分割)
・ビット単位のライトデータマスク機能
・指定色比較描画判定機能 |
液晶駆動デューティ |
1/8〜1/132(8ライン単位にプログラマブル) |
インタフェース |
・80系8ビットバス ・3/4線クロック同期シリアルインタフェース |
ライトサイクル |
100ns(Vcc=2.4V)200ns(Vcc=1.8V) |
ロジック電源電圧 |
1.7〜3.6V |
液晶駆動電圧 |
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交流反転 |
・B波形反転
・C波形反転 |
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