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2002年1月10日

株式会社中央サステナビリティ研究所
株式会社日立製作所
温暖化ガス排出量取引に関するコンサルティング事業を共同推進
−シミュレーションソフトにより取引を体験するセミナーを共同開催−
   中央青山監査法人グループの株式会社中央サステナビリティ研究所注1(代表取締役 細野康弘)と、株式会社日立製作所(取締役社長 庄山悦彦)は、このたび、温暖化ガス排出量取引に関する各種事業を共同で推進していくことで合意しました。
   この合意に基づき両社は、将来排出量取引に携わることを検討している企業や関係者を対象に、シミュレーションソフトを活用した教育・研修事業を手始めに、コンサルティング事業、これらに必要なツールの開発など、各種事業を共同で推進していきます。

   地球温暖化防止策を定めた京都議定書は、1997年12月に採択され、現在各国で批准の為の手続きが進められています。この議定書では、各国に対し温暖化ガスの平均排出量の削減を求めており、たとえば日本には2008年〜2012年の平均排出量を、1990年に比べ6%の削減が求められています。一方で、京都議定書では、温暖化ガスの削減コスト低減をねらって、排出量取引を行うことも盛り込まれました。排出量取引とは、排出量を枠内に収めて目標を達成する難易度が、国や業界、企業などによって違うと予想されることを背景に、目標を達成できそうにない企業などが、目標以上に排出量を削減できる企業などから余った排出枠を買うなど、排出枠の売買を行うものです。企業などは、排出量の削減費用と、排出量の買い取り価格とを比べて、より安いほうを選ぶものと考えられることから、削減にかかるコストの低い企業などが削減量を増やし、社会全体でみて、より効率的に温暖化ガスの削減が進むものと期待されています。
   2001年11月には、モロッコで開催された気候変動枠組条約第7回締結国会議にて具体的な枠組みが合意されており、今後排出量取引に関わる各種の事業が立ち上がってくることから、両社では、この事業関連の市場が日本国内においても2008年から2012年までで、年間1兆円前後にまで広がるものと予想しています。

   こうした背景から、中央サステナビリティ研究所と日立製作所は、共同で温暖化ガス排出量取引にかかる各種の事業を推進することで合意しました。
   共同事業の第一弾として、2002年1月31日から2月1日にかけて、温暖化ガス排出量取引に関する「温室効果ガスマネジメント体験セミナー」を共催します。
   今回実施するセミナーでは、中央サステナビリティ研究所がメンバーとなっているPricewaterhouseCoopersが、欧州で実施した排出量取引のシミュレーション“GETS2”のノウハウを活用して中央サステナビリティ研究所が日本向けに開発したシミュレーション取引ソフトを使用します。セミナー参加者は仮想的に各業界を代表する売買の担当者となり、各々に課せられた排出量削減目標を達成するために、内部削減メニューを実施したり、海外での削減プロジェクトの実施を含めた排出量の取引を行うことによって、排出量取引に関する実践的な知識を深めていきます。参加費用は1社につき2万円となります(参加者は1社につき2名様まで)。今後両社では、4月以降に全国の主要都市にて同様の排出量取引体験セミナーを開催する計画です。

   温暖化対策に関する実務については特にソフトの面での遅れがあると考えており、経営資源をこの領域へ重点投入することを予定しています。特に温室効果ガスの排出量のモニタリングや管理に役立つツールは皆無の状態にあり、削減メニュー選定支援、削減量モニタリング及び登録・報告書作成のためのシステムやツールの開発を共同で進めていく予定です。これらのツールを使用することで効率的かつ効果的な温暖化対策が実施できるようにしたいと考えています。

(注1 株式会社中央サステナビリティ研究所は、中央青山監査法人グループが環境マネジメント・環境監査・環境会計等のプロフェッショナル集団として設置した100%子会社。世界150カ国に拠点を置くプライスウォーターハウスクーパース(PwC)のネットワークを利用し、常に最新の情報を入手し研究を重ねるとともに、クライアントニーズに応じた支援業務を行っている。
   中央青山監査法人グループは、会計・監査・税務・コンサルティングに優れた実績を持つ「プライスウォーターハウスクーパース(PwC)」の一員。世界最大のPwCネットワークを活用し、最先端かつ高品質なサービスを実現している。
   PwCは、世界150カ国に15万人以上のプロフェッショナルスタッフを擁する世界最大のファーム。シームレスに結ばれたグローバル・ネットワークにより、世界各国との24時間体制の情報交換やナレッジの共有体制を整えている。)

以 上




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