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2001年12月10日

 

 
次世代カーナビゲーションなどの車載情報システムに最適な
SuperHTMのコンパニオンチップ「HD64404」を製品化
- 高性能で高機能な車載情報システムを低価格で実現可能 −
SH-4用コンパニオンチップ「HD64404」

  日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 長谷川 邦夫)は、このたび、次世代のカーナビゲーションなどの車載情報システム(以下CIS:Car Information System)向けに、CISに必要な車載LAN、オーディオなどの多様なインタフェースや機能を集積した「HD64404」を製品化し、2002年2月からサンプル出荷を開始します。
本製品は、SuperHTM(注1) ファミリの高性能CPUコア「SH-4」用のコンパニオンチップです。「SH-4」と組み合わせることで高機能、高性能な車載情報システムを実現できるうえ、次世代の車載情報システムに必要な機能を集積していることで、システムを構成する部品数を低減でき、システムの低価格化を図れます。さらに、ユーザがシステム開発を行なうための開発用プラットフォームを準備しており、ユーザは短期間で効率の良いシステム開発を行なうことが可能です。

  近年のカーナビゲーションシステムは、道路地図情報の表示だけでなく、リアルタイムの道路交通情報やインターネット情報による新たな道路交通情報サービスに対応するため、高機能化が図られています。さらに次世代のCISにおいては、カーナビゲーションシステムをベースにして、道路交通情報センターやインターネットとの接続による種々のサービス情報、CAN(注2)等の車載ネットワークの接続によるエンジンや変速機などの駆動系情報や各種センサー情報など多様な情報を取り込み、集中的に表示や制御を行なうことが進められています。これにより、CIS機器で、例えば、エアコンやオーディオなど従来別々であった機器を集中制御、走行中に車両状態を表示して安全点検、また、後部座席にディスプレイのみ設置してCIS機器から映像配信等のカーマルチメディアなど様々な利用が可能になります。このように、今後のCISは、エンターテイメント情報から制御情報、通信情報まで各種情報を融合した統合的な情報システムとして、市場が急速に拡大することが予想され、カーナビゲーションシステムは、CISの中心機器として位置づけられています。
  しかし、各種情報の取り込みを行なうためには、種々のインタフェースや周辺回路が必要です。従来は、それぞれ個別のデバイスで構成していましたが、今後のさらなる高性能、高機能なシステムの低価格化を図る上で問題でした。このため、CISを構成するデバイスに対しては、大量の情報処理を行なえる高処理性能であるとともに、部品を削減してシステムの低価格化を図るために、各種インタフェースや周辺回路を搭載することへの強いニーズがあります。

  当社は、これまでSuperHファミリおよびグラフィックス処理LSIのQシリーズを製品化し、カーナビゲーションシステムに採用され、好評を得ています。しかし、今回、以上の市場ニーズに対応するため、SuperHのコンパニオンチップとして、グラフィックス処理LSIを次世代CIS向けに強化した「HD64404」を製品化しました。本製品の特長は以下のとおりです。
<特長>
(1) 次世代CISに適した多様なインタフェースを搭載
   車載ネットワークであるHCAN2(注3)インタフェース、オーディオ機器等と接続するI2Cインタフェース、オーディオLSIと接続するオーディオCODECインタフェースや日立S/PDIF (Sony/Philips Digital Interface)、DSPなどのLSIを接続する日立SPIインタフェースなど、各種情報を取込むための多様なインタフェースを搭載。さらに拡張バス機能として、MOST(Media Oriented Systems Transport)インタフェースを搭載しているため、次世代の光ファイバケーブルによる車載ネットワークに対応可能。  
(2) 高性能なグラフィックスエンジンと表示機能の搭載 
   地図描画などに最適な当社のグラフィックス処理LSIであるQ2シリーズの上位機種Q2SD(注4)相当を内蔵し、100MHzでの高速動作を実現。また、Q2SDの命令セットと互換性があるため、プログラムの流用が可能。さらにBit BLT(Bit Block Transfer)やラスタオペレーションをサポート。画面解像度は、854×480のWVGAに対応。  
(3) フレキシブルで効率の良いバスアーキテクチャ 
   「SH-4」と接続する外部バスは、PCの標準バスであるPCIバスとSH-4専用バスの2種類を用意。システムの構成に応じて、バスを使い分けることが可能。また本製品の内部バスは、各種インタフェースや周辺機能用のレジスタバスと大容量データ転送用の高速なピクセルバスの2重 バス構造を採用。これにより、効率の良いデータ処理を実現。さらに、本製品のグラフィックスメモリをシステム用のメモリとして使用できるユニファイドメモリアーキテクチャ構成を採用しているため、外付けのメモリ部品数を削減することが可能。  

  以上のように、本製品は、次世代のCISに適した機能を搭載しており、「SH-4」と本製品を使用することで、高性能で高機能なシステムを実現できるとともに、部品数も低減できることから、システムの低価格化を図ることができます。
パッケージは、小型のTBGA-352ピンを採用しており、システムの小型化を図れます。

  また、本製品を採用するシステムの開発用プラットフォームを準備しています。プラットフォームは、「SH-4」CPUコアを内蔵した「SH7751R」と本製品を搭載し、USBやATAPIなどの各種インタフェース、およびSH拡張バスコネクタやPCIバスコネクタを備えているため、ユーザでの拡張機能の追加が容易です。OS(Operating System)として、Windows® CE(注5)やVxWorks®(注6)、QNX® RTOS v6(注7)等のサポートを予定しています。プラットフォームの使用により、本製品を使用するシステムの開発を、短期間で効率よく行なうことができます。

  今後は、本製品を次世代CISにおける標準デバイス化への取り組みを行なうとともに、製品のさらなる高性能化や新たな周辺機能を搭載した製品の開発を進め、ますます高機能化されるCISに対応していきます。

(注1) SuperHTMは、(株)日立製作所の商標です。
(注2) CAN:Controller Area Networkの略で、独 Robert Bosch GmbHが提唱している車載用のネットワーク仕様。
(注3) HCAN2:Hitachi Controller Area Networkの略で、Bosch CAN Ver.2.0B activeに準拠したFULL CAN対応/32メッセージバッファ。
(注4) Q2SD: Quick 2D Graphics Renderer with Synchronous DRAM interfaceの略
(注5) Microsoft®、Windows®は、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
(注6) VxWorks®は、米国Wind River Systems, Inc.の登録商標です。
(注7) QNX®はカナダQNX Software Systems Ltd.の登録商標です。

■応用製品例
●カーナビゲーションなどの車載情報端末システム

■価 格

製 品 名 動作周波数 パッケージ 1万個ロット時の価格(円/個)
HD64404 100MHz TBGA-352 4,000

■仕 様

 

以 上




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