株式会社日立製作所(取締役社長:庄山悦彦、以下、日立)と三菱電機株式会社(取締役社長:谷口一郎、以下、三菱)はこのたび、システムLSI事業の統合に向けた検討を開始することに関して基本合意に至りました。
両社は、1年後を目処に合弁会社を設立することを前提として、マイコン・ロジック・アナログ・ディスクリート半導体を含むシステムLSI事業の新会社への移管について検討を開始します。
新会社は、マイクロコントローラ(MCU)を柱としたシステムLSI事業における両社の強みを持ち寄ることで、今後、世界最強のシステムLSI供給メーカとなるべく事業を推進し、特にモバイル、ネットワーク、自動車、デジタル家電分野におけるトップポジションを目指します。
尚、合弁会社の詳細は今後両社によって検討を進めていきますが、新会社設立後は速やかにブランドを統一し、両社半導体事業の中核を引き継ぐ企業として、独立且つ安定的運営をしていきます。
日立は、16ビットMCUでは世界一のシェアを誇り、また、ICカードマイコンにおいても高い市場プレゼンスを維持しています。製造技術においてはいち早く300mmウエハや枚葉処理方式(*)を導入し、システムLSI時代における、低コスト、QTAT(Quick
Turn-Around Time)などの顧客ニーズに応えています。現在、現有ビジネスの拡大と新たな需要創造に向け、日立の技術が最大限のシナジーを発揮するための事業ポートフォリオの再構築を進めています。
三菱は、16ビットMCUでは日立とトップを競っており、世界最高レベルの耐ノイズ性能・プログラム効率性能・低消費電力CPU処理性能及び充実したソフトサポート力によってユーザーから高い評価を得ています。また、お客様のシステム要求に合わせた大容量RAM搭載システムLSIにおいては、業界トップクラスの64MビットDRAM内蔵まで可能であり、ITDM(Integrated
Technology & Device Manufacturing)の追求により事業の強化に注力しています。
両社は、今回の合意によって、これまで培ってきたシステムLSI技術・製品の一層の効率的活用を図り、合弁会社を通じて安定的高収益体質を実現すると共に、次なる時代に息吹を与え、お客様によりよい製品・サービスを提供し、株主にとってベストのリターンを得るため最大限の努力を続けます。
* 枚葉処理方式: |
半導体製造工程においてウエハを一枚ずつ処理する方式。一度に大量のウエハを処理するバッチ処理方式に比べ、多品種少量生産をする場合にTATの短縮など生産効率を向上させることが出来る。
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・両社の半導体事業の概要
株式会社日立製作所
名 称:半導体グループ
代表者:グループ長&CEO 伊藤 達(いとうさとる)
売 上:2000年度 8,274億円 2001年度(見込み) 5,100億円
製品別売上構成比
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DRAM |
システムメモリ |
システムLSI |
汎用半導体 |
2000年度 |
18% |
9% |
48% |
25% |
2001年度 |
7% |
10% |
56% |
27% |
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三菱電機株式会社
名 称:半導体事業本部
代表者:専務取締役 半導体事業本部長 長澤 紘一(ながさわこういち)
売 上:2000年度 6,800億円、2001年度(見込み) 4,400億円
製品別売上構成比
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DRAM |
システムメモリ |
システムLSI |
ディスクリート |
2000年度 |
11% |
22% |
48% |
19% |
2001年度 |
5% |
13% |
60% |
22% |
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