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2002年3月28日
次世代車載情報端末システムの開発向けに、
SuperHTMリファレンスプラットフォームを製品化
- SH7751RとHD64404を搭載する次世代カーナビゲーションシステムを
効率よく短期間での開発が可能 -
次世代CIS開発用「SH7751R」「HD64404」搭載
リファレンスプラットフォーム「HS7751RSTC01H」

   日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 伊藤 達)は、このたび、次世代のカーナビゲーションなどの車載情報端末システム(以下CIS: Car Information System)の開発向けに、当社の32ビットの高性能RISCプロセッサ「SH7751R(240MHz動作)」とコンパニオンチップの「HD64404」を搭載したリファレンスプラットフォーム「HS7751RSTC01H」を製品化しました。2002年5月から出荷を開始します。また、プロセッサ「SH7751R」の高速版(267MHz動作)を搭載した製品を2002年9月に出荷開始する予定です。
   本プラットフォームは、SuperHTMファミリ(注1)の最上位CPUコア「SH-4」とPCIバスコントローラを内蔵した最新プロセッサの「SH7751R」および「SH-4」のコンパニオンチップである次世代CIS向けの「HD64404」を搭載しています。本プラットフォームにより、「SH7751R」と「HD64404」を使った高機能で高性能なシステムを開発でき、システムの評価や応用システム、ソフトウェアの開発など、ユーザは短期間で効率の良い開発ができます。

 近年、カーナビゲーションシステムは、道路地図情報の表示だけでなく、リアルタイムの道路交通情報やインターネットによる道路交通情報サービスへの対応など、高機能化が図られています。さらに、次世代CISで扱う情報は、音楽や映像などのエンタテイメント情報、エンジンなどの各種制御情報、携帯電話やパソコンとの連携による個人情報など多様化する傾向にあります。カーナビゲーションシステムは、これらの情報を統合的に扱う中心機器として位置づけられており、CAN(注2)などの車載ネットワークやUSB(Universal Serial Bus)、MOST(Media Oriented Systems Transport)などのマルチメディアに対応したインタフェースの搭載、また、各種情報を処理するための更なる高機能化、高性能化が求められています。そして、これらを実現できるデバイスとともに、効率よくシステム開発を行なえる開発環境への強いニーズがあります。 

  当社は、これまで、カーナビゲーションシステムの開発向けに、「SH-4シリーズ」とグラフィックスLSIの「Q2シリーズ」などを搭載したリファレンスプラットフォームを製品化しています。今回、更なる高機能、高性能な次世代CISの開発用に、高性能プロセッサの「SH7751R」と次世代CIS向けのコンパニオンチップ「HD64404」を搭載した「HS7751RSTC01H」を製品化しました。本プラットフォームの特長は以下のとおりです。

<特長>
(1)高性能プロセッサ「SH7751R」とコンパニオンチップ「HD64404」の最大性能による高性能な システムを開発可能
  「SH7751R」を最大周波数240MHzで動作。もしくは、「SH7751R」とSDRAMおよび「HD64404」の間を、最大周波数100MHzの32ビットバスで動作することが可能。これにより、システムの性能を最大限に引き出すことができ、高性能なシステム開発を実現可能。

(2)次世代CIS向けの多様な周辺インタフェースとドライバソフトの搭載により、開発が容易
  周辺機能として、VGA出力、USBホスト、ATAPI、PCカード、10/100Base-T Ethernet(注3)を搭載、インタフェースとしては、RS-232C、HCAN2(注4)、MOST、I2C、S/PDIF(Sony/Philips Digital Interface)、Audio/Videoなど次世代CIS向けに必要な多様な周辺インタフェースおよびドライバソフトを搭載。このため、ユーザでのドライバソフトの独自開発が不要であり、システム開発の容易化を実現。

(3)各種バスコネクタの搭載により、ユーザでのハード拡張が容易
  開発システムのハード拡張用として、「SH7751R」のローカルバス、「HD64404」の拡張I/OバスおよびPCIバス(3.3V、5V、33MHz)のコネクタを搭載。これにより、ユーザにおけるシステム機能追加のためのハード拡張が容易に可能。

  また、OSとしては、HIシリーズOS(μITRON(注5)仕様準拠の当社製OS)、Windows® CE(注6)およびWindows® CE for Automotive、VxWorks®(注7)、QNX® RTOS(注8)等のサポートを予定しています。これにより、ユーザは、ニーズに沿ったOSを選択することができ、実際のシステムを開発する前に、本プラットフォーム上でアプリケーションソフトウェアの開発を行なうことが可能です。
   さらに、エミュレータインタフェース、デバッグ用シリアルポート、デバッグ・診断用LEDなどの豊富なデバッグ機能を搭載しており、ユーザの拡張ハードや、アプリケーションソフトのデバッグが容易に実現できます。

   今後も、更に高性能、高機能化する次世代CIS対応の製品に対応したプラットフォームの開発を行なっていきます。

(注1) SuperHTMは、(株)日立製作所の商標です。
(注2) CAN:Controller Area Networkの略で、独 Robert Bosch GmbHが提唱している車載用のネットワーク仕様です。

(注3)

Ethernetは,米国Xerox Corp.の商品名称です。
(注4) HCAN2:Hitachi Controller Area Networkの略で、Bosch CAN Ver.2.0B activeに準拠したFULL CAN対応/32メッセージバッファに対応しています。
(注5) μITRON:“Micro Industrial TRON”の略称で、TRONは、“The Real-time Operating system Nucleus”の略称です。
(注6) Microsoft®、Windows® は、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
(注7) VxWorks®は、米国Wind River Systems, Inc.の登録商標です。
(注8) QNX®は、カナダQNX Software Systems Ltd.の登録商標です。

■開発対象システム例
●カーナビゲーションなどの車載情報端末システム
●ネットワーク家電製品

■価 格
製 品 名 価格(円/台)
HS7751RSTC01H 442,000

■仕 様
項 目 仕 様
プロセッサ SH7751R(SH-4 CPUコア) 最大動作周波数: 240MHz
    キャッシュメモリ:命令 16Kバイト、データ 32Kバイト
(各2ウェイセットアソシアティブ)
コンパニオンチップ HD64404 最大動作周波数 100MHz (バス 最大100MHz)
    CPU接続:32ビット アドレス、データマルチプレクスバス
CPU用メモリ SDRAM 64Mバイト (120MHz〜80MHz、32ビット)
コンパニオンチップ用
メモリ
SDRAM 64Mバイト (100MHz〜80MHz、32ビット)
VRAM、グラフィックコマンドメモリ、周辺入出力バッファ用途のほか、CPU用メモリとしても使用可能
外部インタフェース
(スロット、コネクタ等)
・PCIスロット (3.3V×3スロット, 5V×2スロット 周波数33MHz)
・PCカードType III スロット
・SH7751Rローカルバスコネクタ
・HD64404拡張I/Oコネクタ
   (ビデオI/O、I2C、S/PDIF、MOST、HCAN2、SPI)
・Ethernetコネクタ(10/100Base-T)
・シリアルポート
外形寸法 ATX基板サイズ: 244mm(D)×305mm(W)×46mm(H)

 

以 上




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