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2002年1月23日
 
大規模SoCの早期開発向けに、FPGAを搭載したプロトタイピングモジュール
「LogicBenchシリーズ」の新モデルを製品化
− 最大220万ゲート規模のSoCをエミュレーションでき、
ユーザにおけるシステム開発期間を当社比で1/4以上短縮可能−
FPGAモジュール「LogicBenchシリーズ」「HF24K」
FPGAモジュール「LogicBenchシリーズ」「HF24K」
サイズ:120mm×85mm

  日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 長谷川 邦夫)は、このたび、大規模SoC(システム・オン・チップ)の開発ツールとして、FPGA(Field Programmable Gate Array)およびFPGA間をプログラマブルに接続できるスイッチデバイスをコンパクトに集積した超小形のFPGAモジュール「LogicBench(ロジックベンチ)シリーズ」の新モデルに、220万ゲート規模の「HF24K」と150万ゲート規模の「HF16K」の2種類を製品化し、2002年4月より出荷を開始します。
   本製品を使用することで、ユーザは、システム開発の早期段階で擬似的なSoCを製作し、エミュレーションして検証することが可能です。さらに、製作したSoCを複数準備することで、LSI の開発とシステムの制御プログラムなどのソフトウェアの開発を並行して行なえるため、ユーザのシステム開発期間を当社比で1/4以上短縮できます。さらに、本製品のサイズは、120mm×85mmと超小形であり、実際の最終製品となるシステムの基板に組み込んで開発を行なうことが可能です。

   ユーザにおけるシステム開発は、LSI だけでなく、システムを制御するプログラムなどソフトウェアの開発も行なっています。近年、システムの高機能化、高性能化に伴い、LSI およびシステムを制御するプログラムなどのソフトウェアは、ますます複雑化していることから、開発期間は増加する傾向にある一方で、開発サイクルは短期化しており、より効率的に短期間でシステム開発を行なうことのできる方法が求められています。その1つの方法として、プログラマブルデバイス上に、LSI の論理回路を構成した擬似的なSoCを製作し、ソフトウェアと連動して仕様の検討や検証を行うアーリープロトタイピング手法があります。この手法は、従来、市販の論理エミュレーションシステムの使用またはユーザ自身による専用のエミュレーションボードの開発などにより行なわれていました。しかし、市販の論理エミュレーションシステムは動作速度が最大数MHz程度と遅いうえに高価格であり、またユーザ自身による専用エミュレーションボードは、膨大な開発期間や費用が必要なだけでなく、ボードに不良を含む可能性や論理変更が容易にできません。さらにLSI の開発とソフトウェアの開発が同時に行なえないなどの問題もあり、開発コストの低減や開発期間短縮を図ることが困難でした。

   当社は、これらの問題に対応するため、1999年に、複数のFPGAを搭載した超小形モジュール「LogicBenchシリーズ」を開発し、120万ゲート規模の「HF8000V」等を製品化してきました。「LogicBenchシリーズ」は、LSI 開発の際に、論理設計の後、論理回路をFPGAにマッピングして、擬似的なLSI を構成し、実際の動作をさせて回路の検証を行なうものです。これによりLSI の早期検証が実現でき、LSI の作り直しを抑止できるだけでなく、モジュールを複数準備することで、LSI の開発と制御用プログラムなどのソフトウェア開発を並行して行なうことが可能となります。これにより、社内および社外において好評を得てきましたが、今回、更なるSoCの大規模化に対応するため、「HF24K」と「HF16K」を製品化しました。

   本2製品は、LSI の論理回路構成用のFPGAを4個、およびFPGA間を接続するためのスイッチデバイスである4個のFPGAを両面高密度実装で搭載したモジュールで、特長は以下のとおりです。

<製品の特長>
(1)最大220万ゲートおよび150万ゲートの大規模SoCに対応可能

  論理マッピング用のFPGAとして、米国Xilinx社(注1)の最新FPGA Virtex-II シリーズのXC2V6000およびXC2V4000を採用。これにより、「HF24K」は220万ゲート規模、および「HF16K」は150万ゲート規模の論理回路の構成を実現でき、エミュレーションが可能。
(2) 数十MHz動作の高速なエミュレーション速度による検証を実現可能
  高密度実装技術により各FPGA間の配線距離を最小にしてFPGA間の遅延を短縮。さらに各FPGA間は、従来同様ダイレクト配線とスイッチデバイス経由のプログラマブル配線を混在させたミックスドクロスバ・アーキテクチャを採用。これによりタイミングがクリティカルな信号線に対してはダイレクト配線、それ以外には配線経路がフレキシブルなプログラマブル配線を割当てることができ、高速性と柔軟性を実現。また、スイッチデバイスは、今回新たにXilinx社のVirtex-II シリーズを採用し、スイッチデバイスでの遅延を短縮。これにより、最大数十MHzでの高速動作による検証を実現可能。
(3)コンパクトなモジュールサイズにより、開発システム基板に組み込んでの検証が可能
  モジュールサイズは、120mm× 85mmとコンパクトであるため、ユーザの開発システムの基板に組み込んでのエミュレーションが可能。さらに、モジュールを2枚重ねて接続することで、2倍の論理規模(最大440万ゲート)までのSoCのエミュレーションが可能。

   また、開発環境として「LogicBench Compiler」を準備しています。「LogicBench Compiler」は、ユーザのLSI 論理回路を4個のFPGAへ最適に分割するためのソフトウェアやデバッグ支援ツールであり、各FPGAへの分割・マッピングを容易に実現します。マッピングは、従来製品と同様、フル・オートマティックでユーザ論理回路をFPGAに割り当てることができ、さらにユーザの割り当て指定によるセミ・オートマティックパーティションも可能なため、論理回路の修正が容易です。また、スイッチデバイスは論理マッピング用FPGAと同じくXilinx社のVirtex-II シリーズを採用してデータ作成用ツールを一元化しているため、使い勝手の良い操作を実現しています。

今後は、更なる使い勝手の向上や大規模SoCに対応した製品の開発を進めて行きます。

(注1) XCと表示された製品、Virtex及びXilinxは米国Xilinx, Inc.の保有する登録商標または 商標です。

■価 格
製品名 価格(円/モジュール)
HF24K 5,000,000
HF16K 2,500,000

■仕 様
項 目 HF24K HF16K
使用FPGA Xilinx社 「XC2V6000」 Xilinx社 「XC2V4000」
論理規模 220万ASIC換算ゲート
+10MビットRAM
150万ASIC換算ゲート
+8MビットRAM
外形サイズ 120mm× 85mm

以 上




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