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2001年10月31日

 

車載情報端末向けに、SuperHTMマイコン用 高性能描画ソフトウェア
「グラフィックスソフトウェアエンジン」を開発
- �SH-4�と当社のグラフィックス処理LSIに最適化した高性能グラフィックスドライバ
およびGDI-Subライブラリにより、当社従来比で最大30倍の描画性能向上を実現-


  日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 長谷川 邦夫)は、このたび、カーナビゲーションなどの車載情報端末システム向けに、SuperHTM(注1)用の高性能な描画用ソフトウェア「グラフィックスソフトウェアエンジン」を開発しました。本エンジンを使用するシステムの開発向けに、既存の開発用ツールであるリファレンスプラットフォーム「PFM-DS6C」と組み合わせ、2001年12月からサンプル提供を開始します。
  「グラフィックスソフトウェアエンジン」は、32ビットマイコン SuperH RISC engine ファミリのCPUコア「SH-4」とチップセットのグラフィックス処理LSIである「HD64413A」(以下、Q2SD(注2))用の高性能グラフィックスドライバとGDI-Sub(注3)ライブラリで構成したソフトウェアで、車載機器向けのOSであるMicrosoft® Windows® CE for Automotive, Version 3.5(注4)上で動作します。「SH-4」と「Q2SD」に最適化しているため、本ソフトウェアを使用することで、描画処理速度を当社従来比で最大30倍に高速化でき、高性能なシステムを実現できます。さらにリファレンスプラットフォーム�PFM-DS6C�でシステム開発を行うことで、開発期間の短縮とコスト低減が図れます。

  近年、カーナビゲーションシステムは、単なる道路地図表示やGPS(Global Positioning System)による車の現在位置表示だけでなく、音声ガイドによる使い勝手向上やインターネット接続等の通信による情報提供などの高機能化が進められており、今後のCIS(Car Information System)における車載情報端末の中心機器として位置付けられています。このため表示する内容は多様化し、例えば、各種交通情報のリアルタイム表示、また交通情報と地図情報との合成による目的地までの最短経路情報表示や鳥瞰図などの3次元表示、また画面分割によるインターネット情報などの同時表示など、ますます高機能化が図られています。
  今後、システムがさらに高機能化するにともなって、表示情報量も増加することが予想され、システム開発のうえでは、高速な画面スクロールなど、さらなる高速、高性能な描画を実現できる手段とともに、システム開発を短期間で行なえることが求められています。


  当社は、これまでSuperHファミリおよびグラフィックス処理LSIのQシリーズを製品化し、カーナビゲーションシステムに採用され、好評を得ています。しかし、今回、さらなる高性能化の市場ニーズに対応するため、SuperHの上位CPUコア「SH-4」とQシリーズの上位機種「Q2SD」に対応した高性能な描画ソフトウェア「グラフィックスソフトウェアエンジン」を開発しました。
  「グラフィックスソフトウェアエンジン」は、車載機器向けOSのWindows® CE for Automotive, Version 3.5の上で動作する高性能なグラフィックスドライバとGDI-Subライブラリで構成したソフトウェアで、それぞれの特長は以下のとおりです。
<特長>
(1) グラフィックスドライバ 複数プレーンの重ね合わせ、高速スムーススクロールなど「Q2SD」の持つハードウェア機能をサポート。さらに、GDI-Subライブラリとの組み合わせにより、「SH-4」の演算と「Q2SD」の描画の並列処理が可能となり、システム全体の性能が向上。
(2) GDI-Subライブラリ 地図描画に最適な「Q2SD」対応のGDI-Subライブラリを用意。ライン、矩形、多角形、楕円、ブロック転送などの基本的な描画関数をサポートし、コマンドリストを高速に生成。さらに当社独自の拡張機能として、ビットマップ変形機能をサポートしており、3次元画像表示も容易に実現可能。

グラフィックスドライバとGDI-Subライブラリにより、「SH-4」と「Q2SD」のグラフィックス性能を最大限に引き出すことができ、従来のWindows® CEで標準のGDI(Graphics Device Interface)適用時と比較し、当社従来比、ライン描画で30倍、矩形描画で10倍、多角形描画で3倍の描画処理速度を向上できます。これにより、地図描画など大量の画像データを高速に扱うカーナビゲーションなどの高性能な車載情報端末システムを実現可能です。


  また、既存のリファレンスプラットフォーム「PFM-DS6C」は、車載情報端末システムの開発用プラットフォームで、以下の特長があります。

<特長>
(1) CPUコア「SH-4」を内蔵した「SH7750」と高速なグラフィックス処理を実現する「Q2SD」を 搭載。演算機能と描画機能を分離してCPUの描画処理の負荷を軽減し、システムバスの使用 効率を向上。
(2) SH拡張バススロット、PCIバススロットを装備し、ユーザ拡張機能の追加が容易。
(3) Windows CEのアプリケーションやデバイスドライバを開発するための実行環境をサポート。

  本「グラフィックスソフトウェアエンジン」とシステム開発に最適なプラットフォーム「PFM-DS6C」のソフトウェアおよびハードウェアによるソリューションにより、高性能な車載情報端末の実現とユーザにおけるシステム開発期間の短縮、開発コストの低減が可能です。


今後は、さらなる性能向上を図った製品の開発やユーザのシステム開発におけるソリューションを提供していきます。
(注1) SuperHTMは、(株)日立製作所の商標です。
(注2) Q2SD: Quick 2D Graphics Renderer with Synchronous DRAM interfaceの略
(注3) GDI-Sub: GDI(Graphics Device Interface)と呼び出し命令の互換性を保ったサブセット 描画ライブラリであり、主に地図の高速描画を目的に作られ、グラフィックス LSIの 性能を最大限に発揮できるよう最適化されている。
(注4) Microsoft®、Windows® は、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国におけ る登録商標または商標です。


■応用製品例
●カーナビゲーションなどの車載情報端末システム


■下記のプラットフォーム「PFM-DS6C」で動作
項 目 構 成
CPU SH7750(SH-4) 最大動作周波数 内部200MHz、バス66MHz
グラフィックスLSI HD64413A(Q2SD)内部動作周波数 66MHz
主記憶メモリ SDRAM: 64Mバイト
グラフィックスメモリ SDRAM: 8Mバイト
フラッシュROM 32Mバイト
EPROM 512Kバイト(ブート用)
外部インタフェース PS/2キーボード&マウス (注1)
シリアルインタフェース × 2チャンネル
PCMCIAインタフェース × 2チャンネル
Ethernet(OSダウンロード用) (注2)
ステレオサウンド再生(AC97CODEC対応)
IrDA(SIR)インタフェース
USBインタフェース(ホスト) × 2チャンネル
電源 PC用電源(3.3V、5V、12V)
(注1) PS/2はIBM社の登録商標です。
(注2) Ethernetは米国 XEROX社の登録商標です。
 

以 上




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