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2002年4月10日
 
昇降機技術、ビル総合管理システムのノウハウ、IT技術を統合し、
ワンストップでトータルソリューションを提供する「ビル総合サービス事業」を開始
同時に「ビル総合サービス事業」を支える昇降機をモデルチェンジ
日立 機械室レス標準型エレベーター
『NEWアーバンエース』
日立エスカレーター
『FXシリーズ』

  日立製作所 ビルシステムグループ(グループ長&CEO:滝澤 正夫)は、このたび、昇降機の開発や設計、製造、保全・サービス技術、販売力とビルの設備管理、警備、環境・衛生、テレマーケティング事業などビル総合管理システムで培ってきた豊富なノウハウ、IT技術を統合した、ワンストップでより高度なビルトータルソリューションを提供する「ビル総合サービス事業」を5月9日から開始します。 
  また、「ビル総合サービス事業」を支える昇降機について、製品競争力の強化を図るため、モデルチェンジを行い、標準型エレベーター、エスカレーターを5月9日から、オーダー型エレベーターについては今夏から発売します。 

  日立グループでは、中期経営計画「i.e.HITACHIプラン」の基本思想を維持、進化させ、幅広い事業分野にわたりこれまで積み重ねてきた経験、築いてきた技術力などを統合することによって、より高度なソリューションを提供すべく、さまざまな取り組みを進めています。

  今回開始する「ビル総合サービス事業」は、ビルの資産価値や居住者の安全性、利便性の向上、ビル管理業務の省力化、効率化などのお客様のニーズに応えて、当社や日立ビルシステム(取締役社長:大沼 邦彦)など関連会社が培ってきた幅広い知識、経験、技術などの資源を最適に融合・活用し、提供していく日立グループの強みを活かしたトータルソリューションサービスです。

1.ビル総合サービス事業の展開

  「ビル総合サービス事業」は、日立グループが培ってきた昇降機の販売力、昇降機設備・保全・サービス技術、日立ビルシステムの持つ国内350個所の全国サービスネットワークとビル総合管理システムなどの先進技術や豊富なノウハウを統合したもので、「カスタマーセンター」を中心としてより高度なビル総合サービスを提供するものです。
  ビル総合管理サービスの核となる「カスタマーセンター」は、(1)エレベーター、エスカレーターの運行状況やビル設備機器の状態を常時監視する“管制センター”、(2)専用情報端末と結びさまざまな情報サービスを提供する“データセンター”、(3)お客様からの連絡、問合せに対応する“コールセンター”で構成され、ビルトータルソリューションサービスの基盤をなすものです。
  「ビル総合サービス事業」は、主に(1)大・中規模マンション向けの「ITマンションシステム」と(2)中・小規模のマンション・事務所向けの「ビルケアマネージメントサービス」から構成されます。

  「ITマンションシステム」は、今回開発したホームゲートウェイサーバを使用することで、業界で初めて各住戸に一括してさまざまな情報サービスを提供できるワンストップサービスを実現しました。サービスメニューは、マンションの居住者のライフスタイルに合わせて快適性を向上させる「生活情報サービス」と防犯・防災など安全性を確保する「セキュリティサービス」の提供、ビルの設備管理・運営業務の省力化、管理費用の低減を実現する「マンションのオーナーや管理会社へのサービス」から構成されています。従来、マンションのオーナーや管理組合が各サービス会社や管理会社と個別に契約、サービスを受けていたそれぞれのサービスを、カスタマーセンターを中心に一括して提供します。

  「ビルケアマネージメントサービス」は、昇降機の保全用遠隔監視装置を高機能化することで、初期投資、ランニングコストを押さえたコストパフォーマンスの高い設備監視・管理サービスを提供するものです。 エレベーターのサービスメニューは、設備の遠隔監視などを中心とした「エレベーターの管理との連動したサービス」から集合玄関の開錠や設備メンテナンスを中心とした「ビル共用部の管理を主体としたサービス」、各住戸の施錠状態のチェックをする携帯電話サービスの提供を行う「専有部管理まで拡張したサービス」まで、ビルの大きさやお客様のニーズに応じて選択できます。
  エスカレーターのサービスメニューは、「ショッピングストア・スーパー向けサービス」、「鉄道駅向けサービス」、「ペデストリアンデッキ・自由通路向けサービス」など、建物用途、規模に応じたサービスから選択できます。 

