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2001年12月5日
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日立製作所中央研究所(所長:武田英次)は、このたび、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、およびカーボン(C)の混晶を選択エピタキシャル成長させた、SiGeCヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:
Heterojunction Bipolar Transistor)を試作し、遮断周波数1)が124ギガヘルツ(GHz)、最大発振周波数2)が174GHzという、世界最高速の素子性能を達成しました。SiGeC
HBTは高温の熱処理に対する特性変動が少ないため、次世代通信用LSIとして期待されているバイポーラCMOS(HBTとCMOSを混載)に適しています。今回、高速動作性能を実現したことによって、超高速通信システム用送受信器へのバイポーラCMOSの適用が加速されるものと期待されます。 インターネットや携帯電話の急速な普及とともに、光・無線通信システムにおける大容量データ伝送の要求はますます高くなってきています。これとともに、通信用の送受信器に搭載されるLSI(大規模集積回路)においても、大幅な高速性能の向上が求められています。この要求に答えるLSIとして、超高速のHBTと中・低速の信号処理を行うCMOS(相補型金属酸化膜半導体)を混載した、バイポーラCMOS(BiCMOS)が注目されています。しかし、従来のSiGe HBTは単独では高速性を備えているものの、CMOSを混載しようとすると、プロセスで加えられる熱処理によって急激に性能が劣化し、期待するほどの効果が得られないという課題が明らかになっていました。これに対して、SiGeCは高温の熱処理に対して特性劣化が少ないことから3)、バイポーラCMOSに適したHBTの新材料として注目されています。しかし、これまでSiGeCのエピタキシャル成長を用いて自己整合構造4)のトランジスタを作製できず、単体でも十分な高速性を得ることができませんでした。 このような背景から、今回、当社では、バイポーラCMOSに適したSiGeC HBTの高速化技術に取組み、世界最高速の性能を達成しました。開発した技術は、次の二つです。
本技術により、超高速のHBTと加工寸法0.1μmのCMOSを容易に混載することが可能であり、マルチメディアサービスを提供する次世代基幹伝送システムや大容量無線通信システム、さらにはミリ波を用いた高度交通制御システムなど次世代のIT技術を支える超高速・高機能デバイス技術として期待されます。 なお、本成果は、12月3日から米国ワシントンD.C.で開催される電子デバイスに関する国際会議「2001 International Electron Devices Meeting」にて発表します。 【用語解説等】
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