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2001年12月13日

 

 
業界初、マルチメディアカード対応インタフェースと暗号処理機能を搭載し、
さらにUSBインタフェースを内蔵した16ビットマイコン「H8S/2158F」を製品化
−オーディオプレーヤや電子辞書、メモリカードリーダ/ライタ等に適し、
256Kバイトの大容量フラッシュメモリの搭載により、システム開発期間の短縮が可能−
16ビットマイコン「H8S/2158F」
(CSPパッケージ)

  日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 長谷川 邦夫)は、このたび、高性能16ビットマイコン「H8S/2100シリーズ」のラインアップ強化として、業界で初めて、マルチメディアカード(注1)対応インタフェース(以下、MMCインタフェース)とコンテンツ保護に対応した暗号演算器を搭載、さらにUSB(Universal Serial Bus)インタフェースとH8S/2100シリーズでは最大容量である256Kバイトのフラッシュメモリを1チップに内蔵したF-ZTATTMマイコン(注2)「H8S/2158F」を製品化しました。2002年2月からサンプル出荷を開始します。
  本製品は、小型フラッシュメモリカードの「マルチメディアカード」、「セキュアマルチメディアカード」(注3)に対応したMMCインタフェース、およびコンテンツ保護技術の「UDAC-MB」(注4)に対応した暗号演算器を搭載しています。このため、「マルチメディアカード」や「セキュアマルチメディアカード」を使用するオーディオプレーヤや電子辞書、メモリカードリーダ/ライタ等のシステムに最適です。その上、USBインタフェースを含めた豊富な周辺機能を1チップ化したことで、システム設計が容易となり、さらに部品数を削減できることからシステムの小型化、低価格化が図れます。また16ビットマイコンでの制御により高性能なシステムを実現できるとともに、フラッシュメモリを搭載していることで、システムの開発期間短縮を図れます。

<背景>
  近年、オーディオプレーヤや電子辞書等の民生機器、PCやOA機器分野においては、小型メモリカードを採用した機器が増加しています。その中で、世界最小サイズのフラッシュメモリカードである「セキュアマルチメディアカード」は音楽配信システムの「ケータイdeミュージック」(注5)に、また「マルチメディアカード」はデジタルカメラなどの携帯機器等に採用され、そのメモリサイズも年々大容量化が進んでいます。そして、このようなフラッシュメモリカードを使用する機器においては、「メモリカードとのインタフェースの高速化」「コンテンツ保護用暗号処理機能の内蔵」「USBインタフェースの搭載」が必要となってきています。
  従来、メモリカードとのインタフェースはシリアルインタフェースで実現していましたが、大容量のデータを書き込むために、より高速なインタフェースが必要です。また、コンテンツの著作権保護の暗号処理は、専用のICを外部バスに接続して対応していますが、外部バスを通して読み出される可能性があり、セキュリティの問題があります。さらに、USBインタフェースは、通信用のICを外部バスに接続して実現しているため、システムを小型化するうえでの問題でした。このため、このような問題に対応するデバイスへの強いニーズがあり、当社は、この市場ニーズに対応するため「H8S/2158F」を製品化しました。

  本製品は高性能16ビットCPUコア「H8S/2000」を搭載し、MMCインタフェース、暗号演算器、USBインタフェース等を1チップに集積した製品で、特長は以下のとおりです。
<製品の特長>
(1) 業界で初めて、「MMCインタフェース」および「UDAC-MB」対応の暗号演算器を搭載
MMCインタフェースは、MultiMediaCardモードとSPI(Serial Peripheral Interface)モードの両モードに対応しており、機器に組み込むMMCインタフェースの設計が容易。またSPIモードを使用することで、2枚のマルチメディアカードの制御が可能。さらに暗号演算器は、「ケータイdeミュージック」規格に採用されている「UDAC-MB」暗号方式に対応しており、25MHzの動作周波数で高速な暗号処理を行なえることから、「UDAC-MB」によるコンテンツ保護を組み込む機器に最適。
(2) USBインタフェースの内蔵によりPC等からの大容量データ転送が可能
USB規格Ver1.1に対応したUSBファンクションを内蔵。コントロール、インタラプト、バルク転送をサポートし、最大12Mbps(bit per second)の高速転送が可能。これにより、PCからの大容量データを本インタフェースで高速に受け取り、マルチメディアカードに書き込むことが可能。
(3) H8S/2100シリーズでは最大容量である256Kバイトの大容量フラッシュメモリを内蔵
単一電源での書き込み/消去が可能な大容量の256Kバイトのフラッシュメモリを内蔵しており、オンボードで制御用プログラムやシステムの調整ができるため、システムの開発期間短縮が可能。

  さらに、本製品は豊富な周辺機能を搭載しています。16ビットフリーランニングタイマ×1チャネル、8ビットタイマ×4チャネル、ウォッチドッグタイマ×2チャネル、8ビットPWMタイマ×16チャネル、14ビットPWMタイマ×2チャネルを内蔵、また、10ビットA/D変換器×6チャネル、高速送受信やIrDA通信が可能なシリアルインタフェース×3チャネルなどを内蔵しています。

  開発環境は、既存の「H8Sシリーズ」用のCコンパイラ、アセンブラ、リンケージエディタ、ライブラリアン、シミュレータ、デバッガが使用可能です。さらにハードウェアサポートツールとして、実機上に実装した実チップでデバッグが可能なエミュレータ「E10A」を準備しています。 パッケージは、112ピンプラスチックのCSP、100ピンプラスチックのTQFPを準備しています。CSPを使用することで、システムの小型化/薄型化を図ることができます。

  今後は、マスクROM品の開発や各種フラッシュメモリカードのインタフェースを搭載した製品など、さらなる市場ニーズに対応した製品開発を進めていきます。


(注1) マルチメディアカード:MultiMediaCardTMは、独Infineon Technologies AGの商標であり、MMCA(MultiMediaCard Association)にライセンスされています。
(注2) F-ZTATTM(Flexible Zero Turn Around Time)は、フラッシュメモリを内蔵したマイコンで、(株)日立製作所の商標です。
(注3) セキュアマルチメディアカード:Secure MultiMediaCardは、コンテンツ保護などのセキュリティ機能を内蔵したマルチメディアカードの総称です。
(注4) UDAC-MB(Universal Distribution with Access Control - Media Base):
三洋電機株式会社、富士通株式会社、株式会社 日立製作所の3社が共同で開発した汎用のコンテンツ保護技術。コンテンツをセキュアマルチメディアカードなどに配信し、ユーザ間でやりとりする状況において、ユーザが不便を感じることのないような合法的コピーおよび合法的再生を実現する。
(注5) ケータイdeミュージック:
「UDAC-MB」をベースに、三洋電機株式会社、富士通株式会社、日本コロムビア株式会社、株式会社PFU、株式会社 日立製作所の5社が纏めた、携帯電話・PHSに音楽等のデジタ ルコンテンツを配信するシステムの技術規格。セキュリティガイドライン、プロトコル規格、セキュアマルチメディアカード規格およびダウンロード・再生システム規格から構成される。
URL: http://www.keitaide-music.org/

■応用製品例
●オーディオプレーヤ
●メモリカードリーダ/ライタ
●デジタルカメラ
●電子辞書

■価 格



■仕 様

以 上




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