■「ビル総合サービス事業」の概要
1.ITマンションシステム
(1) 居住者への情報サービス
1. 各住戸に設置されたホームターミナルの利用により、ホテルのフロントのように、24時間体制でマンション居住者にサービスを提供します。
2. 生活ヘルプデスクにてホームターミナルからの各種相談を受付けます。
3. マンションの共用施設の予約を映像で表示する共用施設情報サービスを提供します。
4. 管理会社からのお知らせや回覧板など、マンション管理情報サービスを提供します。
(2) セキュリティサービス
1. 集合玄関での非接触ICカードによる開錠を行います。
2. エレベーターホールでのカードによるエレベーター呼寄せや夜間のノンストップ運転を行います。
3. 各住戸玄関のカード、携帯電話による扉の施開錠を行います。
4. ホームセキュリティ(住戸内の無線防犯センサーによるセキュリティサービス)を行います。
(3) マンションオーナーや管理会社へのサービス
1. 24時間365日、緊急時の対応を行うマンション管理業務を代行します。
2. フロント受信を代行します。
3. 各委託会社のアフターフォローなどのアウトバンドサービスを行います。


2.ビルケアマネージメントサービス(エレベーター)
(1) エレベーター管理とそれに連動するサービス
1. 24時間365日緊急対応の防犯・防災、設備遠隔監視サービスを提供します。
2. 非接触ICカードによる防犯直行運転サービス、集合玄関・各住戸のインターホンでのエレベーターの呼び寄せなどを行います。
3. 防犯カメラにより、エレベーター内の録画監視を行います。
(お客様の要望により、1〜3のサービスメニューを選択できます)
(2) ビルの共用部管理を主体としたサービス
1. 非接触ICカードによる集合玄関開錠を行います。
2. エレベーターホール、エレベーター内に設置したディスプレイに各種情報サービスを流すニューメディアシステムを提供します。
3. 自動ドア、消防設備、給排水設備などの設備メンテナンスサービスを提供します。
4. 防犯カメラにより、公園、駐車場などの共用部を録画監視します。
(3) 専有部管理まで拡張したサービス
1. 非接触ICカードによる各住戸玄関施開錠を行います。
2. お知らせ、回覧板などをマンション管理情報サービスを提供します。
3. 各住戸の施錠状態をチェックする携帯電話サービスを提供します。


3.ビルケアマネージメントサービス(エスカレーター)
(1) ショッピングストア・スーパー向けサービス
1. 24時間365日緊急対応の防犯・防災、遠隔設備監視サービスを提供します。
2. 自動ドア、給排水などのビル総合管理サービスを提供します。
3. エスカレーター乗降口の監視カメラ画像伝送などを行います。
(2) 鉄道駅/ペデストリアンデッキ・自由通路向けサービス
1. スケジュール制御や遠隔設備監視サービスを提供します。
2. エスカレーター乗降口の情報提供サービスを行います。


2.昇降機全機種をフルモデルチェンジ

  「ビル総合サービス事業」への参入を機に、「ビル総合サービス事業」を支える昇降機について、製品競争力の向上を図るため、モデルチェンジを行い、標準型エレベーター、エスカレーターは5月9日から、オーダー型エレベーターについては今夏から発売します。

  また、同時に、日立ビルシステムは、業界で初めて、監視設備機器の全てのデータをコンピュータで分析、活用することで、それぞれの昇降機の状況を常に把握し、リアルタイムに改善を行い、適切な保全サービスを提供する「新保全サービス」を開始します。

  標準型エレベーターは、業界に先駆けてユニバーサルデザインを採用した「日立 機械室レス標準型エレベーター『アーバンエース』」の思想を継承しつつ、敷居間ギャップと敷居溝幅をさらに小さくするなど使いやすさをさらに進化させた「日立 標準型エレベーター『NEW アーバンエース』」を発売します。機構面においても、永久磁石式薄型ドアマシンやエレベーター専用LSI(ツインSHマイコン)などの開発により、機器のさらなる小型化・省スペース化を実現しました。

  標準型エスカレーターは、業界最小の設置幅を実現した「日立 省スペース型エスカレーター『1200EX スリムタイプ』」の構造を継承し、エスカレーターの設置幅は従来型ながら、ステップ幅を広げることによりゆったり乗ることができる一人乗り用エスカレーター「S800FX」(ステップ幅 800mm)と、二人乗り用エスカレーター「S1100FX」(ステップ幅1,100mm)を追加ラインアップします。

  また、オーダー型エレベーターとして、省スペース型オーダーエレベーター(120m〜240m/min)の新機種を今夏から発売します。新機種は、永久磁石式同期電動機、小型IGBT主回路ユニットの開発により、駆動巻き上げ機、および制御盤の小型化を実現し、機械室の省スペース化を実現しました。

  「新保全サービス」は、日立と日立ビルシステムが持つ知的財産、管制センター、サービスネットワークを最大限に活用した保全サービスです。昇降機設備の稼働状況や、診断結果などのフィールドデータをもとに、リアルタイムに部品寿命予測機能や予兆診断精度などを判断、エレベーターのスムーズな運行と省力化を実現します。

■製品・サービスの概要
1.「日立 機械室レス標準型エレベーター 『NEWアーバンエース』」
(1) ビルの付加価値を高める「ビルケアマネージメントサービス」の提供
. ビル総合管理に対応するための「ビルケアマネージメントサービス」用インターフェイスを装備しました。
(2) ユニバーサルデザインのさらなる進化
1. ボタンの大型化
上肢が不自由な車いす使用の方でも肘で押しやすいように、乗り場ボタンを38×43mmの四角ボタンから直径50mmの大型ボタンとしました。
2. 敷居間ギャップの縮小化
車いす使用の方や視覚障害の方の乗り降り時の不安をやわらげるように、敷居間ギャップ30mmを10mmに(有償付加仕様)、敷居溝幅14mmを10mmまで小さくしました(基本仕様)。
3. かご内インターフォンの応答状態表示機能を用意(有償付加仕様)
非常時に聴覚障害の方でも応答状態が確認できるように、インターホンの呼出中や応答中を知らせる応答状態表示機能を用意しました。従来は、非常時にインターホンボタンを操作しても、聴覚障害の方には応答状態の確認が困難でしたが、インターホンの呼出中/応答中をボタンの点灯点滅と、文字点灯にて表示することにより、状態が把握でき、不安感が軽減します。
4. 押し間違いを減らすための開閉ボタン
かご内開閉ボタンに,分かりやすく押間違いを減らすため、「開」のボタンを一回り大きなサイズとし,さらにひらがな表記を加えました。
(3) 建築空間に調和するかご内デザインの刷新
  『ニュートラルモダン』と名づけたデザインコンセプトのもと、多様化する建築意匠により自然に調和するニュートラルな空間,シンプルなデザインとしました。かごデザインは事務所用:7種、住宅用:6種、寝台用:4種のバリエーションを用意しました。


2.「日立エスカレーター 『FXシリーズ』」
(1) ビルの付加価値を高める「ビルケアマネージメントサービス」の提供
. ビル総合管理に対応するための「ビルケアマネージメントサービス」用インターフェイスを装備しました。
(2) 建築レイアウトの自由度を向上させる「ステップワイドバリエーション」
  さまざまな建物用途に適応するように、踏み段幅が800mmのゆったり1人乗り用の「S800FX」、1000mmのスリムな2人乗りの「S1000FX」、1100mmのゆったり2人乗り用の「S1100FX」型の3タイプのバリエーションをラインナップしました。
(3) ユニバーサルデザインのさらなる進化
  人に優しく使いやすいデザインを追求し、さらに乗り降りしやすいようさまざまな人に配慮したユニバーサルデザインの考え方を積極的に取り込んでいます。
(4) エスカレーターの現地短工期化への取組み「完成品搬入工法」
  エスカレーター製造工場にてほぼ完成品に近い形にした上で、据え付け現場まで輸送し、タワークレーンなどの揚重機で建物内に搬入・据付ける「完成品搬入工法」を選択できます。採用した場合、現地工期を従来の約1/3(3週間を1週間)に短縮することができ、建築工事の工期短縮に貢献します。

3.省スペース型オーダーエレベーター
  従来の高層ビル向けの高速エレベーター(120m〜240m/min)は、駆動巻き上げ機や制御盤などが大型なため、昇降路頂部に設ける機械室は昇降路の約2倍の面積を必要とし、建築設計上の課題となっていました。新機種は、永久磁石式同期電動機、小型IGBT主回路ユニットの開発により、駆動巻き上げ機、制御盤の小型化を実現し、従来の機械室の約1/2の面積に機械装置の収納が可能となり、昇降路と同じ面積に全ての機器が収納されます。これにより、高層ビルにおける中間階の機械室問題も解決され、より快適なフロアレアウトが可能となります。

4.「新保全サービス」(日立ビルシステム)
(1) 安心保全の提供
1. エレベーターの閉じ込め事故の約50%を管制センターからリモート救出できる業界初の「遠隔閉じ込め救出運転サービス」の導入により、閉じ込め故障時のより迅速な救出が可能となります。
2. 現場到着までに故障原因を解析する「リアルタイム故障解析システム」により復旧時間の短縮を実現します。
(2) 進化する保全の提供
1. 部品寿命予測アルゴリズムにより、部品交換周期とお客さま別計画保全を提供します。
2. 保全プロセス情報システムにより、過去の保全作業、故障履歴が蓄積された保全情報をもとに、適切な保全を提供します。

以 上



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